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好きなことだからこそ一息つくワケ

今回お話を伺ったのは、鹿児島県鹿児島市内のスタジオでカメラマンとして活躍する栗野果林くりのかりんさん。
3月に公開されたわたしと山猫の物語vol.2「一息つきたいそんな日に」のモデルをしていただきました。

わたしと山猫 モデルvol.2 栗野果林

普段はスタジオだけでなく、個人でもカメラマンとして活躍されている栗野さん。
昨年のash Design & Craft Fair 2022ではイワシビルで「柔らかくて暖かい」をコンセプトに写真を展示していただきました。

好きなことを仕事にする

スタジオでの仕事はウェディングや成人式、七五三などの人物撮影から料理、もの、建築と多岐に渡りますが、栗野さんが好きなのは人物撮影。
高校を卒業した頃から友達を撮るのが好きだったといいます。
写真を本格的に撮り始めたのは二十歳のとき。二十歳の誕生日と成人の記念で家族からミラーレスカメラをもらったのが本格的に撮り始めたきっかけでした。

そんな栗野さんの趣味が仕事に変わるのは、ある人の一言がはじまり。

きっかけは「カメラマンになればいいじゃん」

「カメラ女子に写真を撮ってもらおうという企画で、友達と一緒に参加したときに出会ったのが、今働いているスタジオの社長でした。そのときが初対面だったんですけど、『カメラマンになればいいじゃん』って言われました。たぶん、軽く言われた言葉だったんですけど、そのときの私は本気で捉えて、『あ、私でもなれるんだ』って思ったんですよ」

社長から言われた言葉によって、栗野さんはそこから約3年、カメラマンになるかを考えます。

「結構、前に進めないタイプで、自分の居心地のいいところにずっといてしまうんです。だから、なかなか一歩進むことができなかったです。そのときにArt Buildingに出会って、自分のことを見つめなおす中で『5年、10年の目標を立てた方がいいんじゃないか』とアドバイスをもらってから目標を立てて動くようになりました」

一番背中を押してくれたのがArt Buildingのメンバー。
イワシビルとも縁がある鹿児島出身のバンドです。

一つ一つの目標に向かってコツコツと歩を進め始めた栗野さんはカメラマンになって今年3年目。仕事に対する捉え方も生活もガラリと変わりました。

「前は仕事は仕事で、プライベートを楽しむタイプだと思っていたんですけど、今は仕事中心の仕事人間になりました。今は目標もあるし、仕事が生きがいになって凄く楽しいです」

趣味が仕事になった今も、大好きなSHISHAMOのライブに行きながら、カメラで写真を撮ることも変わらず趣味として楽しんでいる栗野さん。しかし、仕事にする前は、趣味を仕事にすることで写真を撮ることが嫌いになるのではないかと思っていたといいます。

自分らしさを取り入れる

好きだったことを嫌いになるかもしれない。そこに踏み出していくのは簡単なことではありません。そんな中、仕事で栗野さんが心掛けていたのは「自分らしさを取り入れること」でした。

「一度、前撮りをさせていただいている提携先の方に社長との写真に差がありすぎるから、私じゃないカメラマンに撮影してほしいと言われたことがあったんです。それが悔しくて。絶対そんな風に言われないようにしようと思って、その方に一回話に行って『もっと頑張るのでもう一度見てください』と言いました」

試行錯誤する中で、より社長の真似をするのではなく、自分らしさを取り入れるようになった栗野さん。逆走しているように見えるその行動には「逆に社長と違う写真を持っていったらいいのでは?」という栗野さんの考えがありました。

「社長のクオリティには近づけないかもしれないけど、自分らしさを出すことで違う方面で認めてもらえると思ったんです。私は女性の写真を撮るのが好きなので、新婦さんを撮ることに力を入れています」

撮り方を変えてから、撮影が楽しくなったという栗野さん。仕事中も趣味で撮影するときのように肩の力を抜いて撮れるようになり、写真もよくなったと感じることが多くなりました。

好きなことだからこそ、一息つく

好きなことを仕事にし、日々試行錯誤しながらも充実した毎日を送る。
そんな栗野さんが普段生活の中で大切にしていることは「一息つくこと」です。

「ずっと集中できる方ではあるんですけど、それで凄く疲れちゃうんです。だから、一息つくことは意識しています。
友達を撮ったりとか大好きな音楽を聴いたりとか、朝ゆっくりしたりとか、寝たりとか。そこの一息をつかないと頑張れない。休まないと楽しめないし、眠いときは眠い。でも、ちょっと昼寝をすると集中できる。一息つくのも同じだと思っています」

