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マイベストジャズアルバム2023(ジャズ批評2024.3)


【1】 Beyond Orbits/挾間美帆/Universal
【2】 OEDIPE REDUX/LUCIAN BAN & MAT MANERI/Sunnyside
【3】  A Short Diary/Sebastian Rochford/ECM
【4】 TORRENT/藤井郷子/LIBRA Records
【5】 METAMORPHOSES/MICHAEL BATES/ANAKLASIS(東京エムプラス)

1米ニューヨークを拠点に国内外で活躍するジャズ作曲家挾間美帆が、2013年の世界デビュー10周年となる2023年に発表。挾間が率いる13人編成の「m_unit」としては「Dancer In Nowhere」(18年発売。20年のグラミー賞にノミネート)以来5年ぶりのアルバムだが、精緻なアンサンブルとインプロヴィゼーションの両立を目指す彼女の狙いは見事に成功している。

2ピアニスト、ルシアン・バンとヴィオラ奏者のマット・マネリがジョルジェ・エネスクのオペラ「オイディプス王」をジャズ的に再構成。オリエンタルな雰囲気を持つ唯一無二のサウンドは、一回聴いたら耳から離れなくなる。

3UKジャズを代表するドラマー、セバスチャン・ロックフォード。彼の父の死を機に作られた楽曲の数々は、まさに鎮魂歌のような静寂さに包まれる。

4これまでに100作以上のアルバムを発表しているフリージャズのピアニスト、藤井郷子は知る人ぞ知るすごい存在。きわめて激烈なエネルギーが発せられている。

5ポーランドの作曲家、ルトスワフスキの作品をジャズ化。かつてショスタコーヴィチをジャズで演奏したベースのマイケル・ベイツが編曲を手掛けており、今回もジャズとクラシックの有機的な融合が楽しめる。

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