インフルエンザワクチンについて

インフルエンザワクチンについて


インフルエンザワクチンの季節です。当院でも毎日10人以上が受けに来ます。私ももちろん受けました。


インフルエンザワクチンは、一般に誤解されているようです。あのワクチンを打ったがインフルエンザにかかった、あのワクチンは嘘だ、と言う声をよく聞きます。



インフルエンザワクチンは、インフルエンザを完全に防ぐワクチンではありません。その効果は年によりますが(年々インフルエンザウィルスが変異するからです)、平均すると約4割です。つまりぶっちゃけ言うと、ワクチンを打つとその人にインフルエンザウィルスが取り憑いた場合、10回に4回は防いでくれるというのです。残りの6回は防げません。だからワクチンを打ったけどインフルエンザになったというのは、何の不思議も無いのです。


ではこのワクチンは無意味でしょうか。そうではありません。インフルエンザに掛かれば薬局で薬を買っただけでは治りません。皆さん医療機関に掛かり、診断されて薬を貰います。しかし普通の人はそれで治りますが、高齢者や持病を抱えている人は、毎年一定数、死にます。病院で入院治療しても死ぬのです。


その医療費や社会にもたらす負荷を考えると、インフルエンザワクチンはその社会的負荷を平均4割減らしているという事になります。個人的には「なーんだ」でも、社会には大きな意味があるのです。


もちろんこれは、人々がみんなワクチンを打った場合に言えることです。ごく一部の人が打ってもそう言う効果は期待出来ません。ですから、インフルエンザワクチンを打つのは、自分のためでもありますが、むしろ世のため人のためです。どうか皆さん、ワクチンを打ってください。

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