見出し画像

「PROTOTYPING 2050」 - ①

イントロダクション

2050年、私たちが直面する未来は、現代から30年後の世界として、どのような変化や進化を遂げているのか。都市の風景、人々の生活様式、技術の発展、環境問題の進展など、多岐にわたる要素がその未来を形作っています。しかし、その具体的な姿を想像することは難しく、多くの人々が抽象的なビジョンに留まってしまうことが多いのが現状です。

『Prototyping 2050』は、そのような未来の抽象的なビジョンを具体的な形にするためのイベントとしています。このイベントは、技術者、デザイナー、アーティスト、学者、ビジネスリーダーなど、様々なバックグラウンドを持つ人々が一堂に会し、2050年の未来を共同で設計する場となります。参加者は、各自が予測する未来のシナリオを共有し、それを基にプロトタイプを作成するワークショップや、未来の技術や社会構造についてのディスカッションを行う予定です。


目的

このイベントを通じて、未来の可能性を具体的に感じ、それに向けた行動を促進することが目的となっています。また、異なる分野や背景を持つ人々が交流することで、新たな視点やアイディアが生まれ、それが2050年の未来をより良いものにする手助けとなることを期待しています。

未来のビジョンの具体化

2050年には、どのような技術やサービスが日常に取り込まれ、どのような社会構造やライフスタイルが主流となるのか。このイベントでは、参加者がそれぞれの予測やビジョンを持ち寄り、具体的なシナリオやプロトタイプを作成することで、未来の姿を視覚的に捉えることを目指します。

クロスセクターのコラボレーション促進

技術者、デザイナー、学者、ビジネスリーダーなど、多様なバックグラウンドを持つ参加者が一堂に会することで、異なる視点や専門知識を持ち寄り、新しいアイディアや解決策を共同で生み出します。このような異分野間のコラボレーションは、従来の枠組みを超えた革新的なアイディアの源泉となります。

2050年に向けた問題意識の共有と解決策の提案

2050年には、環境問題や資源の枯渇、人口増加に伴う食糧問題など、多くの課題が予測されています。このイベントでは、それらの問題について深く議論し、持続可能な未来を築くための具体的なアクションや方針を考える機会を提供します。

新たなビジネスやイノベーションの機会の創出

未来の技術やサービスに関するディスカッションやプロトタイピングを通じて、新たなビジネスの機会や市場のニーズを早期に発見し、それに対応するための戦略や方針を検討します。参加者間のネットワーキングも促進され、新しいパートナーシップや共同プロジェクトの機会が増えることが期待されます。


SFプロトタイピングとは?(Prototyping 2050の手法について)

SF(サイエンスフィクション)プロトタイピングは、サイエンスフィクションの物語やシナリオを使用して、未来の技術やサービス、製品のプロトタイプを想像し、デザインする方法論やアプローチのことを指します。この方法は、デザイナーや研究者が未来の技術や状況を具体的にイメージしやすくするために利用されることが多いです。

⚫︎技術のトレンド調査

現在における技術の最前線や新興技術を調査します。例えば、AI、量子コンピューティング、バイオテクノロジーなどの分野での最新の研究や発展を調べることができます。既存の技術の進化や新しい技術の登場によって、どのような可能性が開かれるかを探ります。

⚫︎社会・文化のトレンド調査

技術だけでなく、社会や文化の動向も考慮に入れます。人々の価値観やライフスタイル、消費行動などの変化をリサーチします。これにより、未来のユーザーがどのようなニーズや要望を持つか、またどのような問題や課題に直面するかを予測することができます。

⚫︎市場調査

既存の製品やサービス、競合他社の動向を調査します。これにより、市場のギャップや新しい機会を見つけることができます。顧客のフィードバックやレビューも重要な情報源となります。

⚫︎専門家へのインタビュー

特定の分野の専門家や研究者にインタビューを行い、深い知識や洞察を得ることができます。これにより、技術の実用性や限界、未来の方向性などをより正確に理解することができます。

⚫︎データ収集と分析

オンラインのデータベースや研究論文、報告書などから、関連するデータや情報を収集し、分析します。データドリブンなアプローチを採用することで、客観的な根拠に基づいた未来予測を行うことができます。

未来シナリオ1


年は2130年。都市は天空都市と呼ばれる巨大な空中プラットフォームに移行し、地上は自然の再生地域として残されている。人々はエアタクシーで天空都市間を移動し、地上に降りる際は特別なエレベーターシステムを使用する。空中都市の下部には巨大なクリーンエネルギー発電装置があり、太陽光と風を利用して都市全体のエネルギーを供給している。

主人公のアリアは、天空都市の中心部に位置するバイオテクノロジー研究所で働く若き研究者である。彼女の専門は「感情植物」— 人々の感情を感じ取り、それに反応する植物。例えば、住居の中にあるこの植物は、住人のストレスレベルが高まるとリラックス効果のある香りを放つ、または音楽を奏でる。

ある日、アリアは新しい感情植物のプロトタイプ「ハーモニー」を完成させる。この植物は、人々の感情のバランスを保つために特別にデザインされ、喜び、悲しみ、怒り、驚きなどの感情に応じて様々な反応を示す。彼女はこの新しい発明を公開し、天空都市中で大きな話題となる。

しかし、アリアはハーモニーの真の目的を隠していた。それは、天空都市の人々が持つ孤独感やコミュニケーションの障壁を解消するためのものであった。彼女自身が天空都市の生活で感じていた孤独感を解消するための研究の成果である。

