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着想から公開まで3日。想像以上にバズった IVRyの「電話GPT」リリースから「AIひろゆき」コラボまでのウラ側、全部書いてみた。

ウソみたいですが「電話GPT」の着想→開発→プレスリリース公開までの期間は"3日"だったんです。

・・・と、改めまして、
IVRyは3000円から使える電話自動応答サービスで、分かりやすいUIや多岐にわたる機能で便利に使ってもらっています。そのサービス提供の裏側はかなり優秀な社内の開発チームがいて、フロントからバック、QAまで、規模感に合わない高いレベルのチームが支えています。

今回ご紹介するのは、そんなエンジニアチームの一員であるAIエンジニア 町田からの一通のslackでのメッセージから始まり、まさかのバズに繋がった「電話GPT」(050-1807-3316)公開までのリアルなタイムラインについて、お伝えしていきたいと思います。

※OpenAI社の規約変更により、現在「電話GPT」という名称でのサービスは提供していません


3/10(金)|はじまりは1通のSlack。即日でプレスリリースを決定

ある日Slack のtimesに飛んできた一通のメッセージ・・・!

「ChatGPTのAPI使って、ChatGPTと話せる、こんなの作れた。」
確認してみると、音声認識と音声読み上げの機能を使って、ChatGPTと音声で会話できる機能とのこと。デモの番号を当てはめ、 社員のみんなにも使えるようにしたか 一度遊んでみて欲しいという内容でした。

IVRyもサービス内で使っている「音声認識」と「音声読み上げ」の機能を活用して、会話体験ができるという内容のものでした。

このスピード開発実現の背景としては、電話を使った技術と音声認識の技術の知見が元々あったことと、それを早い速度で開発するアジリティの高さ、及びソフトウェア開発基盤が準備できていたことが大きかったと感じています。

実際に試してみると社内のメンバーからも これは面白いねと評判は上々。
それを見たIVRy代表の奥西が「これって結構面白いし、世の中への届けようによっては結構インパクトあるんじゃない?」とコメント。

そして、広報担当の僕が「これは形を整えてプレスリリースにしよう」と提案し、急遽「ChatGPTと話せるサービスをプレスリリースして世に出そうプロジェクト」(勝手に今考えました)がスタート。

ちょうど、同3月末には資金調達の発表もちょうど予定していたので、その前に世の中に対して、少しでも何かしら波を起こしたいなと思っていたタイミングでもありました。
それまでに、IVRy(アイブリー)という社名が皆さんの心に残ればいいなという淡い期待も抱きつつ、進めることになったこのプロジェクト。

すでに金曜日の夜であったこともあり、さすがに当日のリリースは技術的・規約的、公開時間的にも無理があるという話になりました。

が、タイミング的にChatGPTのAPIを活用したサービスが世に出始めており、かつ3月13日週には ”GPT4”が発表される、というまことしやかな噂が出ていたので、「これはスピード勝負だ!」という話になりました。

そんなこんなあり、IVRyの本サービスとは、直接的に紐づいてはいないものの、以下の2つの目的にフィットするのでは?という考えのもと、突貫で翌週月曜朝のリリースを意思決定。

  1. AI技術に長けた人材がおり、LLMを社会実装しようという気概

  2. 電話DXの実現を目指しているIVRyの認知拡大・ブランド価値向上

名称についても、いくつか案が出たものの分かりやすさと耳なじみの良さから「電話GPT」に決定 。

デザイナーさんにも乱暴なキラーパス

Slack上でこと細かに説明もできてなかったのですが、天才的な読み取り力で華麗に進行してくれました。

勝手にPRTIMESに当て込んでみたりして。最終的には黄色文字のものに決定!

深夜まで続いた直前の変更依頼にも、文句ひとつ言わず対応してくれたデザイナーさんには本当に感謝です。

3/11(土)&12(日)|週末にリリース内容を固め、デモを受けられる環境の整備を完了

といった流れで、土日にプレスリリースをドラフト。
同時進行で、AIエンジニアの町田に諸々の規約の確認や環境の整備をしてもらいつつ、なんとかFIX。13日(月)になんとか間に合うペースです。

ちなみにプレスリリースの発信においてよく言われているのは「月曜日は避けろ」。しかし、本ネタに関しては スピード感が命。なるべく話題化のインパクトを最大化するため、 上場企業などがプレスリリースを公開する9:00は避けて、10:00に配信することに決定。

余談ですが、よくよく調べてみると、同様の機能公開をしている会社はすでに存在していました。

通常であれば諦めるところではありますが、今HOTなChatGPT関連かつ、一般の方も使っていただける新サービスで、2番煎じだとしてもSNSでの拡散や社員全体で盛り上げれば、話題化を図れるのではないかという見通しのもと、諸々の準備を進めることにしました。

