転職経験者インタビューでわかった。エンジニアが転職先に入社するまでに確認しておいた方が良い質問集

株式会社ニコスタの岩間です。
WEB/ベンチャー界隈のエンジニア専門ヘッドハンター・キャリアアドバイザーとして活動しています。

私は日頃からエンジニアの転職を支援する際、入社までのサポートではなく、入社後の状況確認・ヒヤリングを必ず実施しています。

noteに入社1~2か月後のインタビュー記事も書いたりもしていたのですが、社名公開が難しいなどの問題もあり、これから転職活動をされる方の参考になりづらいと思い、やめました。今後は違った形で情報発信したいと思います。

今回は、これまでエンジニアに
「転職活動中、入社後のギャップを減らす為に、カジュアル面談や面接、オファー面談で質問しておけばよかったことはあるか?」
「逆に、この質問はしておいてよかった質問はあるか?」
などの質問をさせていただき、転職先を決める上で応募先企業に質問したほうが良い内容をまとめました。
様々なエンジニアさんから集めた個別の事例になるので、すべての方に当てはまる質問ではないと思います。自身にマッチする質問事例だけ確認し、転職活動の参考にしていただけますと幸いです。
※このNoteは随時更新していきたいと思っています。

●質問集

・入社後はどのような業務に関わるのか?

良心的な企業であれば、あなたのキャリアに合わせて短期的なロードマップを提示してくれますが、そういう企業ばかりではありません。
採用面接ではキラキラ情報ばかりを提示されたけど、入ってみたら違ったということもありますので、しっかりと確認しましょう。
(入社時期が2~3か月以上先の場合は、企業側としても明確な情報を提示できない場合もありますのでご注意ください。)

・組織(チーム)の構成は?また組織(チーム)の課題は?

技術・プロダクトの状況や課題について質問する方は多いのですが、組織の状況や課題を質問する方は少ないようです。

組織やチームのメンバー構成を聞けば、入社後に自分に求められている立ち振る舞いをイメージできます。まだチームメンバーの経験やバックグラウンドまでわかれば、チームのレベル感、そのチームで不足しているものも想像できるかもしれません。

組織やチームの課題を聞けば、入社後に直面する問題に備えることもできます。特に課題については、企業側から率先して話すことはありませんので、こちらから質問してみてください。

・プロダクトのリリースサイクルは?リリース判断は誰がしていて、どう判断しているか?

特にSIer→WEB企業、もしくはWEB(toB)企業⇔WEB(toC)企業間での転職の場合に確認した方が良いようです。慣れてしまえば気にならないがほとんどのようですが、その会社に所属している限り、そのリリースサイクルと付き合わなければなりません。自分の想定とどれぐらいの差分があるのか事前に確認しておきましょう。
また、リリース判断する人が誰で、どのように判断をしているのかも確認できると良いです。
例えば、自分が開発したいプロダクトに関われることになっても、自分が追加したいと思っている機能が実現できないとつらいですよね。判断基準が納得できるものでないと、入社後につらい思いをするはずです。

・エンジニアはどんなMTGをしている?(どんなMTGに参加している?)

コードを書く時間よりサービスについて議論している時間の方が長い会社もあれば、エンジニアは極力MTGに参加せず、技術に専念してもらっている会社もあります。どちらが良いということではなく、自分が望む働き方とマッチしているのか確認してください。

・どのような流れで仕事をしているのか

ビジネス側からの依頼が多いのか、エンジニアから起案するほうが多いのか、設計手法は何を使っているのか、レビューはどのようにしているのか、などなど、細かく聞くときりがないかもしれませんが、できるだけ聞いておいた方が、入社後のギャップは減らせるようです。

・自分の裁量(意思決定できる範囲)がどれぐらいあるのか?

特定の古株社員が権限を握っていたり、レガシーな制度が残っている会社ですと、なんでもかんでも上長の判子(承認)が必要ということがあるようです。
自分が働いていた会社と比較して、どの程度裁量をもって働けそうであるか確認しておきましょう。

・チーム内のコミュニケーション量、チーム外とのコミュニケーション量はどれぐらいか?

チーム開発したいと思って転職したのに、思っていたより個の力を重視していたり、縦割り文化で自分のチーム以外とはほとんどコミュニケーションをとらない企業もあるようです。周りから色々と吸収したいと考えている人や、領域を広げて色々なことにチャレンジしたいと考えている人は、チーム外とのコミュニケーション量はチェックしておいた方が良いと思います。

・レガシーコードが残っている理由は?

