少年と犬@馳星周 読了
昔から子どもと犬には滅法弱い。TVに出てくるだけで泣ける。でも飼ったことはない(笑)。
柴犬を助手席に乗せ(車持ってない)国道を飛ばし(ペーパードライバー)、渓流釣り(やったことない)にいき、なかなか釣れないね~と隣に伏せる犬に話しかける、という妄想をよくする。
じゃ飼えば?って話だけど、命を預かるのってそれ相当の覚悟とお金が必要になることぐらいはわかっているので、これから先もこの妄想・犬との渓流釣り物語は続く。ま、いいけど。
多聞(主人公)と出会った人たちは、それぞれの事情で死に至るんだけど、多聞がその背中を押してあげてる感じがたまらなく怖い。最初はお利口なのに可哀想な犬って感じが、物語が進むうち徐々に悪魔の遣いかよ?ってなくらい怖くなった。だけど矛盾してるようだけど仏のようにも思える。
不思議な犬、多聞。
ある時は南へ、ある時は西へ。多聞の行き先を察知した拾い主が手放していく様子も非情だけど未来を遺してる感じ。
最終章でみせる多聞の命懸けの行動には、なんだか力づくで納得させられてしまった。思い出で終わるのもまたよい。
泣くわこれ。
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