SVOC | ObjectとComplementのちがいからアプローチ
高校英語の基本5文型のうちで、第五文型に焦点を当てて説明していきます。この第五文型は、実用英語でもよく使われるので、文の構造を正確に基本を固めることが大切になります。
Sが主語、Vが動詞、Oが目的語、Cが補語です。
SVOC : 第五文型の基礎
基本的な意味は、「SはOをCの状態にVする」となります。OとCのちがいについて、以下で説明します。
補語Cの位置には、基本的に形容詞か名詞が置かれます。
※実用的な英語では、修飾語Mが置かれることもあります。
補語Cが形容詞のときは、すぐに第五文型と分かるのですが、補語Cが名詞のときには注意が必要です。
「S V O 名詞」という形になったとき、第四文型も「S V O O」なので、「S V O 名詞」という同じ形に見えます。
ここで、第四文型と第五文型の区別の方法があります。
第五文型のときは、「OがCの状態である」という意味が内蔵されています。Cの位置に名詞が置かれたときには、厳密にOとCが同一になります。
一方、第四文型のO(人)O(モノ)ですから、人とモノは同一ではありません。
このことを、シンプルな具体例で確かめてみます。
まず、第五文型でCの位置に名詞が置かれたときです。
I(S) found(V) him(O) a teacher(C).
「私は彼が先生だと分かった。」
findという他動詞は、第五文型で使われたときの意味は「OがCだと分かる」です。
Cの位置に置かれた名詞はteacher(先生)という人を表す名詞です。(もしくは人の職業を表す名詞です。)
him は人で、このhimが先生と同一ということです。
つまり、「彼が先生」ということです。
これが先ほど書いた「OとCが同一」ということです。
それに対して第四文型のO(人)O(モノ)は、同一ではありません。
ここでいうモノは「人ではない物体など」を表しています。
このことも具体例を使ってみてみます。
She bought me(人) a book(モノ).
「彼女は私に本を買ってくれた。」
人である私と、本というモノは、同一ではありません。
同一でないから、これは、第四文型の型と分かります。
このことと、さらに第四文型で使われる動詞たちを覚えていくと、語彙力からも、分かります。
第四文型の動詞の基本的な意味は「人にモノを与える」ですから、O(人)とO(モノ)が異なるということが内容からも分かります。
以下では、大学受験の内容に踏み込んで説明をしています。第2文型や第5文型の補語Cの位置に副詞(句)が置かれることもあります。実用的な英語でも使われる内容になりまして、初めて見ると難しそうですが、知っておくと良い内容かと思います。
補語の位置に副詞(句)がくる例
その例は、中1の英語から登場しています。
ここで、be動詞を「存在する」という意味で捉え、第1文型だと考えるのが従来の英語ですが、英語圏で使われる英語で、補語の位置に副詞のようなものがくる言い方は、しばしば使われています。
毎回、これは副詞だから第1文型で、「存在する」という意味を表してと考えていると、リスニングで内容把握が追いつきません。そこで、文型が第1文型とか、第2文型と考えずに、補語は主語の状態や性質などを表すものと軽く捉えておくと、リスニングやスピーキングで、自然と英語が使えるかと思います。
第5文型だと、目的語の状態や性質などを表すものと考えます。
「in the park」を主語Heの状態とでも考え、「公園の範囲内に包まれている状態」と考えると、「彼は公園の中にいる状態」という内容になります。
結局、「He is in the park.」は第1文型か第2文型ということよりも、会話などで彼の居場所を伝えている言い方で、「彼は公園の中にいる」という情報が相手に伝わればそれで良いかと思われます。
第5文型の補語Cと副詞(句)
この手の柔軟な考え方で、この記事では、第5文型の補語の位置に副詞のようなものがくる内容を扱います。
この第5文型を理解するときに、
第2文型とセットで押さえておくと良いかと思います。
基本的な訳は「SがCである」という訳になります。
※動詞Vによって多少の訳のちがいはアリ
実は、第5文型はこの第2文型を内蔵している文になっています。
「S+V+O+C」の「O+C」の部分に第2文型が埋め込まれています。
「OがCである」という主語・述語の関係が第5文型には含まれていて、この主語・述語の関係が第2文型の文構造になっているということです。文法の言葉は難しい雰囲気がありますから、具体的な英単語を使って身近な例文で理解をしてもらえればと思います。
具体例
まず第2文型です。
この「あなた(S)が親切(C)である」という部分に着目しておいてください。そして、次の第5文型を見てみます。
この第5文型の訳の「あなた(O)が親切(C)である」という部分は、第2文型の「あなた(S)が親切(C)である」という部分と同じ「主語と述語」の訳になっています。
このように、第5文型の「O+C」の部分には、「OがCである」という第2文型が内蔵されています。
