見出し画像

下園薩男商店という会社

1939年創業の丸干し屋。
ウルメイワシの丸干しというものを作り続けながら、様々な取り組みをしている。

鹿児島県阿久根市、この場所は丸干ししか作っていないという会社が8件残っている珍しい地域だ。
良い魚には高値がつくため、漁師の息子さん達は皆さん継いで漁師になっている。小型・中型船ながら1日で百万円以上稼ぐこともある。

しかし、食が多様化し、手間をかけた食事というものも少なくなり丸干しを食べる方も少なくなってきている。そのうえ漁獲量も減ってきている。
このままでは丸干しという文化自体が無くなっていくかもしれない。

私達の企業理念は
「今あるコトに一手間加え、それを誇り楽しみ人生を豊かにする。」

その地域に根付いてきた物事を誇り・楽しみながら一手間加えることで、自分達そしてお客様の人生も豊かになるという考え方である。

何故そういう事が必要なのか。

私達は過去によって今があり、そして未来がある。

祖先や関係する地域など、過去の事象により、こうしようと思う事もある。逆にそういった事がなかったからこうしようと思う事もある。

何も感じることもなく、ただなんとなくやっていたらこうなっていたという事もある。

いずれにせよ、何かが選択に関係しているし、それが未来につながっている。

私達は周りとの関係性の中で、自分というものが成り立ち、作られる。
人以外の出来事でも同じだ。

様々な情報やモノを入手できる時代になり、世界中で同じようなものが流行ることも増えてきた。世界中同じような環境で育っていくであろう世の中の自然の流れ。
しかし全てが均一化されてしまうと、どの地域だろうが、誰であろうが、全ての存在自体が同じになり、自分自身の存在意義というものが、わからなくなってくるかもしれない。

人だけでなく、地域も同じ。
色んな地域が全て同じもので出来上がった未来を想像してみよう。
お店も、建物のデザインもどこに行っても同じ。
利便性も住み心地も、環境もすべて同じ。
そんな未来になったら、その地域の存在意義はどこにあるのだろう。

しかしそんな中でも、人間の力ではどうにもならない、その地域ならではの物事がある。
それはその地域の自然だったり、歴史・伝統・文化・雰囲気だったりする。

そういったものから作り出されるものは、魅力的に感じる。
その魅力的に感じるものを自分自身が見つけ、より多くの人に知ってもらうよう取り組むことで、その人自身の存在意義、自分は何をするのかという事に納得できるようになるのではないだろうか。

ウルメイワシの丸干しというものが何十年もこの地域で作られ、魚が獲れると色んな人達が集まってくる。この風景こそがこの土地らしさだ。
そしてその風景をそのまま単に続けるだけだと、だんだんと廃れてしまうかもしれない。
そこに、こう一手間加えたらもっと楽しいんじゃないかと取り組む。

そうすることで、今まで魅力に気付いていなかった人が振り向いてくれるようになる。
そしてそうやって面白がっている人に興味を持ってくれる。
それが輪になり、新しい文化を作る。

下園薩男商店がしたいのはそういった取り組み。
その地域の特徴をとらえ、こうしたら楽しいかもと考えながら実行する。
それを楽しめるようになると、自分自身の役割が定まってくる。
誰かが何かを決めてくれるのではなく、自分はこの道がいいなと決まってくる。

それは何かに一生懸命取り組むことかもしれないし、取り組んでいる人をサポートすることかもしれないし、何もしないけれども見守ることかもしれない。
関わり方は違うけれども、自分がどうしたら心地よいのか。

そういったことに取り組んでいくのが下園薩男商店のやっていきたいこと。
過去と未来をつなぐ取り組み。


この記事が参加している募集

仕事について話そう

最後まで読んでくれてありがとうございます! サポートももちろん嬉しいですが、アナタのスキが励みになります♡ これからも、イワシとわたしをよろしくお願いします!