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2016ジャズアルバムベスト5(ジャズ批評2017.03)

【1】 オメル・アヴィタル/ABUTBUL MUSIC
【2】 大西順子/Tea Times
【3】 マイルス・デイビス×ロバート・グラスパー/エヴリシングス・ビューティフル
【4】 グレゴリー・ポーター/希望へのアレイ
【5】 加藤真亜沙/アンモーンの樹
 
 1ジャズ界で急速に勢力を拡大しているイスラエルのベーシスト。曲はすべてアヴィタルが手掛けており、現代的で洗練された旋律と母国への愛情、郷愁が交錯したサウンドが印象的。ベーシストのアヴィシャイ・コーエン(同姓同名のトランぺッターも凄い)らとともに、イスラエル勢から目が離せない。
2は「引退宣言」により演奏活動から遠ざかっていた大西の久々の新作。菊池成孔のプロデュースにより彼女特有の他を圧するような力強いサウンドにヒップホップ的な要素が持ち込まれ、いい意味での毒気や遊び心が加わった。ブランクを全く感じさせない快演。
3新世代ジャズの旗手がマイルスの過去の音源や音声を使って新たな音楽を創造。オマージュとしてマイルスの作品を演奏するだけでなく、今彼が生きていれば作るであろう音を明確にイメージしている。
4最も注目される男性ジャズシンガー。ゴスペル、ソウルを基盤とする静謐でエモーショナルな歌声は、聴く者の心の深淵に余韻を残す。現代を映す弱者目線の歌詞、楽曲もいい。
5はNY在住のピアニスト・作曲家。美しいメロディーと精緻なアンサンブルに、彼女の鋭敏な感性が見て取れる。挾間美帆に続く期待の新星だ。
 

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