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未経験だけど「Webライターになりたい!」人が採用されるには?

ネットニュースの編集を担当するようになって、6年と少し。

ライフスタイル系のゆるりとした記事をつくっています。

みんな大好き、無印、ニトリ、イケア、カルディ、ユニクロ、GU、しまむら…といったあたりの商品レビューを中心に、ネットで話題になったこととか、家事がちょっと楽しくなるアイデアとか、とかとか。

きっと皆さん一度くらいは目にしたことのあるような、そんなタイプの記事です。

編集者の仕事は、そういう記事のテーマを決めたり、進行管理をしたりすること。そして、実際に記事を書いてくれるライターさんの採用もしています。

前置きが長くなりましたが、「採用する側って、どういう基準で選んでるの?」というお話をしてみたいと思います。

なお、Web媒体とひとくちにいっても多種多様なので、あくまで、女性向けのライフスタイル記事をつくっている、編集者の1人の意見としてお読みください。媒体の公式見解ではありません。

●Webライターは、なぜ「未経験OK」が多いのか

「ライター」という職業のなかでも、Web専門で書く人を「Webライター」といったりします。

未経験者でもOKなことが多く、参入ハードルがとても低いのが特徴の1つ。

なぜかというと、ネットの世界はトレンドの変化が早く、幅も広いため、とにかく量やスピードが求められるから。そのぶん書き手もたくさん必要になります。

加えて、いまはマスメディアよりも、自分に近い感覚の人の情報が信頼されやすい傾向があります。そのため、「より読者に近い人」の目線で記事をつくりたいという理由もあります。

●最低限、満たしていてほしい条件とは

いろんな視点を入れたいとはいえ、扱うテーマは媒体ごとに決まっています。そこからかけ離れていたら「ゴメンナサイ」となるのは、どんな仕事も同じ。

大前提として、次の2点を満たしているかを見ています。

・媒体の傾向を理解している
・媒体の傾向に合わせた企画提案ができる

これ、「当たり前じゃん…」と思いましたか?

意外とできていない人が多いです。数えてはいませんが、だいたい3分の1、多ければ半分くらいはここでふるい落とされる印象。

記念受験やダメもとみたいな人も、けっこういます。

●Webライター未経験の人でも、すぐできること

もうおわかりだと思いますが、経験があってもなくても、採用されるために最低限すべきこと。

それは、応募する媒体をよく読むことです。

未経験者でも、これだけで採用に一歩近づけます。

これを読んでこう思ったとか、こう考えたとか、そういうことを細かく説明する必要はありません。

しっかり読んで「自分だったら、何をどう書こうかな?」と考えた人の書類は、見ればわかります。

もちろん、「ああ、ウチの記事、全然読んでないな」ということも。

●ライターならでは? NGな志望動機あるある

応募するときに、マスト、かつ、いちばん頭をを悩ませる項目といえば、「志望動機」でしょう。

新卒採用のときには、それこそ、ここが肝といわんばかりに、エントリーシートの書き方を勉強したり、添削してもらった人も多いはず。

そのせいなのか、誤解を恐れずにいえば、なんだか、ここだけいきなり学生気分に戻って熱くなってしまう人も…。

・子供のころから、文章を書くのが大好きです!
・学生のとき、作文コンクールで入賞しました!
・ずっとブログを書いています!
・サークルで冊子を作っています!

ライターは、「書く」のが仕事です。

文章を書くのが好きで、得意なのは大前提。そして、文章がうまいかどうかは、応募書類を読めば一目瞭然です。

応募書類だけで求められるスキルが丸見えになってしまうのは、「書く」という仕事ならではかもしれません。

ほかに、業界あるあるとしては、こんなものも。

・とにかく出版業界やメディアで働きたい!
・昔からの夢で、諦められません!
・作家を目指しています!

事実かもしれませんが、少し踏みとどまって、自分が担当者だったら、それが採用理由になるか考えてみてほしいと思います。

何を伝え、何を伝えるべきではないか。

それを見分けるのもプロのライターとして必要なスキルです。

●じゃあ、志望動機って、何を書けばいいのさ

こう書くと、「じゃあ、なんて書けばいいの?」と思われるでしょう。

一言でいうなら、「何ができて、何をしたいのか」です。

経験者なら、「これまで書いてきたグルメ記事の経験を生かして、コンビニスイーツのレポート記事を書きたいと思います」とか。

未経験者なら、「100均が大好きで、週に3日はパトロールしています。そのなかで見つけた本当に良いものをもっとたくさんの人に伝えたいと思いました」とか。

NG例と違って、「この人は、こういう記事が書けそうだな」というイメージ、わきましたよね。

もう少し表現はふくらませたり、ブラッシュアップしていただきたいですが、ベースはこれで十分です。

ちなみに、未経験でもできる在宅ワークといえば、「子育てがひと段落して、時間がとれるようになった」という理由もあるあるの1つ。

これだけでは採用理由になりませんが、「なぜ、このタイミングなのか」という理由や状況がわかるので、上記の志望動機に添えるのはいいと思います。

●最後の最後は「人柄」とか「相性」もある

ここまで書いてきたような最低限のことができていて、面接に進むかどうかのボーダーラインまできたとします。

そのとき、実は「人柄」が結果を左右したりする、といったら、意外に思われるでしょうか。

でも、仕事は、人と人が協力してするもの。楽しく、スムーズに進めたいですよね。

ライターを名乗るのであれば正しい日本語は書けたほうがいいけれど、「未経験OK」とするからには、それだけを見ているわけでもありません。

(もちろん限度はあって、経験者の書類に「拝見してください」と書かれていたときは椅子からずり落ちましたし、その方は選考から落ちましたが)

文章からは、自分で思っているより、たくさんの情報が浮かび上がってきます。取り繕っても、取り繕っても、行間から漏れてくるもの。それが人柄です。

とっても変わっていて、おもしろそう!とか、ていねいな仕事をしてくれそうとか。読んでいて微笑ましかったり、温かみを感じたり。とにかく、やる気や行動力がすごい!とか。

人の魅力はいろいろですが、スキルや経験に加えて、書類から伝わってくるそうした雰囲気も含めて、お会いしてみたいな、一緒にお仕事をしたいなと思えるかを大事にしています。

長々と書いてきましたが、2020年8月31日まで、私が編集を担当しているコーナーのライターさんを募集しています。ご興味のある方はプロフのTwitterからたどってみていただければ幸いです。

またMENTAにて文章添削レッスンも行っています。
ご興味のある方はのぞいてみてください。
・プロフィール
https://menta.work/plan/5364
・お試しレッスン
https://menta.work/plan/5364/23218

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