つばめ

高校野球、ラジオ、写真、天体、青いもの好き。月イチでラジオドラマ作ってます。

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最近の記事

世界の辺境とハードボイルド室町時代@高野秀行×清水克行 読了

まだ半年も過ぎてないけれど、今年のNo.1書籍かもしれない(笑) まず、何このおかしなタイトルは?っていうのがいい。 辺境地帯を書かせたら右に出る者なしの高野さんと、歴史家の清水さんの対談。 「かぶりすぎている室町時代とソマリ社会」から始まって「むしろ特殊な現代日本」まで、とにかくおふたりの知見がこれでもかっ!というくらいぎっしり詰まっています。 闇鍋をつついてるんだけど、どれも美味しいみたいな(たとえがわかりずらいけど笑)そんな本です。 この国が全てだと思っている人よ、

    • 推し、燃ゆ@宇佐見りん 読了

      去年、ついに推しができた。できた、というか推し活という″対象者″を発見したというほうが正しいかもしれないな。ファンじゃなく、まさに推し君(笑) 最初はファンと推し活の違いってなんなの? 距離感?対価?時間?労力?思いの丈の深度? みんなどうしてそこまで執着できるの? 謎、謎、謎でしかなかったのだが、 この本のなかにはその答えがあった。 そして悲しいかなその先、 推しが、その立場をやめてフツーの人になったとき、推していた側の人はどうするのか、、、。 とても興味深い本です。

      • 正欲@浅井リョウ 読了

        そういえば考えたこともなかったなぁ、どうして街中にラブホがフツーに存在してるのかとか、女性の性を売り物にしている店がフツーにあることとか。 多様性という標語だけが独り歩きしていて、本当の意味や意義をわかっている人って実はほぼいないんじゃないだろうか。もちろん自分も含めてだけど。 マイノリティのなかにもマジョリティがあって、普段、目に耳にしていることはホンの一部で、それだけで全てを知っているような気になってる。 マイナーな性癖を持つ人にとって男女間のセクシャリティって関係

        • はい、泳げません@髙橋秀実 読了

          初っぱなからこんなに御託、屁理屈を並べる著者ってなに??ってちょっと面食らった🤣 泳げないことは特段恥ずかしいことじゃない。なのに、なんでいちいち言い訳するかなー。理屈並べるかなー。そりゃおば様方にも嫌われるよね。 でも、なんとかしようとして日本古来の泳ぎ方の講習会に行っちゃったり大学教授に聞きに行ったり。。なんか憎めないんだよね。 頭でっかち、でも凄い努力家! 最後の最後に自身が得た哲学みたいな一文がちょっと胸を打つ。あー誰にも当てはまるよ、この言葉。 しょーもな

        世界の辺境とハードボイルド室町時代@高野秀行×清水克行 読了

          しずかな日々@椰月美智子 読了

          小学五年生のえだいち君が、おじいさんと過ごしたひと夏の日々―。 大人になったえだいちの回想として物語は進んでいくんだけど、なんというか夏の風景の描きかたがとてもうまい。音や気温や色、陰影が映像としてパッと目に浮かぶ。 ちょっとだけ複雑な家庭事情を抱えたえだいちが、友達との関係性で少しづつ思い出を増やしていく。歩くスピードから自転車をこぐスピードへと変化していく、その絵日記をめくるような日々。 こころが夏の空に解き放たれていくみたい。 大人の夏休みの課題図書的な一冊です

          しずかな日々@椰月美智子 読了

          少年と犬@馳星周 読了

          昔から子どもと犬には滅法弱い。TVに出てくるだけで泣ける。でも飼ったことはない(笑)。 柴犬を助手席に乗せ(車持ってない)国道を飛ばし(ペーパードライバー)、渓流釣り(やったことない)にいき、なかなか釣れないね~と隣に伏せる犬に話しかける、という妄想をよくする。 じゃ飼えば?って話だけど、命を預かるのってそれ相当の覚悟とお金が必要になることぐらいはわかっているので、これから先もこの妄想・犬との渓流釣り物語は続く。ま、いいけど。 多聞(主人公)と出会った人たちは、それぞれ

