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キッコーマンさんは「2人」にオファーしたー松本沙理奈と大沼くるみ、そしてキッコーマン豆乳その2ー

一夜たっても興奮が冷めず、懲りずに第二弾を書いています。第二弾は「今回のコラボのすごくいいと思ったポイント」についてまとめたいと思います。

前回はアイドルマスターシンデレラガールズの松本沙理奈さんと大沼くるみさんがなぜキッコーマン豆乳さんの応援キャラクターに抜擢されるまでの概要を書き残しました。実は長い長い道のりがあったということ、ただのコラボではない、異例の出来事であったということがお分りいただけるかと思います。今日はその中で強調しきれなかった、「今回のコラボのすごくいいと思ったポイント」についてまとめたいと思います。

キッコーマンさんのコンテンツをリスペクトする姿

ここでのキーポイントはファン有志が取り上げていた自社商品を巡る動きなどを見たときの「キッコーマン豆乳」さんの動きでした。

前回取り上げたように今年の7月に突如コラボを発表するのですが、そのコラボ内容や、コラボのスタンスがユーザー側的にも素晴らしい対応でした。

コラボ内容について、まず大きかったのは「何と何をコラボさせるべきなのか」という点にズレがなかった点でしょう。

「沙理奈ファン、くるみファン中心に、豆乳をアイドルの象徴として買ったり、アレンジしたりすることで、間接的にアイドルを応援している。」

という実際に起こっていた小さな動きに、
実際にキッコーマン豆乳公式が行ったのは

「豆乳の広報にぴったりな沙理奈さんとくるみさんに豆乳アレンジのイメージキャラクターとして活動してもらうことで、豆乳のイメージアップに繋げる」

といったコラボレーションでした。まさにドンピシャだったと言えるでしょう。

よくコンテンツに理解がない場合に行われがちなことは「ニッチな共通項を無視してなんとなくコラボする例」です。今回の例だと、

「なんとなくアイマス好きな人たちが豆乳飲んでたから、よくわからないけどアイマスの人気どころのキャラクター引っ張ってきて豆乳売ったろ。」

という感じでざっくりコラボをしてしまうと、実際に豆乳に関心を寄せていたファンたちの思いともズレるし、「作品を大雑把にしか見ていない」姿が露骨にイメージを悪くしてしまいます。

ここでは誰とは明言しませんが、政治家が過去になんとなく流行りに乗ってアニメキャラのコスプレをしたものの対してウケもせず、むしろバカにしているのかと批判された、などの例もあります。

ファンたち側に寄り添って、どんなニュアンスなのか、細かい点にズレがないかをきっと深く確認しながらコラボを実現していただいたのだろうと思います。

キッコーマンさんは「2人」を大切にしてくれた

そして、そんな「ファンに寄り添う」キッコーマンさんのコラボを象徴するのが次のツイートでした。

夏の豆乳総選挙の終盤でツイートされた「オファー秘話」これにキッコーマンさんの素晴らしさ、粋な計らいが凝縮されています。

「アイドルマスターシンデレラガールズ」というゲームは、プレーヤーがプロデューサーとして、ゲーム内に登場する190人ものアイドルを育成するというのがコンセプトになっています。

ゲーム内ではユーザーは「プロデューサー」であり、登場キャラクターは「アイドル」という関係性で進行します。

ゲームやアニメに馴染みのない人からしたら「何をいっているのかよくわからない」と思われるのかもしれません。しかし、小説を読んで主人公の気持ちに心を寄せているのに「君は主人公でもないわけだしよくわからないね」といっている人には違和感を感じるのではないでしょうか。一種の世界観を楽しむということは、実はそんなに特殊なことではありません。

そんなゲームの世界観に合わせるかのように、キッコーマン豆乳さんは

「松本沙理奈さんと大沼くるみさん」にオファーされました。

「アイドルマスター」でもなく、「バンダイナムコ」でもない、他でもない「2人のアイドル」にオファーをかけるということはまさに世界観に沿ったコラボでした。

結果として、「シンデレラガールズ」の世界観が自然な形で「キッコーマン豆乳さんとのコラボ」に融合し、その中で「豆乳を普段から愛飲している2人のアイドル」がコラボというステージに上がるというシンデレラストーリーが実現したのです。

キッコーマンさん、本当にありがとうございました。

無理せずさりげなく、でも伝わるお気持ち

上記に示したように、ほんの少しの「思いやり」がアニメやゲームコンテンツとのコラボにおいては大きな意味をなします。

コラボというものは気軽にできる一方、全く別々の世界観で動いているもの同士がぶつかるセンシティブな瞬間とも言えるでしょう。列車の連結と分岐のような様々な視点からの慎重な目線が必要とされるものです。

異文化交流の文脈でよく言われる「文化や習慣を押し付けずに少しでも相手のことを理解しようとする姿勢」というものがまさにコラボレーションにおいても作用していると言えるでしょう。

和歌山県美浜町で地元の人と「AIR」というアニメの聖地が美浜町であることを話すと決まって帰ってきた言葉があります。

「なんかようわからんし、どうしたらええんかわからないんよなー」

気持ちとしてはわかります。そもそも得体の知れないものの世界観を知ることは難しいことかも知れません。

実際にニワカかどうかとかはどうでもよくて、実際に興味を持って「どんな世界観なのか」だけでもある程度知ることができるかがすごく大切だなと今回のコラボを見ながら痛感しています。

同時に、多くの人たちに足りていない力は「世界観に入り込む」力ではないか、いわば「コラボ力」という新しい能力の存在を認識させていただいたようにも思えます。


世界観を破壊してしまうような無理なコラボレーションでもなく、


世界観を無視したおざなりなコラボレーションでもない。


正しいアニメ・マンガ・ゲームの「使い方」を見せていただいたように思えます。

改めて、キッコーマン豆乳の皆様、アイドルマスターシンデレラガールズ運営の皆様に深く感謝いたします。


アイマス最高!

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