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一周回って見えてきたDXシリーズ(1)そもそもDXって何だ?

こんにちは!
ITサービスマネジメント領域を専門にコンサルティングを行っている株式会社IT VALUE EXPERTS(IVE)です。
(当社についての詳細はこちらの記事をご覧ください。)

今回から、「一周回って見えてきたDXシリーズ」として、デジタルトランスフォーメーションをトピックとして取り上げ、(1)デジタルトランスフォーメーションの定義(2)デジタルトランスフォーメーションの現状、(3)デジタルトランスフォーメーション推進のポイントの3回に分けて解説していきます。
今回は1回目として、デジタルトランスフォーメーションの定義について見ていきたいと思います。

私たちを取り巻く環境

デジタルトランスフォーメーションの推進が叫ばれて久しい昨今ですが、その背景には私たちを取り巻く環境の変化があります。

(1)VUCAな世界
現在は「VUCA」と言われる、先を見通せない不確実な時代です。
直近では新型コロナウィルスの世界的な感染拡大により、将来を見通すことがより困難になっています。

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(2)成長のドライバーとしてのテクノロジー
「明確なDX戦略を持たない企業は8割以上が2024年までにシェアと成長機会を奪われる(ガートナー社)」と言われるように、「DXはもはやオプションではない」時代がすでに来ています。
DXの波に乗ってエクスポネンシャルな成長を遂げるテクノロジー企業が出てくる一方で、それらテクノロジー企業による異業種への進出により突然死を迎える企業も増えています。
まさにテクノロジーの活用が企業の生死を分ける時代なのです。

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そもそもDXとは?

(1)DXの定義
「デジタルトランスフォーメーション」には、様々な定義があります。
最近「DXプロジェクト」なるものを現場で見かけますが、中身を見ると「それってDX?」というような内容のものも多いです。
例えば、
・基幹システムの再構築
・RPAの導入
・SaaSアプリケーションの利用
・クラウド移行
・ペーパーレス化
・脱ハンコ などなど。

上記はいずれもテクノロジーを活用したプロジェクトではありますが、これらをDXと呼んで良いのか、議論が分かれるところだと思います。

当社では、デジタルトランスフォーメーションを次のように定義しています。
「顧客起点の価値創出を、デジタル技術を活用した新たなビジネスモデル・事業運営モデルの確立によって実現することにより、企業としての競争優位を確立すること」

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ここで最も重要なのは、「競争優位の確立」です。競争優位の要素には「製品の革新性」、「運営の卓越性」、「顧客との緊密性」が含まれますが、これらの要素を実現することができるものであるかどうかが、そのプロジェクトがDXプロジェクトかどうかの判断のポイントとなります。

(2)DXの概念の整理
DXに近い概念として、デジタル化という用語が使われることがあります。「デジタル化」には、「デジタイゼーション」「デジタライゼーション」があります。
「デジタイゼーション」とはアナログ信号をデジタル信号にすることで、紙などのフィジカルなものがデジタルになるイメージです。例えば、紙の文書をスマホで読めるようになることです。
「デジタライゼーション」はデジタル化された情報を使うことにより、人を介したプロセスを変革することを指しています。例えば、空港でのチェックイン手続きや社内決裁の手続きがヒトを介さずできるようになることです。

デジタル化

(画像内のデジタルトランスフォーメーションの定義は経済産業省『DXレポート2』の定義であり、当社のものと異なります。)

デジタルトランスフォーメーションは、このデジタイゼーションとデジタライゼーションが一定程度進んでいることが前提となっており、一足飛びにデジタルトランスフォーメーションを実現するのは容易ではありません。これを理解しておくことで、DXの推進を誤った方向に導くことを防ぐことができます。

まとめ

今回の記事では「一周回って見えてきたDXシリーズ」の一回目として、DXを取り巻く背景、当社の考えるDXの定義について解説しました。
何をDXと定義するかには様々な議論があり、現時点で定着したものはありません。今回ご紹介した当社の定義も一つの定義にすぎませんが、大切なことは、「自社としてのDXとは何か」を定義することだと考えます。それによって目指すべき方向が明確になり、DXの推進のスタートラインに立つことができるようになります。
自社としてのDXを定義する際に、本記事が参考になれば幸いです。

次回の記事では、「デジタルトランスフォーメーションの現状」について解説したいと思います。お楽しみに!

おわりに

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