一部辿れない所もある、私の物語の嗜好ルーツの話。
昨日ホラー・サスペンスの好きな方向性を作者名を挙げつつ考えたわけですが。子供の時に見た物語の方向性が今も好き、という「三つ子の魂百まで」という傾向があるわけで…。
今回は主に小・中学生時に見た少女漫画・少女向け小説でのホラー・ミステリー・サスペンス、あとちょいSF関連のお話です。
少女漫画雑誌「なかよし」がかつて与えてくれたホラー・ミステリー・サスペンス。
昨日も書いたことですが、私の最初のホラー・ミステリー・サスペンスとの出会いは「なかよし」でした。主に1990年代のなかよしですね。ちょうど小学の高学年~中学生くらいの年齢でした。
まず、松本洋子先生ですね。赤川次郎先生原作の作品を何度かコミカライズしていた方で、他にもホラー・ミステリー・サスペンスの作品を連載されていました。
実は松本先生については後に他の漫画家さんの絵のトレスや海外映画などのパクリが発覚していまして、人によっては評価しにくい方なのかもしれません。
ただ、もう、この方がいなかったら私はこのジャンル自体に触れることがなかったと思われるのです。初めて知ったミステリー小説家が赤川次郎先生で、私の脳内では、いかに松本先生の存在を消そうとしても赤川先生の記憶とセットで松本先生が存在していて不可分なんですね、既に。あとホラーの方も、初めて出会ったホラー作品が松本先生なんです。にんじんだいすき、とかね…。
そういうわけなので、いかにトレスとパクリの問題があったとしても松本先生が当時の私に影響を与えてしまったという事実はもはや消せないんですね。松本先生本人の存在が今現在疑惑によって消されてても、です。世間的に黒に限りなく近いグレーのものだったとしても、私という存在を確かに構成しているわけです。
そして昨日も語った、野村あきこ先生です。ミステリー・友達3~4人グループによる探偵、事件解決もの。少年による女装で女子校潜入。綺麗系な女の先輩の性格が苛烈。ミニキャラの頭に猫耳やうさ耳。
もう性癖の5割くらいは野村先生の作品のみで固まってるやんけ…。
そしてこのお2人は2000年代になるとやがてなかよしから姿を消すわけです。松本先生はトレスなどの問題が表面化したことも多少あるのかもしれませんが、何より、なかよし編集部主導の路線変更ですね。改めてwikipediaを見てみたところ、ちょうどこの頃に同じ少女向け漫画雑誌であるりぼんとの差別化を図るためにりぼんより年齢層を下げるという大改革をやったそうで。
たぶんホラーやミステリーという少々大人っぽいジャンルのせいで無惨にも切られた「年齢層上めの作風の漫画家さん」になってしまったんだと思われます。私の幼い記憶にうっすら残っている「あの頃なんか揉めてたし好きな先生方もゴソッといなくなった」というのがこのことなんだと。
いや…確かにその後部数伸びたみたいで経営判断として間違いではなかった、のかもしれないけどもさぁ…あんまりにも無情では。もやもや…。
というわけで、この「なかよしが与えてくれたもの」はもう当時の読者それぞれの心にしか残存していない、そしてもはや辿れない私の物語のルーツともなったわけです。今のなかよしにかつてあったようなホラー・ミステリー・サスペンスな作品があるのかどうかは知らないのですが、果たしてどうなんでしょう?もう完全に滅んでしまったんでしょうか。
野村先生はその後二次創作のイラストを描かれているのを一度拝見しました。松本先生は数年前に発表された別名義の方のある作品が松本先生の絵に似ていると噂されていたようですが、詳細は不明です。私にはもはや何をどうしようもないのですが、せめてお2人が今それぞれ心穏やかにあるように、それだけを願いたいところです。本当に大好きです、今でも。
りぼんに咲き誇るドクダミの花・岡田あーみん先生と、人外萌え作品群。
さて、私は他にもりぼんとちゃおを読んでいました。たまにマーガレットも読んでいましたが、ちゃおとりぼんとマーガレットは主に恋愛・ファンタジーものを読む場でした。ちゃお、その前にぴょんぴょんで描かれていた富所和子先生のドッジボール漫画はとても少年漫画的で好きでした。後に嵌まった少年漫画の居心地の良さはもうこのあたりで察していたかもしれません。
そしてりぼんといえば、あの岡田あーみん先生です。ジャンルとしてはホラーとか狂気とか幻想系不条理グロナンセンス猟奇ギャグ漫画になるんでしょうか。何となく後の夢野久作先生好きに繋がっていくルートが見えてきますね。ギャグ系の漫画や芸人あたりも基本シュールな方向性を好むのですが、そのルーツが岡田あーみん先生です。