ハーモニーは、人々の間に新しい形のコミュニケーションを生む。人々は自分の感情を直接言葉で伝えるのではなく、ハーモニーを通じて感情を共有し、理解し合う。この新しいコミュニケーション方法は、天空都市の人々の間で新しい絆を生むこととなり、アリアの研究は天空都市の新しい文化として根付くこととなる。

意図

この物語は、未来のテクノロジーと人々の感情やコミュニケーションの関係を探るものです。テクノロジーの進化によって、人々の生活やコミュニケーション方法がどのように変わるのか、そしてその中で人々がどのような問題や課題に直面するのかを考えることができます。

未来シナリオ2

年は2145年、地球の気候変動が進行し、多くの地域が住めない土地となってしまった。しかし、科学者たちの努力により、海の下に巨大なドーム都市「アクアポリス」が建設され、人々は海底での生活を開始した。この都市は高度な環境制御技術を持ち、外部の影響を受けずに安定した生活が可能となっている。

主人公のカイは、アクアポリスの海洋生態系部門で働く若手研究者である。彼の仕事は、ドーム外の海洋生態系とドーム内の生態系のバランスを維持すること。特に彼が専門とするのは、光合成を行う微生物「フォトプランクトン」の研究で、これらの微生物はドーム都市の酸素供給の主要な源となっている。

ある日、カイはフォトプランクトンの数が減少していることを発見する。彼は原因を突き止めるための調査を開始し、ドームの外部からの微細な汚染物質が原因であることを突き止める。この汚染物質は、ドーム都市の生態系だけでなく、人々の健康にも影響を及ぼす可能性がある。

カイは、この問題を解決するために、汚染物質を分解する新しい種類のフォトプランクトンを開発することを決意する。彼の研究と努力により、新しいフォトプランクトン「クリーンセル」が生まれる。この微生物は、汚染物質をエネルギーとして吸収し、純粋な酸素を放出する。

クリーンセルの導入により、アクアポリスの生態系は安定を取り戻し、人々は再び安心して生活することができるようになる。カイの研究は、人類が直面する新しい環境下での課題に立ち向かい、それを克服する力を示すものとなった。

意図

このシナリオは、気候変動とその影響、そして新しい環境での生活の課題とその解決策をテーマにしています。未来の都市や生態系、そして人々の生活の中での科学技術の役割を考えることができます。

未来シナリオ3

浮遊する都市「セリア」は、広大な海上に広がる独立した国家の一つとして知られている。セリアの住民は、陸地からの難民や冒険者、研究者たちで構成され、海上での生活に特化した技術や文化を築き上げてきた。

ルナはセリアで生まれ育った若き海洋農家で、特に海草の栽培に特化している。海草はセリアの主要な食料源であり、さらに海洋のCO2吸収にも貢献している。ルナは古くからの伝統的な栽培方法を守りつつ、新しい技術を取り入れて生産効率を上げている。

セリアの外では、陸地の国々との交易が盛んに行われている。セリア特産の海草製品は高価であり、多くの国々がこれを求めている。しかし、海洋国家同士の領土争いや資源の奪い合いも日常的に発生している。

ある日、ルナは古代の海洋遺跡を発見する。この遺跡からは、先史時代の海洋国家が存在していたこと、そしてその高度な技術や文化が示されていた。ルナはこの発見をきっかけに、セリアの技術や文化をさらに発展させるための活動を開始する。

この遺跡の発見は、セリアと他の海洋国家、さらには陸地の国々との関係にも新しい動きをもたらすこととなる。過去の知識を活かし、新しい未来を築くための共同プロジェクトが始まる。

このシナリオでは、海洋国家の日常生活や文化、技術、そして国際関係に焦点を当てています。古代の遺跡と現代の技術や文化の融合を通じて、未来の可能性を探求しています。

▼関連企業 (海洋国家): 


SFプロトタイピングの方向性と考え方

技術革新

ユーザーのニーズや感情を中心に技術革新を進めます。新しい技術やプロダクトが人々の生活にどのようにフィットするか、どのような価値をもたらすかを常に考慮することで、より人々の心に響くプロダクトを生み出せるように創意工夫に徹します。

持続可能な未来の構築

気候変動や環境問題を前提としたプロトタイピングを行います。(もちろん他領域も) 持続可能な技術やエコロジーを導入することで、未来の環境問題に対応するプロダクトやサービスの開発を目指します。

高度な予測モデリング

未来のトレンドや技術変動を予測し、それに基づいたプロトタイピングを行います。AIやビッグデータを利用して、未来のシナリオを高精度に予測します。

多様性の尊重

多様な文化や価値観を尊重し、それを取り入れたプロトタイピングを進めます。異なる文化や背景を持つ人々の意見や感性を尊重することで、より幅広いユーザーに受け入れられるプロダクトを目指します。

展開の仕方

共創ワークショップの実施

未来の技術やトレンドに関するワークショップを定期的に開催し、社内外の専門家や一般ユーザーと共に新しいアイディアやコンセプトを共創します。

プロトタイピングラボ(オンライン)の設立

持続的なプロトタイピング活動を行うための専門のラボを設立。最先端の技術やツールを導入し、常に最高のプロトタイピング環境を提供します

連携企業とのコラボレーション

異なる業界や分野の企業と連携し、共同でプロトタイピングを行うことで、新しい視点やアイディアを取り入れることができます。

ユーザーフィードバックの活用

プロトタイプの試作品を一般ユーザーにテストしてもらい、フィードバックを収集。そのフィードバックを基にプロダクトの改善や方向性の見直しを行います。

IVYXのSFプロトタイピングの方向性は、人々との繋がりと持続可能な未来を中心に据えています。これを基に、具体的な展開方法を組み立て、常に未来志向のプロダクト開発を目指していきます。

この記事が参加している募集

宇宙SF

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?