我が半生:如何にして東北大に漢方が根付いたか。
1993年に坂総合病院での初期研修を終えた私は、漢方で学位(医学博士)をとりたいと思った。しかし当時漢方などと言うのは怪しい呪(まじな)いであって、それで学位が取れるなどとは到底思えなかった。困って坂病院に出入りしていたツムラのMRさんに相談すると、「佐々木先生ならもしかしたら」という。東北大に出来たばかりの老年内科の佐々木教授である。そこでさっそく老年内科に佐々木先生を訪ね、「漢方で学位を取りたいのです」と言ったら一言「いいんでねべが」と言ってくれた。秋田弁の抜けない人だっ