ここまでの話で、第2文型と第5文型の関係を説明しました。もし、大学受験を考えて、さらに副詞のようなものを補語として捉えることを深く説明していきます。勉強をするときに、1つの流れで合わせて理解できることがあれば、その流れで一気に理解すると効率がいいです。高校1年の頃の、高校英語を習いはじめるときに、補語Cには副詞や前置詞の固まりといった修飾語句(M)を置けないということを習うことがあります。
しかし、英語の会話などでは、この補語Cの部分に修飾語句(M)と習ったものが、形容詞のように使われることがあります。
第5文型の補語Cの位置にM
第5文型のC補語の位置に修飾語句(M)が置かれるが、
「OがMである」という第2文型の主語・述語の訳が出てくる例文を紹介します。
findは第5文型で使われると、「SはOがCだと分かる」という意味になります。この例文では、findの過去形でfoundになっています。
ここで、補語Cに位置に置かれている副詞句を次のように考えます。
修飾語句(M)が「公園にいるという状態」を表し、
「あなた(O)が『公園にいた』(M)」という主語・述語の意味を内蔵していると考えるわけです。
このように考えると、修飾語句Mが形容詞として働いていると考えられ、補語Cが目的語Oの状態や性質などを表していることになり、リスニングでも自然と内容が認識できます。
第2文型の具体例
中学の英語でも、このことが出てきております。
この修飾語句(M)を補語Cとするかどうかという厳密な英文法はさておき、英文の内容が自然と分かることを第一に考えます。
主語Youの状態が、公園という範囲内に入っているということです。
特別な動詞put(set)
あと1つ例文を紹介します。put(set)は第5文型の形をとることができますが、補語Cの位置に副詞のようなものが好んで置かれます。以前の英語の指導で、補語Cには副詞(句)が置くことができないということを裏切る内容なだけに、最近の英語のテストでは、たまに狙われることがあります。
〈例文〉
My mother(S) put(V) me(O) in my room(C) [for me to study math](M).
「私の母は(S)、[私が数学の勉強をするために](M)、私を(O)自分の部屋にいる状態に(C)した(V)。」
for me to study math「私が数学の勉強をするために」は不定詞の副詞的用法で、目的を表しています。
こういった、さらなる情報が副詞として付いてくると英文が長くなります。
ただし、文の基本的な骨格は第5文型で、
My mother(S) put(V) me(O) in my room(C)
となります。
S put O C.「SはOをCの状態にする。」
目的が数学の勉強をさせるということで、お母さんは私を部屋の中に入っている状態にしたということです。
つまり、数学の勉強をしなさいという意図が読み取れます。
このputをさらに強めた言い方をするときは、setを使います。
setにすると、「OをCの状態にする」のが、putよりも強めということになります。
このように、第2文型や第5文型の補語Cに副詞のようなものがきても、柔軟に捉えることが大切になります。
しかも、このputもしくはsetは、第5文型の形をとったときに、好んで補語Cの位置に副詞のようなものが置かれる傾向にあります。
日本人の感覚ではどうしてそうなのかは分かりづらいところですが、英語では習慣的に、ネイティブも知らないうちに、気がつけば使っているという言い回しがちょくちょくあります。
このため、従来の英語指導では、高1のときに、補語Cは形容詞か名詞しか置けないと習うものですから、
My mother(S) put(V) me(O) in my room(C)
のようにputやsetがこのように使われたときに、内容が理解できなくなる受験生の方が出てきました。
このputとsetは、「補語Cの位置に副詞のようなものが好んで置かれ、形容詞・名詞が置かれることはまれ」と思っておくと良いかと思います。
大学受験で狙われるポイントの1つなので、「OをCの状態にする」という部分を意識してもらえれば良いかと思います。
また、この仕組みを知っていると、リスニングで話されたときに、スムーズに聞き取れるかと思います。
少し特殊なputとsetについて説明しました。
最後に、補語Cについての一般的な働きを述べて終了します。
第2文型SVCでは、補語Cは主語Sの状態や性質を表す追加情報として働きます。ですので、リスニングをしているときに、後から、より詳しい追加情報が与えられるという感じです。
He is tall.「彼は背が高い。」ですと、主語Heは「背が高い人だ」という情報を補語Cのtallが付け加えています。
第5文型SVOCの場合は、補語Cが情報を付け加えるのがOになります。
「目的語Oの状態や性質がCだ」という情報が付け加えられています。
ですので、補語Cが副詞か形容詞かというようなことよりも、第2文型だと補語Cが主語Sの状態や性質などについてのより詳しい情報を与えているということを認識することが大切になります。第5文型だと補語Cが目的語Oの状態や性質などについてのより詳しい情報を与えています。
これで、この記事の内容は終了です。
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