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【ヘンな家族の珍事件】家出少女と父

『レンタル彼女で自分を客観視!』

幼稚園の先生っぽい管理栄養士/寄り添い系レンタル彼女/結婚相談所助手/イラストレーター/重度の運動音痴/岩井ゆりにゃん(@yurina_rkp)です。

突然ですが、皆さんは家出したことありますか?


私は2回家出をした経験があります。

1回目は小学校中学年くらいの頃。
2回目は高校2年生の頃。

この頃、父は仕事でほとんど家にいませんでした。
いたとしても今でいう『コミュ障』の父なんで、会話はほとんどありません。
それなので、言い合いになることなんて多くないと思いませんか?

いいえ、そんなことはありません。
いくらあまり話さないとはいえ父親です。

成績が悪いこと
部屋が散らかってること
テレビを見ている時間が長いこと
漫画を読み続けていること

大抵私が悪い事が多いんです。
まあ、子どもの頃に「勉強しなさい」や、「片付けなさい」は誰でも言われているんじゃないかなって思います。
言われたことが無いって人は相当な完璧人間なんで誇りに思った方がいいです。
私が尊敬します。

父と言い合いで私が悪い事が多いと思いますが、そもそも女の子が家出をするなんて相当な理由じゃないですか?

田舎ですし、行くあてなんてないんですよ。

まず、1回目の家出。
こんなのは可愛い物です。なんなら何で言い合いになったかなんて覚えてません。

父に何かを言われ、言い返す私。
そこから沈黙の父。
お話しにならない。
思い通りにもならない。
こんな…こんな家!出てってやる!!!
そんな感じでした。

小学生なんで、まずどこに行けばいいかなんて分かりません。
とりあえず家の周り一周してみちゃったりして。
夜だったので星空眺めたりして。
家の外の倉庫に隠れてみたりして。

願ってたんです。父が心配して追いかけてきてくれることを。
だって、小学生の娘が家を飛び出したんですよ?普通なら心配ですよね???

そこに、「ゆりなー!」と、呼ぶ声。

来た!?

私を心配して来てくれた!?

そこには心配して探しに来てくれた祖父がいました。

祖父です、祖父。
父じゃなくて祖父。

うん、でもいい。泣きました。
心配して探しに来てくれた祖父に申し訳ない気持ちと、父が全く探しに来てくれてない悲しみで。

父は私のことなんて心配してないんだ。
私のことなんてどうでもいいんだ。
本気でそう思いました。

そこから年月が経って、高校2年生。父との二人暮らしが始まりました。
(あ、祖父まだ生きてます。入院していました。)

実家の私の部屋には本棚が3つあるんですけど、ほとんどが漫画で埋め尽くされているんです。
少女漫画や少年漫画、私の頭の中の情報は漫画から来ていると言っても過言では無いくらいその頃は漫画を買っては読み、新刊を楽しみに待つ子どもだったんです。

父60歳代、祖父90歳代という年寄の家庭だから、娯楽がそれしかなかったんですよね。
もちろんインターネットなんてない時代だから(あったけど)、私の楽しみは本当に漫画だけだったんです。

ある日学校から帰ると綺麗な私の部屋がありました。

たまにね、父が勝手に入って部屋を片付けていくんです。どこに何があるのかわからなくなるからやめてほしいんですけど、一向に片付けないからでしょうね。片付けてくれるんです。

でもね、その日は違ったんです。

私の頭の中の情報源。
全部。
捨てられていたんです。
それはもう綺麗さっぱり。
小説とか辞書とかは残ってるんです。
漫画は何一つ残ってないんです。
3つあった本棚が2つ半空っぽになったんです。

もう、絶望です。
その頃バイトも始めて、そのほとんどを漫画に使っていたのに。

いやあ、綺麗でしたよ?私の部屋。
何もなくなって。
もう、ただ寝るだけの部屋。

流石に当時の私は許せない気持ちが強いです。

なぜこんな事が起きたのか。
なぜ捨てる必要があったのか。
どうして何も言わずに捨てたのか。
どこに捨てたのか。
まだ回収されてなければ間に合うのでは無いだろうか。

色々な思いが出てきて、父に全部言いました。
それはもう怒り散らして。

そうしたら父、
「要らないと思って」
そう言ったんです。

んなわけあるかい!!!!!
要らなかったら自分で捨てるわ!!!!

しかも父その一言だけであとは何も言わないんです。もう、私怒りMax。

「もういい!!!」

そう言って家を出ました。
もう高校生なんで、小学生のように家の周り一周とかしません。
どこ行こうって考えて、とりあえず歩きました。

父はどうせ追ってこないし、心配もしない。
そんなことは家出1回目の時に学んだので、1日くらい帰らなくても大丈夫。
なんなら次の日は朝からバイトだから朝帰ってバイト行ったら父に会うことなんてないし、お互い顔見なくて清々するでしょ。
そう思ってたどり着いた先が近所のおばあちゃんのお家。
実のおばあちゃんではないです。
単なる祖父が仲良くしているおばあちゃんの家でした。

雨が降っているのに傘を持っていなかった私は本当にドラマの中の家出少女で。
快く受け入れてくれたおばあちゃんとその家族。
お風呂に入れてくれて。ご飯を食べさせてくれて。ふかふかの布団で寝かせてもらって。次の朝になったんです。私の家出は大成功です。

バイトに行く準備しなきゃと思って家に帰ったんです。
そしたら、いるはずのない父がそこにいるんです。
あれ?なんで父が家に?
仕事は????
今日休みだっけ?????

そんなことを考えていたら父が、
「送るよ」
そう言ったんです。

え?私、家出したんだけども?
帰ってきた娘に対して、「送るよ?」
どこに?
バイト先?
違くないか?
他に聞きたいことあるだろうに。
「どこ行ってたんだ」「何してたんだ」
とかではないのか??
「送るよ」ってなんだ。送り届けちゃってるよ。いいのかそれで。
そもそも家はここだ。
そう考えながらも、素直に従う私。

難しいよ。父の感情。
想像とあまりにも違いすぎるよ父。
心配しないにも程があるよ父。
そう感じながらバイトをしました。

後日、お礼をしにおばあちゃんのお家に行ったんです。その時に、おばあちゃんが私に内緒で父に電話していたことを教えてくれたんです。
父、珍しく動揺した様子で話していたらしくて。なんと、1回目の家出は私のこと探しにも来なかったのに、その日は探していたらしく、次の日の仕事も午前休にしたらしいんです。

そんなことをする人だったなんて。
心配なんてしない人だと思っていたのに。

もしかしたら、あの「送るよ」って言う言葉の裏には、「帰ってきてくれて良かった」「少しでも、娘と一緒にいる時間を作ろう」「心配してたんだ」そして、「初めの家出の時に探さなくてごめん」って言う感情が入っていたのかなって、そう感じたんです。

そう思ったら、父の一言一言に重みがあるのかもしれない。そう感じる出来事でした。

とはいえ、言葉にしてくれなきゃ分かんないよ!
というのが本音なんですが、思っていることを口に出せない人っていますよね。
それは父を見ていてよく分かっています。
けれども、何も考えていないわけじゃないということも分かっているんです。
ですから、もしも普段考えていることをうまく口に出せない人がいましたら、まとまりのないお話でいいので私に話してみてください!


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最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
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