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【#サイバーパンク元年】Netflixで『オルタード・カーボン』を見てほしい話。

Netflixには先月25日に「今日のTOP10」というランキング機能が追加されました。これで人気の作品が一目で分かります。

さらに、27日にはNetflixオリジナルドラマのオルタード・カーボンシーズン2が配信開始されました。

シーズン1は2018年2月2日に公開され、同年7月に制作が発表された待望の本作。そして、日本の制作陣による3DCGアニメオルタード・カーボン・リスリーブドも、来たる今月19日に全世界に向けて配信されます。

Netflixで配信されている数多の作品群でも、おそらく指折り注力されているシリーズとして差し支えありません。

早速「今日のTOP10」ランキングをチェックしましょう!

あれ?

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…ない?

載ってない…

載ってな~~~~い!!!

と、いうことで『オルタード・カーボン』を勝手にオススメします。

外出を控える昨今だからこそ、一気見のチャンスです!


2020年:サイバーパンク元年

ドラマ『オルタード・カーボン』は、リチャード・モーガンによる同名小説を原作とするサイバーパンク作品です。「サイバーパンクって何?」という説明は僕には荷が重すぎるので、とりあえずは「肉体が機械と繋がったり、巨大なネットワークに融合したりした近未来世界を描いたSFのジャンル」とイメージしてください。

以下のMVには雛型の「サイバーパンクっぽさ」が詰め込まれています。

ちなみにLil Nas XTikTokで怪物的な人気を博したHIPHOP歌手です。残念ながら日本では版権上利用できないようで、ピンと来ない人が多いかも…。

また、2017年に続編『ブレードランナー 2049』が公開された『ブレードランナー』や日本のアニメ『攻殻機動隊』はサイバーパンク作品において後世にも大きな影響を与えました。こういった、いわゆる金字塔的な作品ならば見たり聞いたりした人も多いでしょう。

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©士郎正宗・Production I.G/講談社・攻殻機動隊2045製作委員会

ちなみにその『攻殻機動隊』もシリーズ初のフル3DCGアニメ攻殻機動隊 SAC_2045として、Netflixで全世界に配信されます。Netflixで、です。

嗚呼、もう足を向けて寝られません…。

また、大友克洋の代表作『AKIRA』も、サイバーパンクを根底に感じさせるネオ東京を舞台に展開されるストーリーです。

Twitterでは劇中で描かれる「2020年東京オリンピック」が予言として注目が再燃したり、実際の日付に合わせて「#中止だ中止」がトレンド1位を獲得したりと、1982年の連載開始から今なお、ファンを飽きさせません。

さらに2020年のサイバーパンクは勢いが留まるところを知らず、マンガや映画だけでなく、ゲームでも注目作がリリースされます。

キアヌ・リーブスも出演する、オープンワールドRPG『サイバーパンク2077』は、2020年9月17日に販売予定。

本作はテーブルトークRPG『サイバーパンク2.0.2.0.』を原作としています。その名に冠する通り、2020年を舞台としています。

まさしく、2020年は「サイバーパンク元年」とでも呼ぶべき時代です!

ダメ押しとばかりに付け加えるならば、
デザインのトレンドでもサイバーパンクな配色が名を連ねています。

参考:99designs, "10 stunning graphic design trends for 2020"

AIの認知向上や5Gに対する期待感が、サイバーパンクな生活や暮らしを身近なものとして後押ししているのかもしれません。

余談ですが、基本的にサイバーパンクは腐敗した体制や退廃的な機構の近未来を描いているものなので、単純な憧れは諸刃の剣です。むしろ、そこでの示唆や教訓から、よりよい未来を模索することこそ現実を生きる我々の役目であり、サイバーパンクが持つエンタメ以上の魅力と思われます。

当然ながらオルタード・カーボンは、この2020年・サイバーパンク元年の一翼を担う作品です。ぜひ他の作品とともにご覧ください。

ようやく『オルタード・カーボン』の話

【注意】
本編の内容には触れますが、シーズン1も含めてここでは核心のネタバレは極力避けるつもりです。1人でも多くの人がご覧いただければ幸甚です。

元も子もない話ですが、本作はサイバーパンク好きなら必ず楽しめます。

特にシーズン1は主人公「タケシ・コヴァッチ」を演じるジョエル・キナマンのカッコよさ、設定を活かしたミステリ要素、世界観を余すことなく表現する映像美のどれをとっても傑作といえます。

