パンチライン百科事典 p.1 -Take What You Want-

このコーナーはもともと私がインスタグラム上で個人的に行っていた「オススメの歌詞をその背景と共に紹介する」というコーナーだったのだが、今回からはこちらに場所を移して投稿していくことにした（完全に気まぐれである）。

Vo.1ではつい先日リリースされたPost Maloneのニューアルバム"Hollywood's Bleeding"からの1曲、"Take What You Want"を取り上げようと思う。

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Post Malone - Take What You Want 0:40〜

‎ポスト・マローンの"Take What You Want (feat. Ozzy Osbourne & Travis Scott)"

I never needed anything from you
And all I ever asked was for the truth (All I ever asked was for)
You showed your tongue and it was forked in two
Your venom was lethal, I almost believed you (Almost believed you)
Yeah, you preyed on my every mistake          

僕は君から何も必要としていなかった
君に求めていたものは真実だけ（君に求めていたものは）
君は舌を見せ、それは2つに割れていた
君の毒液は致命的だった、僕はもう少しで君を信用してしまうところだった（もう少しで君を信用してしまうところだった）
そう、君は僕の1つ1つの過ちを食い物にした　0:40〜

この曲はポストマローンの心を傷つけた女性について歌ったものだ。彼はある女性に騙され心に傷を負ったのだ。その女性の様子を蛇に例えたこのラインでは彼の作詞における賢さが感じられる。

まずは"You showed your tongue and it was forked in two"（君は舌を見せ、それは2つに割れていた）という部分、「君」とは彼のことを傷つけた女性のことであり、その女性の舌が2つに割れていたという。これは言うまでもないことだとは思うが、蛇の舌は2つに割れている。そして英語には"Forked tongue"という「2枚舌」という意味のフレーズがあり、つまりこれはその女性が嘘つきであるということを表している。その前のライン、"And all I ever asked was for the truth"（君に求めていたものは真実だ）からもわかるようにその女性は彼に対して嘘をつき続けていたのだろう。

そして最後の"Your venom was lethal, I almost believed you" （君の毒液は致命的だった、僕はもう少しで君を信用してしまうところだった）と"Yeah, you preyed on my every mistake"（そう、君は僕の１つ１つの過ちを食い物にした）というラインであるが、ここではいかに彼女が危険な人物であったかを説明している。蛇のはその牙の中に人を死に至らしめたり、麻痺させることのできる"Venom"「毒液」を持つことが多い。さらに"Venom"には「悪意」という意味もある。つまり、彼はその悪女に騙され弱みに付け込まれ、完全に"Preyed"（獲物にされた）のだ。

本来であれば彼女が口を開き二枚舌であることに気づいた時点で、ポストはその女性から離れるべきだった。しかし、なぜか彼はそうはしなかった。これがいわゆる彼が犯した"Mistake"（過ち）の一つであると考える。逆に彼は近づき口づけを交わしてしまった。そして結果として、彼女の牙によって毒に侵され何が正しいのか間違いなのかもわからないまま騙され続けたのだろう。彼のように優しい男性は女性に騙されないように気をつけた方が良いのかもしれない。

P.S.　実はこの曲は聴く前から好きになる予感がしてました。なぜなら、客演が凄いからです。現ヒップホップ界の大物Travis Scottとロック界の大御所Ozzy Osbourneが参加しているんですよ！テンション上がりませんか？笑　私は、ポストマローンが昔からメタルファンで当初はロックアーティストとしてデビューしたかった、というちょっとした裏話を知っていたので、特にOzzy Osbourneの参加は彼のキャリアの中でも非常に重要な出来事だろうなと感じました。タイラーザクリエイターといい、アーティストがヒップホップアーティストして注目を集めた後に自分が本当にやりたかった音楽に転向していく流れっていうのが出来つつあるのかもしれないですね。

written by じょん