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私的音楽アーカイブ65(菊地成孔ほか)

641.シンディローパー:twelve deadly cyns…and then some
642.マイルスデイヴィス:Someday My Prince Will Come
643.秋吉敏子:TOSHIKO AT TOP OF THE GATE
644.デクスターゴードン:DEXTER RIDES AGAIN
645.マルウォルドロン:MAL-1
646.ケニードーハム&ジャッキーマクリーン:INTA SOMETHIN’
647.レディオヘッド:THE BEST OF
648.上原ひろみ:BEYOND STANDARD
649.大橋卓弥:DRUNK MONKEYS
650.菊地成孔ダブセクステット:DUB ORBITS

⚫︎650.菊地成孔さんは僕にとって破格の存在である。ジャズミュージシャンとしての先鋭性、先見性、革新的なサウンドはもちろんなのだが、文筆家としてもジャズにとどまらず、映画やアート、ファッション、アングラ文化など縦横無尽、硬軟自在に書くその鮮烈な文体が大好きで、さまざまな作品を愛好してきた。
文筆でも活躍するジャズミュージシャンと言えば山下洋輔さんなどがいるが、菊地さんの立ち位置はかなり独特で、おそらく誰にも真似できないだろう。
今作はその菊地さんのグループ「ダブ・セクステット」の作品。菊地さんのすごいところはジャズの歴史的な良い部分は踏襲しながら、なおかつある程度破壊・再構成しつつ、自分自身にしかできない新たなジャズを追い求めている点だろう。
その証拠に、作品ごとに性格性質が全く異なり、下手すると過去の自分を否定さえする。こういう点はまさにマイルスデイヴィスのようであり、ジョンコルトレーンのようである。菊地さんご本人が聞いたら思い切り自己を卑下し否定するだろうが…

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