FRBの全てをここに置いてきた。(前編)

FRBとはFederal Reserve Boardの略で、
日本語では連邦準備制度理事会と訳すことができます。


FRBはアメリカの中央銀行です。
日本銀行、イングランド銀行、欧州中央銀行と
各国の中央銀行の名称はとても明快です。
なぜアメリカは米国中央銀行や米国銀行と呼ばず、FRBと名付けたのでしょうか?

FRBの成り立ち、背景を見ていきましょう。

まずFRBは今から100年以上前に出来た、
先進国の中央銀行としては歴史の浅い組織です。

実は米国には1791年に合衆国銀行
(The Bank of the United States)が設立されました。
これはのちに第一次合衆国銀行
(The First Bank of the United States)という名称で呼ばれるアメリカでの最初の中央銀行でした。

この中央銀行の設立を提唱したのは、
他でもないアレクサンダーハミルトン(アメリカ合衆国憲法の起草者)です。
これにトーマスジェファーソン(第3代アメリカ大統領)は大反対しますが、
初代大統領であるジョージワシントンは
アレクサンダーハミルトンの提唱を受けいれ、
議会の承認を経て合衆国銀行の設立を法律で定め、
フィラデルフィアに設置をしました。
しかし1811年に会社の法律を制定している定款の更新時期が来たとき、議会の承認が得られずアメリカの中央銀行は消滅してしまいます。


第一次合衆国銀行が消滅すると、
アメリカは1812-1815年の米英戦争により猛烈なインフレに見舞われます。
それまでアメリカに中央銀行を設置することに反対していたジェームズマディソン(第4代アメリカ大統領)
と議会は考えを変えて、第二次合衆国銀行
(The Second Bank of the United States)を設立します。
これが第一次合衆国銀行の頓挫からわずか5年後の1816年のことです。
しかしこの第二次合衆国銀行も前回と同じように反対派から攻撃により、民間銀行の公認期間である20年後の1836年にまたも定款の延長に失敗し消滅します。


アメリカ人が中央銀行を嫌う理由は、、

ここから先は

1,712字

¥ 300

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?