「ルナティック雑技団」あたりはとても夢野久作先生みというか、ヒロインの名前が夢野さんなのでやはり意識はされてたのでは、と。狂気美、という単語を初めて知ったよね。「お父さんは心配性」も「こいつら100%伝説」も好きでした。血みどろ狂気ギャグであっても何だかんだほっこり感動ポイントもあったりで。
岡田あーみん先生も今どうされているのか不明です。ここも今は辿れないルーツとなっていますが私の愛は変わらず、です。
あとはりぼんは私の中に人外萌えを植え付けたと言っても過言ではないですね。「ときめきトゥナイト」は吸血鬼とか狼男女とか魔界の人たちが出てきますし、ヨーコ犬という人→犬マスコットですね。「ねこねこ幻想曲」は猫が人間になる話ですし。そもそも私の獣人への記憶は「名探偵ホームズ」という獣人アニメが最初だと思うんですが、もうこの時点で事件解決もの×人外の組み合わせで駄目だ。人生決まったようなもんだよ。
黎明期の少女向け小説「ティーンズハート文庫」と「コバルト文庫」のホラー・ミステリー・SF。
そして同じ頃、私は少女向けの小説も読んでいました。ライトノベルの最初期ですね。最初に手に取ったのは小6頃、ティーンズハートの「Catch Me!! 幽霊くん」という本で「うわ、題名が英語だ、なにこれ読めない…」と思いつつも初めて自分で買った小説でした。神崎あおい先生著です。
初手で幽霊ものじゃねぇかよ…!素直にホラー寄りじゃねぇか!!!いや、今の方が何で逆に「ミステリーの中のホラーが好き」とかややこしいことになってんだ、むしろ。
そして以降、ティーンズハートもコバルトも友達購入作品も含めてぐるぐると閲覧されていくわけですが、やっぱり私はミステリーものや事件に巻き込まれる系やファンタジー冒険系のものを好んでいましたね。
それで今手元に大人になってから懐かしさで思わず手に入れた当時読んでた本があるんですが、ゆうき☆みすず先生の「きらめく星空に哀愁のチャルメラが聞こえる」、日向章一郎先生の「放課後のトム・ソーヤー」、中原涼先生の「受験の国のアリス」と「恐竜の国のアリス」です。
「~聞こえる」シリーズはバトルに巻き込まれる事件もの、「放課後」シリーズはユーモア・ミステリーと銘打ってありますね。本当に子供の時から人外以外は事件ものとミステリーしか買ってないなコイツ。この作品以外もわりとたくさん少女向け軽めのミステリーの作品ありましたね。林葉直子先生とか藤本ひとみ先生とか。
そして「アリス」シリーズは数学の神様に異世界に飛ばされて異世界に誘拐されたアリスを救い出せ系SF冒険+数学ものです(解決したらすぐ現在の世界に戻る)。主に判断推理と数的推理の問題を主人公たちが解決することでアリスを助けられる仕組みです。私は完全に文系の人間なんですが、これは好きな数学でした。あとしゃべるマスコットの「なめくじ猫」という謎の萌え生き物が出てくるわけで、また人外か!
中原涼先生も亡くなったと知って「まだ早いのでは…」と当時思いました。ちなみにこの主人公のタカシが股間をまさぐられて喘ぐシーンがシリーズの外伝的な作品に描かれているのですが、まだBLのものや女×男ものに明確に嵌まる前だったはずの当時の私がそれをしっかりと覚えていてこれは…うーんと、なるほど?どういう?みたいな気分になったことを強く覚えているということは、つまり以下略。中原先生にはいらない萌えを与えてしまった現実を草葉の陰で反省していただきたいと思います。笑。
あとは小野不由美先生の「ゴーストハント」も角川版が本棚にありますね。ティーンズハートでも読んでましたが。ちゃんとあるじゃん、ホラー作品!また幽霊か!幽霊人外幽霊人外…でずっと萌えを回してる気がしてきた。
書きたいこと・好きなことはもうちゃんとここにあるのでは?などと。
うーん、自分が書くにあたって色々と考えてたけど、単に子供の頃に好きだったものを素直に思い出して追い求めながら、でもババアになった今の感覚でしっかりクオリティーを確保して書く、ってだけでいいのでは?という気がしてきたな……。
結局、コイツのことだから放ってても幽霊か人外かメンタル人でなしが出てくる、事件解決ものを書くんやろ?という元も子もない結論ですね。
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