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東京
カラッとしたシャツが似合うような
いい男になりたかった。
目にかかるセンター分けの少しうねる髪
東京のネオンに馴染んだ背中。
ニヤッと笑って朝にはまた仕事を初め、
ベランダに置いたサンダルに
退屈を躍らせたかった。
雨の日の東京は少し残酷だし、
容赦なく電車は次から次へと人を運ぶ。
本当に欲しかったものはなんだっけか。
一番の幸せは、ベットの上で寝っ転がって
何も考えないあの瞬間だと知ったら
子どもの頃の僕は笑うだろうか。
大嫌いなあの人と、僕を区別するものが
なんなのかわからなくて
怖くなる時がある。
大好きなあの人と、僕が違いすぎて
心が痛くて
泣いてしまうことがある。
おかしい。
半年前から運が悪い。
誰にも言えないようなことをした。
それを知る誰かがこの世界にいる。
僕は東京が嫌いだ。
東京で良かったことなんて一度もない。
東京が嫌いだ。
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