          少年と犬@馳星周 読了

          ここは今から倫理です。(第6巻)@雨瀬シオリ 読了

          この最新巻が今までで一番ベビーかも。 普通ならボカしてしまうか避けてしまうテーマを正面から取り上げているし、それに翻弄されてる高柳の人間くさいというか矛盾みたいな側面がより顕著に描かれてる。あと数少ないお友達も(笑) 新キャラの六本さん。いい味出してますね。高柳(作者?)の理想を一番背負ってるキャラなんじゃないかな。これから先、彼女のような人が増えると、もっともっとよりよい世界になっていきそう。 この巻をドラマで再現したら、今度はどんな風に理路整然と調理してくれるのか、

          ここは今から倫理です。(第6巻)@雨瀬シオリ 読了

          0メートルの旅@岡田悠 読了

          ライター兼会社員の著者。 遠くに行くことが旅ではなく、飛距離0メートルでも旅を創造することはできる。 外出に対して躊躇してしまう現在だからこそ読みたい、そして一緒に旅をしたい一冊です。 それにしても、インドvsパキスタンの降納式バトルの章。 「君たち、仲いいだろ」 には場景が目に浮かんでしまい、スタバで思わず笑ってしまった。

          0メートルの旅@岡田悠 読了

          デッドライン@千葉雅也 読了

          今年の始め、NHK夜ドラ「ここは今から倫理です。」のタイトル『倫理』になぜか惹かれ(この時点では主演の山田祐貴君すら知らなかった)見始めた。で、倫理考証を担当していた神戸さんのTwitterを探っていたところ、哲学を学びたい人にオススメしていたのが、千葉雅也さんの書物だった。 哲学者が書いた小説。芥川賞の候補にもなってた。 芥川賞作品って読みにくいから(個人的見解)なんとなく遠ざけてしまっていたんだけど、せっかくの出逢いだし読んでみた。 ―哲学はようするに極論なんだ。

          デッドライン@千葉雅也 読了

          季節風 春 夏 冬@重松清 読了

          秀逸な短編集。主人公が全員地方出身というのが身につまされるのか、どの話もぐいぐい引き込まれてしまった。 東京への憧れ、失望、生活していくこと、家族を持つこと、老いていく田舎の親。 歳をかさねることでしかわからないことは、確実にある。 春夏秋冬と分かれて文庫化されているらしいけど、やっぱり冬篇が一番よかったかな。いや、春も捨てがたい。 秋篇だけまだ読んでないけど、きっと面白いと思う。楽しみ。 早く図書館に行かなくちゃ。

          季節風 春 夏 冬@重松清 読了

          桜ほうさら@宮部みゆき

          現代小説が口に合わなくなったら、時代モノにシフトチェンジするといいみたい。少なくとも私はそうみたいです。 リセットなのか浄化作用なのかはわからないけど、宮部作品の持つ不思議な副作用に気持ちがスーっとしてくるのがわかります。 あやかし系もいいんですが、なんてことない日常の暮らしを描いた素描的な作品もいいです。 「桜ほうさら」は久しぶりにタイトル買いした作品。まだ読み始めたところなので結末が楽しみです。 しかも上・下巻だということに買ってから気付くという。アイタタ。

          桜ほうさら@宮部みゆき

          「ファースト クラッシュ/山田詠美」読了

          思春期に山田詠美を読んでいたら、もっと青春を謳歌できたかもしれない? 否。素地が違うから、やっぱり小説の中だけで楽しめればいいや。 潔癖と混濁が生まれては消え生まれては消える。女の子ってのは正義という名のブレを振り回す。無知と自意識過剰がワンセット。 でももう戻れない。だから羨ましいよ。

          「ファースト クラッシュ/山田詠美」読了

          「農ガール、農ライフ/柿谷美雨」読了

          33歳、女子、独身。ひとり農業。 農業に関しての描写はやや手薄感が否めないけど、女子が頑張って自分の生きる道を模索する話は嫌いじゃない。 後半の婚活パーティーに集まる女性たちの結婚観も現実的な気がする。誰かに頼って生きていくのも、それはそれで理由があるよね。 なんでもっと早くに将来のことを考えなかったんだろう、っていう主人公の呟きがあるけど、まだ33歳でしょ?大丈夫大丈夫。アラカンでもまだ迷い道くねくねの人もいるんだから、と心で応援してしまった。 とりあえずサクッと読

          「農ガール、農ライフ/柿谷美雨」読了