何も依頼していないのに、マーケ担当の今坂がいつの間にか商標の出願してくれて、取れました。笑
(OpenAIの規約変更でこれも無効になるのかな・・・?という感じですが。笑)


3/13(月)|週末にリリース内容を固め、デモを受けられる環境の整備を完了


上記の仮説のもと、日曜日のうちに社員全名には、月曜日、朝に電話GPTのプレスリリースを出すので、盛り上げてほしい!!本気で!と伝えました。

IVRyのカルチャーとして、新しい取り組みを行う際に SNSなどにおいて全力で援護射撃するというのは当たり前のようにみんなやってくれるので、 このネタに関しても面白いと思って、みんなが投稿及びシェアしてくれたのが、バズのもとになったと思います。

限られた準備時間の中ではありましたが、公開1時間以内にTwitter及びPRTIMESで初速を作ることで、バズの火種を作るという戦略は草の根的な活動ではあるものの、タイムラインやSNSでの発信の仕方などには、かなりこだわっていました。

公開後すぐに、改めて社員にRTと投稿を依頼。業務委託メンバーやVCの皆さんにも積極的にご案内。

依頼していないのに、SNS担当も、この波に乗ってくれて、Twitterのピン留めして応戦。
依頼せずとも、エンジニアが反響ウォッチを始めてくれました
ホリエモンこと堀江貴文さんもなんとプレスリリースに言及。
(この後もっとびっくりな取り上げをしてくれることに!!)
メンバーみんなが盛り上げてくれて、むしろお願いされる側ではなく、お願いしてくれる側に回ってくれました。本当に良いカルチャーです!

その結果

  • PRTIMESの旬速ランキング(2時間以内に話題になったリリース)で1位

  • 24時間以内単位で話題になったリリースの「いま話題」でも最高3位にランクイン!

  • PRTIMES内でのPVは36,000超え!(もちろん創業以来最高PV)

  • 公式アカウントのPVも110,000超え!

と大きな反響をいただきました。

「これがバズるということか...!」各メディアさんでの反響も多数!

メディアさんでの取り上げという観点で考えると、 プレスリリースを出した初日時点で、ITmediaニュースさんをはじめとして5媒体程度が取り上げてくださいました。
翌14日にもASCII.JPさんをはじめとして、いくつかのWebニュースで掲載をいただきました!

16日にはAbemaニュースでも取り上げていただきました。(現在は消えちゃってます)

17日にはなんとTweetだけでなく、ホリエモンチャンネルにて、スピードワゴンの小沢さんと遊んでいただいている動画も公開!社内が沸きました。
どんなデモ動画よりリアルでわかりやすい気がしますので。是非ご覧ください!


皆さんに盛り上げていただき、19日までに1万着電を突破。
たくさんの方にお試しいただき、本当に嬉しさでいっぱいでした。
ということで、そんな想いも込めて24日にはプレスリリースも公開しました! 

27日には海を越え、台湾でも日本で「電話×ChatGPT」がトレンドだ!という文脈のまとめ記事などでも紹介いただいたようです。

その後も、TBS『ひるおび』でご紹介いただいたり、他にも複数のWebメディアで取り上げていただいたり、とロングテールで話題にしていただきました。

実際に僕の友人や他社の広報仲間さんも「電話GPTみたよ!!」と言ってくれる方が多かったので、よく広がっていったな〜うんうんと思っていました。

話題化の波を受けて、3/29発表の資金調達リリースの内容にも反映

上記の流れから、メディアに紹介されたり、使っていただいた方がSNSに投稿してくれて、またそれを見た人が使ってくれて。。という、非常にありがたい流れが数週間続いた後に、資金調達を発表しました。

今回の取り組みは間違いなく良い認知獲得の連鎖を生み出したと思いますし、偶然の産物とはいえ、情報発信の流れとしては綺麗に繋がったと自負しています。

実際に電話GPTの話題化を受けて、資金調達プレスリリースの内容もChatGPT及びLLM(大規模言語処理)に関する内容を厚めにしました。
元々、LLMの活用した研究開発は進めており、だからこそ電話GPTが生まれることにも繋がったのですが、タイトルやサムネイルにも要素を入れ込むことで、メディアフックにつなげました。

日経新聞や、Forbes、DIAMOND SIGNAL、BRIDGEなど、ありがたいことにたくさんのご取材をいただきましたが、全てのメディアで狙い通り、資金調達+ChatGPT関連の新機能について、タイトル及び内容で触れていただけました。

