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「最軽量のマネジメント」から学ぶマネジメント論

どうも、体重はライトヘビー級のIWAOです。

「最軽量のマネジメント」というサイボウズ社の役員が書いた2019年初版の書籍を読みました。サイボウズさんはグループウェアを作っている老舗の会社で、製品も組織もレガシーな印象を持っていました。

しかし最近は働き方改革の本質を捉えて、うまくモダンな組織にシフトした印象です。老舗の組織が時代の変化を待つスタンスから、時代の変化に乗るスタンスへシフトしていく中で、どういう気づきがあったのか、興味があったのでこの本を読みました。

この本ではマネジメントを軸に、サイボウズ社での事例に沿って組織論を解説しています。読了後はだいぶ頭が柔らかくなって、自身のキャリアに危機感を覚えました。久々の読書レビューですがいきましょう。

組織と個人の関係は「密」を避ける

この本のコアな部分、組織のスタンスの6カ条を抜粋します。

・マネージャーは地位ではなく役割
・モチベートに必要なのはスキルよりも覚悟
・自分が神にならず誰が何のプロか理解する
・組織図はピラミッド型からキャンプファイア型へ
・100人100通りの距離感
・ホワイト企業よりオープンな企業

開発部ではマネージャー職がなくなり、ピラミッド型の構造が組織からなくなったそうですね。組織は個人に対して忠誠心や信頼を求めず、役割と報酬だけを定義して、個々の距離感で働いてもらうそうです。

まさに成果主義の廃止であり、僕が理想とするティール型組織に近いです。こんな生命体みたいな組織は、悪菌を浄化する仕組みがあれば機能しそうだなと思いました。

・給料は個人の「市場価値」つまり「あなたが転職したらいくらくらいになるのか」をもとに決まる
・給料交渉ができる
・個人の働き方を全公開して実現している

給料は市場価値で決めよう的な流れがきてますね。転職したらいくらかを計るのは難しいですが、個人事業主の場合を考えると分かりやすいですよね。一度、事業主を経験すると給料交渉はやりやすくなると思っています。

オープンなコミュニケーション

悪しきマネジメントの事例とどのように軽量化していったかが具体的に書かれていましたが、その中でもオープンなコミュニケーションは効果的とのことでした。

・マネージャーは全従業員と雑談をして不満を見えるようにする
・チームがおかしいとき=情報が共有されていないとき
・情報の徹底公開こそがマネージャーの仕事を激減させる

情報の徹底公開を実現するためにマネージャーは仕組みを作って、個々がチームワークを徹底することができれば、ただの情報伝達をするだけのプロキシおじさんは不要になります。

噂や陰口が生まれる原因は情報の不足です。
・マネージャー=説明責任
・メンバー=質問責任

カジュアルに組織の議論ができる場ってほしいですよね。同じ質問をすると過去ログを見ろと言われたり、個に特化した内容だとためらってしまいがちなので、こういうところは情報公開と1on1でセットなのかなと思いました。

「地位」と「権威」は邪魔

こんなこと言われたらその会社に入りたくなっちゃいますね。逆に地位と権威を目的に働く老害の厳しい未来を暗示しています。なぜなら終身雇用の崩壊がくるからですね。

これまでのピラミッド型の組織はプロフェッショナルの意見でもその上のマネージャーが意思決定を採用しなければ「なかったこと」になる。つまりマネージャーが自分のとって都合のいい情報だけを下から集めて実行する。

若者が辞める原因は「昭和のマネジメント」で、その具体的な理由も書かれています。会社には「未来の可能性」を求めているので、ピラミッド型の組織図を見るだけでその組織に入るのが嫌になっていくのかもしれません。

「性悪説」によるマネジメント〜メンバーがきちんと仕事をしているか、ミスをしていないか、数字をごまかしていないか〜は、リモートワークで対応できなくなる。グループウェアで勤怠連絡を報告するようにしている。

性悪説マネジメントはこのリモートワークの流れで撲滅するといいですね。その組織のリモートワークの管理方法を聞けば、経営者が性善説か性悪説かが見えてきそうですね。

雑感

サイボウズさんは海外にも進出していて、グローバルな視点で働き方改革を捉えている印象でした。現代では、昭和のマネジメントは損失になるので、そこにコストをかけるのはもったいない時代なんだなと思いました。まさにタイトルの通りですね。

マネージャーが育たないと悩んでる経営者は、育てるものではないと分かるので読んだほうがいいと思います。彼らは彼ら自身の給料だけでなく、無駄なコミュニケーションコストなど間接的な無駄銭が乗ってる可能性があります。

そしてタイトルにもあるマネジメントの軽量化とは、未来のリストラ対象と理解しました。不確実性の解消に貢献できない昭和のマネジメントおじさんは組織の邪魔となります。僕自身も邪魔になるくらいならマネジメントは止めとこうと思った次第でした。

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