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私的音楽アーカイブ32(キャノンボールアダレイほか)

311.アートファーマー:WHEN FARMER MET GRYCE
312.カーティスフラー:THE OPENER
313.キャノンボールアダレイ:QUINTET IN SANFRANCISCO
314.スキマスイッチ:空創クリップ
315.ホレスシルヴァー:SERENADE TO A SOUL SISTER
316.ソニーロリンズ:SONNY ROLLINS WITH MJQ
317.フレディハバード:BREAKING POINT
318.オーネットコールマン:SOMETHING ELSE !
319.秋吉敏子:THE MANY SIDES OF TOSHIKO
320.アルコーン&ズートシムズ:MOTORING ALONG

●313.キャノンボールアダレイはジャズハードバップ界の大スターでありながら、気の毒なイメージが付きまとう。「枯葉」の大名演で知られる「サムシン・エルス」はキャノンボール名義でありながら、ほぼマイルスデイヴィスのリーダー作と目されている。さらに、マイルスがモード奏法を確立したとされる「カインドオブブルー」では、クールでカッコいいマイルスの音楽性との対称性が際立ち、メンバーの中でも浮いたような存在だった。事実、「カインドオブブルー」の録音後、キャノンボールはマイルスの元を去っている。
しかし、いったんはマイルスに見出されたその才能は素晴らしく、彼の音楽を聴くだけで、心と身体が踊り出すような感覚がもたらされる。よく「陽の音楽」「黒い音楽」「ファンキーの権化」などといわれるのはそうした理由によるのだろう。このアルバムはサンフランシスコでのジャズワークショップを録音した作品で、弟のコルネット奏者ナットアダレイ、ピアノのボビーティモンズらとまさに明るくファンキーな音楽を繰り広げる。もっと一般的にも知られるべきミュージシャンといえる。

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