日経電子版&本紙:
電話の通話内容、ChatGPTで要約作成 IVRy
Forbes Japan Web:
「電話でChatGPT」が話題のアイブリー10億円調達 自動応答サービスを提供
DIAMOND SIGNAL:
数千社が活用“電話DX”サービス、電話応答の自動化で急拡大──ChatGPT活用の通話音声要約機能も
BRIDGE:
電話DX SaaSのIVRy(アイブリー)、13.1億円をシリーズB調達——音声認識AI応答、ChatGPTによる通話内容まとめ機能を追加

どうしても「電話自動応答サービス」というと、地味な印象を持たれてしまいますが、IVRyは見せかけだけのTech企業ではなく、「最新のテクノロジーを使いやすい形で日本全国に届けていきたい」というテーマを持って機能開発に取り組んでいます。
そんな当社の想い・狙いをしっかり伝えられたことは非常に良かったと思っています。

資金調達に関する広報・PR面での情報発信の工夫や動きを語ってしまうと、それはそれでまたもっともっと長くなってしまうので、またの機会に。。笑

話題化を受け、次に仕掛けるのはあの”ひろゆき”とのコラボ!?

こうして積極的に動いていると、面白いご縁がまた巡ってくるもので、AIアバター「AIひろゆき」を提供するコエフォント社とのコラボプロジェクトが決まりました。それがこちらです。笑

これもなかなかの出来なので、是非お試しいただきたいです!
※本サービスは予告なく終了する場合がございます。
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「ひろゆき電話GPT」電話番号
050-3196-1194

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ちなみに本番号と機能開発自体はリリースまでかなり余裕を持って、進めることができました!
コエフォントさんにもアドバイスをいただきつつ、無理を言って待っていただきつつ、どうせならゴールデンウィーク前にリリースして、家で暇してる人に遊んでもらおう!と議論のもと、リリース日は4/25(火)に。

前回の電話GPTの成功体験を受けて、しっかり使い方がわかるようなデモ動画を事前に作っておこう!と入念に準備をして動画なども自前で作成。
2本動画を作ったんですが、普段QAをやっているメンバーが謎の撮影・編集スキルを持っており、本業忙しい中かなり酷使させていただきました。笑

①新入社員編
4月に新しく働き始めた方にとって、初の長期休みとなるGWは時間もしっかりとれて、お悩みも多くなるシーズン。ということで、若手の営業メンバーに協力してもらい、思い悩む様子を描いたんですが、演技という新しい才能を発揮してくれました。笑

②新しい趣味編
まもなくGWスタート!でも特に予定もない...。そうだ、せっかくの機会だし新しい趣味を始めてみたい!というテーマのもと、代表奥西の旧知の繋がりからYouTuberとしても活動されている、ITすきま教室の渡辺さきさんにご協力いただきました。本当にありがとうございました!

正直、本施策に関しては、ちょっと狙い過ぎたこととタイミングを逸してしまった感もあり、そこまで大きくバズりはしませんでしたが、これもいろいろ学びのある良いトライだったのかなと思っています。コエフォントにはいろいろ待っていただき恐縮でしたが、改めて感謝です!

ちなみに、ひろゆきさんご本人にもTwitterで言及いただいたのは嬉しかったです。笑

まとめ|情報発信はタイミングが大事。その裏にいかにメッセージを入れ込めるか

上記、洗いざらいお伝えしましたが、いかがでしょうか?
エンジニアの町田に聞いても「ただ、おもちゃを作っただけの感覚なのに。笑」なんて、反応が返ってきますし、僕たちとしても、今回の電話GPTがIVRyの技術の集大成です!!なんてアピールしたい気持ちは毛頭ないです。

むしろ、デモの番号とプレスリリースだけで、ここまで皆さんにIVRyのことを見ていただけて、感謝しかありません。
LPすら用意していないですし、OpenAI社の規約変更に関しても、しっかりサービスとして提供しているものではないので、ダメージはありません。

今回の取り組みを通しての最大の学びは、「情報発信はタイミングと届け方が重要」ということです。今回IVRyとしては「LLMのイメージ付け」と「IVRyという名前の単純な認知拡大」という2つを目的としていたので、うまく狙いは達成したと言っても過言ではありません。

何よりも世の中の流れ、ChatGPTに関する注目の波と、電話GPTの発信タイミングがうまく合わせられたことが話題化に繋がったと考えています。

実際、ひろゆき電話GPTも内容としては、非常に面白いのですが、電話GPTほどのインパクトはありませんでした。理由としては、やはりChatGPTというワード自体への真新しさが薄れたという側面が強いのかなと思います。

もちろん、これからもChatGPTやLLMは世の中を変えていくと思いますが、いかに序盤のタイミングで、かつ少し注目され始めているタイミングで、こういった情報発信の施策を打ち込めるかが重要なのかなと思っています。

長くなってしまいましたが、少しでも面白いと思ってもらえたら幸いです!
そして願わくば、IVRyという会社やサービスにも興味を持ってもらえたら嬉しいです。笑

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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