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出典:Netflix『オルタード・カーボン』

SFは独自の用語が立て続けに並び、唐突な説明口調で敬遠されることが多いジャンルであることは否めません。

ただし本作ではドラマという特性を使って、これに対処しています。

2時間程度の映画ではなく、全10話のドラマなので、その設定を描写したり理解したりするための時間には雲泥の差があります。

さらに昨今のテレビドラマと違い、Netflixでは全話が同時配信されます。放送した回の評判を受けて急遽シナリオを書き換えたり、シーンを差し替えたりする必要性がありません。これによってシーズン全体を通した物語の一貫性や緩急が担保されます。

特にアクションシーンの迫力や、想像より精緻な世界観を楽しむだけでも映像作品の素晴らしさが身にしみます。

難しく考えず、さらに細かい描写や正確な定義は小説に委ねてもよいかもしれません。

原作の小説は「タケシ・コヴァッチ」シリーズと呼ばれる三部作です。
 ・オルタード・カーボン
 
ブロークン・エンジェル
 
ウォークン・フュアリーズ

基本的に国内で出版されている文庫本は、それぞれが上下巻に分かれているため、合計で6冊で構成されます。

なお、シーズン2の最終話には「ブロークン・エンジェル」と副題がつけられていますが、シーズン2のベースは3作目の『ウォークン・フュアリーズ』です。「原作を予習してから見たい」や「ドラマや映画が面白かったら原作も読みたい」という皆さまは、ご留意ください。

シリーズが3部作シーズン2まで配信されている」となれば、シーズン3を心待ちにしてしまうのが人の性…。

こればかりはNetflixに朝晩の礼拝を欠かさず、神に祈りを捧げるほかありません。

巨大企業に人々の命運が握られていたり、宗教への信仰が避けられなかったりするのは、サイバーパンク世界のスタンダードですが、既に僕はその片鱗を味わっている気分です。

まもなくNetflixで公開予定のアニメ『オルタード・カーボン・リスリーブド』は3部作と異なるスピンオフ作品らしいです。脚本家のひとりには『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』などにも携わった佐藤大がいらっしゃるので、ゴーストの描写や解釈にも個人的に興味が惹かれます。


シーズン2の見どころ:人工知能(AI)の心

「AIの心」なんて書き方は陳腐の極みですが、シーズン2は最早「タケシ・コヴァッチ」の話というより、クリス・コナー演じるAI・ポーを見守るストーリーといっても過言ではありません。

シーズン1を通して飄々としたイメージの彼ですが、シーズン2では不具合から思うように立ち行かない場面が増えてきます。

しかしながら、復帰に要する期間は分からず、記憶を失う恐れがあるからと解決策である再起動には踏み出せません。

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出典:Netflix『オルタード・カーボン』

見ているのは本当につらいです。いたたまれない気持ちになります。思い出を何よりも大切にして逡巡する姿や周囲から受け入れられないときの表情は、人間以上に人間らしさを体現しています。それゆえに彼の存在は一層大きくなり、彼の選択に目が離せません。

またシーズン2から登場するAI・アナベルも、自身の存在意義に葛藤したり、症状が悪化していくポーを支えたりしていきます。ポーとアナベルはシーズン2屈指の注目キャラです。

その他にもシーズン1の視聴者には嬉しい要素がたくさん。
これ以上はネタバレになるので、ぜひご自身の目でご覧ください。

最後に

本来は『オルタード・カーボン』に注力すべきところ、ほとんどサイバーパンクとNetflixの話に終始してしまいました。とはいえ、サイバーパンクにご興味がある人には楽しめる作品です。ぜひご覧ください。

2020年はサイバーパンク元年と勝手に提唱しましたが、これまでもサイバーパンクは根強いファンに支えられてきました。私見ながら、今年公開される数々の作品やコミュニティの活発化によって、その環が一回りでも二回りでも広がれば何よりの幸せです。

ちなみに『AKIRA』も4Kリマスター版が販売されるようです。『AKIRA』の実写映画化は何度も経緯が変わり、未だに公開の目処が立っていません。

ぜひ、このサイバーパンク元年に嬉しいニュースが聞けることを心待ちにしています。

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2020年3月6日

会社のみんなとドーナツ食べます。