特にサービスリリースしてから4~5年が経過しているプロダクトの場合は注意して確認したほうが良さそうです。
レガシーコードが残っている理由が、ビジネスサイドの要求が優先で着手できていなかったのか、そもそもレガシーコードを改善しようと思っているメンバがいないのか、レガシーコードが改善できないぐらいの設計で作られてしまっているのか、様々な理由があると思います。
仮にレガシーコードを改善していくチームに配属される場合、レガシーの背景がどこにあるのかを確認した上で入社した方が良いでしょう。

・エンジニアの評価制度はどうなっているのか?

最近は評価制度を公開している企業も増えていますが、例え公開されていても実態が伴わないこともありますので、聞いておいた方が良いでしょう。
誰が評価しているのか、どういうポイントを重視しているのかなど、今後の年収UPにもつながる情報なので、事前に確認しておきましょう。

また評価制度によって会社の雰囲気を読み取ることも可能です。
例えば、テックベンチャーを目指している企業であれば、技術力が評価されます。課題解決型のベンチャーであれば、どれだけ課題解決に貢献できたかが評価されます。自身の得意分野や伸ばしたい領域と評価制度がマッチしているかも重要なポイントです。

・昇給・賞与はどのように設定しているのか

昨今、優秀なエンジニアほど売り手市場なので、転職時に給与を上げることは容易にできるようになりました。しかしながら、入社時に給与が上げた反動で、入社後に給与を上げることが難しい場合があるようです。
ある程度大きい企業であれば、ミッショングレード(役割等級制度)制度を採用しているので、年収に応じてどのようなことを求められるのか確認しておきましょう。そうでない場合は、どのように昇給・賞与が設定されているのか、可能であれば実例も含めて確認しておきましょう。

・なぜこのようなミッション,ビジョン,バリュー(MVV)を掲げたのか?

特に自分がどのような事業に関わるのか・どのような組織に所属するのかを重視する方は、確認したほうが良いです。
MVVは、組織の共通の価値観です。皆が同じ方向を向いて進んでいくので、これに共感できない場合、入社後につらくなることがあります。
なぜこのようなMVVを掲げたのかの背景を聞いてみましょう。(ただし、MVVを掲げていない企業もありますので、こだわり過ぎには注意です。)

・中途エンジニアの定着度

例えば、1年でどれぐらいのエンジニアが入れ替わるのかを聞いてみると良いかもしれません。他の職種に比べると退職率が高いエンジニアポジションですが、短期的にエンジニアが大勢退職している場合は、何かしら組織的に問題があるかもしれませんので、警戒しましょう。

採用ブランディングで、WEB上には素敵な情報を発信している会社でも、実は退職率が高い会社は多く存在します。(特に私は退職を考えているエンジニアに会うことが多いので、リアルタイムでその情報が入ってきます。)

・○○制度は実際にどれぐらい利用されているのか?

最近のWEB業界は、福利厚生が充実してきていると感じます。リモートワーク、フレックス制度、書籍購入、ベビーシッター補助、家事代行などなど。
しかしながら、制度は存在するもののあまり使われていないこともあるようです。
制度はあるけど利用しずらいということが無いように、利用実態は聞いておいた方が良いようです。またリモートワークやフレックス制度は、所属するチーム毎で違いがある場合もあるので、HPや求人票に記載があっても、入社する前には詳細を確認しておきましょう。

・自社社員のことをどう思っているのか?

面接官のエンジニアに自社の社員のことをどう思っているのかを聞いてみてください。また、複数名に聞いてみることをお勧めします。
皆が同じことを言えば、その会社の文化が見えてきますし、違うことを言えば多様な方がいるのかもしれません。
また、カジュアル面談や面接に出てくるエンジニアは、その会社の中でもアトラクトができたり、印象の良い方が選抜されています。面接官以外にどのような方がいるのかは知っておいた方が良いでしょう。

●まとめ

冒頭にも記載しましたが、今回の記事は個別事例をまとめた質問集です。すべての方に対して、面接・面談でこれらの質問をすることをおすすめするものではありません。
面接やカジュアル面談、オファー面談は限られた時間しかありません。大事なのは自身の転職軸と照らし合わせ、必要な質問からするべきだと考えています。その上で、転職活動中のエンジニアさんが参考になる記事になれば幸いです。

●最後に

引き続き、エンジニアさん向けに転職関連の情報を発信していければと思います。もしこんな情報あれば知りたいなどの要望があれば、お気軽にご連絡ください。
※連絡先
メール:iwama@nicosta.co.jp
Twitter:@yuyaiwama
Facebook:yuyaiwama1002

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