ジャズ概論人物編@jazz(2010)
代表的なミュージシャン
ジャズ草創期
キング・オリバー (トランペット)
Joe "King" Oliver (trumpet) 1885~1938
本名ジョー・オリバー。コルネット奏者。ルイ・アームストロングの師匠。
その演奏の力強さから“キング”と呼ばれ、1918年にニューオリンズからシカゴに移り活躍した。
ルイ・アームストロング (トランペット)
Louis Daniel Armstrong (trumpet,vocal) 1901~1971
ニューオーリンズ・ジャズの立役者。彼の口が大きいことからサッチモという愛称で呼ばれる。 独特のしわがれ声も魅力的で、スキャットをジャズ史上初めて録音した人物としても知られる。
スウィング
デューク・エリントン (バンドリーダー、ピアニスト)
Edward Kennedy "Duke" Ellington (Band Leader, Pianist) 1899~1974
米国が生んだ最も偉大なミュージシャンの1人にして、ビッグバンドの草分け的存在。1927年にニューヨークの高級クラブ「コットンクラブ」に出演を果たして以降、アルトサックスのジョニー・ホッジスなど演奏者の個性を輝かせる華のある作曲・編曲で熱狂的な支持を集めた。
カウント・ベイシー (バンドリーダー、ピアニスト)
William "Count" Basie (Band Leader, Pianist) 1904~1984
デューク・エリントンと並び称されるスイング・ジャズの大家。1930年代にカンザス・シティでビッグバンドを立ち上げると、聴衆を興奮の渦に巻き込むかのような歯切れのよいリズムとアップダウンが激しいながらも統制の取れたサウンドが一気に全米で注目を浴びるようになった。
モダンジャズ
チャーリー・パーカー (アルトサックス奏者)
Charles Parker (alto sax) 1920~1955
アドリブに象徴されるビ・バップの創始者。モダンジャズの歴史はパーカーから始まり、その後のすべてのミュージシャンは彼の奏法を基礎にジャズを発展させたといえる。酒・女・麻薬に溺れ続けた破天荒な人生もジャズ・ミュージシャン「らしさ」の典型例として語り継がれている。
マイルス・デイヴィス(トランペット奏者)
Miles Dewey Davis (trumpet) 1926~1991
1940年代のビ・バップ期からこの世を去る91年まで、ジャズ界を常に牽引し続けた最大のカリスマ。抑揚をつけたクールなトランペットの音色とバンドリーダーとしての優れた才能はほかの追随を許さない。演奏家の資質を見抜く慧眼も超一級で、彼のバンドからはジョン・コルトレーンやハービー・ハンコックなど数々の才能あふれるミュージシャンが巣立っていった。
セロニアス・モンク (ピアニスト)
Thelonious Monk (piano) 1920~1982
モダンジャズ期の異端児。独特の感性や時空の歪みを連想させる変則的なリズム、不協和音が織りなす音楽は、鍵盤を叩く音を1回聴くだけでモンクその人と分かるほど唯一無二にして絶対的。偏屈な性格もあいまってか、時代を先取りしすぎて人々に理解されない一面もあったが、その揺るぎない音楽性や彼の名曲の数々は時代を超えて燦然と輝き続けている。
ポスト・モダンジャズ期
ジョン・コルトレーン (サックス奏者)
John Coltrane (Sax) 1926~1967
1955年にマイルス・デイビスに見いだされてバンドメンバーとなり、一気に頭角を現すと、後にマイルスから独り立ち。複雑なコード進行をもとに、ロングフレーズを一気に吹ききる圧倒的な技術と深い精神性や思想に裏打ちされた激情型のサウンドは、ジャズを芸術の域にまで高めた。アルバム「至上の愛」はコルトレーン音楽の集大成となった。
ハービー・ハンコック (ピアニスト、作曲家)
Herbie Hancock (Pianist, Composer) 1940~
現代のジャズ界を代表するピアニスト。マイルス・デイビスのバンドに加入して以降は「新主流派」の旗手として1960年代のジャズ・シーンを牽引。広大な宇宙を漂流するかのような流麗かつ斬新なサウンドは、フュージョンに繋がる次世代の扉をこじ開けた。演奏の傍ら、ジャズフェスティバルなどのプロデューサー的役割もこなし、ジャズの普及と発展にも精力的に取り組んでいる。
ウィントン・マルサリス (トランペット奏者、作曲家)
Wynton Marsalis (Trumpet, Composer) 1961~
完成された技術とクラシックやジャズの理論を極めた頭脳的なプレイにより、電化が急速に進み、「ロック的」色彩が濃くなっていたジャズから伝統的なジャズへの回帰を目指した世界有数のトランペッター。後進に指導にも大変熱心。ただ、あまりに完ぺきな演奏から、創造性や面白みが欠けるとの評価も受ける。
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