日常的には珈琲と甘いもので一息。本当に行き詰まったときは温泉に行って一息。自分の状態を見ながら意識的に休息をとっているのは自分のタイプに気づいてからでした。

「気づかないうちにストレスが溜まっているタイプなんです。高校のときも知らないうちに顔の片方が動かなくなってしまって。それだけ自分のストレスに全然気づかないんです。気づかないからこそ、いつもと違うなっていう風邪になる前の予兆みたいな体の小さなサインを見逃さないようにしています。体を壊したら元も子もないですからね」

休息と目標づくりのバランス

「好きなことをするにしても目標がないと頑張れないじゃないですか。好きなことがやっぱり仕事じゃなくて趣味でいいやって思ってしまう。一度私にもそういう時期がありました。でも、そういうときって休まずに集中していたり、目標を忘れてたりするときだったんです。だから、最初に立てた目標を思い出す。やりたいことをリスト化する。一息つきながら、目標を立てたり、目標を忘れないように見返したりして、日々達成できるように動いています」

栗野さんの目標最終地点は、写真集を作って写真家になること。

「写真家は、カメラマンのようにクライアントの方からお金をいただいて、要望通りに撮るというより、自分の写真を売り出す感じなんです。写真家になるためには、写真集を作って売って知ってもらったり、コンテストで賞を取ったり。写真家は自分の好きな写真を撮る。でも、そのためには自分が撮りたい写真を撮る技術が必要です。だから、その技術を身につけるためにカメラマンになりました。ただ技術が身につくからこそ感情で写真を撮れなくなる部分もあるので、趣味で撮りたい写真をリスト化したり、プライベートでも作品撮りするように心掛けています。
好きなことを仕事にするからこそ、行き詰まったり見えなくなったりすることもあるけど、見えなくなったり見えたりを繰り返しながらですね。見えなくなったら休んで、見えるようになってまた動いて。深く行き詰まりすぎないように一息つくようにしています」


目標を立てる、目標を達成していく、休息をとる。
どれも言っていることは分かる・・・・・・・・・・・ことですが、いざ行動となると、動けていないことも多いこの三つ。
自分の心と体と向き合いながら、目標達成に向けて活動を続ける栗野さんの姿は、同じく好きなことを仕事にする者としてもヒントがたくさん散りばめられていたインタビューでした。
一息つくことの重要性に気づかせられた今回のインタビュー。
この記事を読んでいる方もぜひ一息ついてみてください。

栗野果林's SNS

栗野さんの活躍はInstagramから。

オフショット/撮影後記

栗野さん山猫瓶詰研究所に到着。
最初の話題は栗野果林さんの名前の由来。
本当は別の名前を考えていたそうなのですが、顔を見た瞬間、両親は「果林」だと思ったとか。実家が陶器屋で陶器を焼いた時にカリンッと音がするのが由来だといいます。
素敵な由来話。

ショップ内撮影中、ショップを物色。
見本のマスキングテープを指輪のように。
光景が可愛くて手許は何枚か撮りました。

植物が似合いすぎる。

そして、このお店に入ってすぐの場所は光盛れ抜群なので、写真撮る人はぜひここで撮ってほしい。撮影班おすすめ撮影スポットです。

もう決まってるけど「とりあえずメニュー眺めとこうか」のシーン。
この後すぐにPoTaLaと珈琲が来ます。

ご満悦。実は念願叶っての初PoTaLa。

記念撮影は抜かりなく。
構図をしっかり意識している人の体のひねり。

いろんな角度で撮ります。さすがカメラマン。

椅子から覗く笑顔。この笑顔を守りたい。

この100点満点すぎる表情。
こちらが食べたくて食べたくてしょうがない。

珈琲もゆっくり。
山猫に来店したときの一番盛れる席はここです。

そして美味しいものはすぐになくなる。
悲しきかな自然の摂理。

お外からも撮影。このときは黄梅が咲いていて、とてもきれいでした。
反射している黄色い花が黄梅です。

鏡越しの栗野さん。このとき、カメラマンは自分が映りこまないように必死でした。プロのなせる業。

食べ終わり後のテーブルもなんだかいい感じに映っているように思えるのは私だけでしょうか。

見つめ合う一人と一匹。
栗野さん「この子、動きそう」

お店の正面でも撮影。
晴れた日は外壁の白がそれはそれは輝いて眩しい。

実は栗野さんとカメラマンの脇中さんはお友達。
プライベートでも撮り合いっこする仲です。

撮影後の笑顔も。
栗野さん、撮影・取材協力、ありがとうございました。

以上!オフショットでした。


noteに載せきれなかった写真は、イワシとわたしのInstagramに毎日掲載していきますので、チェックしてみてくださいね。

栗野さんが務めた物語はこちらから読めます。

山猫瓶詰研究所のPoTaLaが気になる方はInstagramをチェック!


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