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8時間目 夜黒龍の襲来!

このお話は100%フィクションです。
(1時間目から読んでみたい方はこちら


ここに、国から認められていない集落があった。

小さな島に築かれた、その村の名前は「うさん村


この村にタツオ学院という寺子屋を作った者がいた。

ここでは嘘つき学という学問を教えている。
この世の中が嘘で回っている事実を認め、正しく嘘と向き合うことにより、悪意のある嘘に騙し騙される事がないようにという教えである。

※前回までのあらすじ、フィールドワークの一環で うさん商業地域を訪れたタツオとタツオ学院生徒達は、バナナ社の社長、かつのカケヨと出会った。(前回、7時間目のあらすじはこちら


〜主な登場人物〜
※読んだ人、急いでる人は飛ばしてね

・かつのカケヨ(タツオ、スワルの幼なじみ)

バナナ社の創業者。バナナ社をうさん商業地域で随一の大企業に育て上げた凄腕の女起業家。メガヒット商品にユーフォン(スマホ)やモッスブック(PC)など多数あり。うさん村の経済全体を動かしていると言っても過言ではない。そのカリスマ経営ぶりに、一部の社員が過激な社畜になりカケヨを取り巻いている。天才メザメノ・アカシを溺愛し、彼の力で会社は急成長したが、アカシは幼なじみであるスワルの元に行ってしまった…。
旦那は異国人で甘やかしすぎたせいか、ワガママなヒモ男になった。

・社畜1、2、3号

バナナ社の社員で、カリスマ社長カケヨの熱狂的な取り巻き。過激な社畜となり、忠誠心を示す為に自ら鉄球を体に付けたドMな企業戦士たち。

・すぐにスワル(タツオとカケヨの幼なじみ)

琵琶の名手と謳われ、遠くからその音色を聴きにくる人もいるほどだ。とにかく太々しい、だたの老荘思想かぶれ。自然に回帰せよが口癖。
彼の奏でる「コイケ物語」は、ラーメンに心を奪われた一族の栄華と破滅を描いた不朽の名作。「コイケに非ずんば人に非ず」という名言を残した。最後、日清殿がスープに身投げするシーンは多くの人の心を掴んで離さない。

・「メザメノ・アカシ」

科学者で天才。人工知能(で〜ぶランニング)の開発を進めながら、なぜか新種の人体細胞(スカッペ細胞)を発見するなど、うさん村で初の「ノッペル賞」受賞者になるのでは、と期待されていたがスワルに感化され隠者に。 バナナ社や商業地域が急速に発展したのも天才アカシの功績である。
隠者になる前に残した手記、ハッカーノートは「天才を通り越し宇宙人」とまでいわれた彼の方程式がギッシリ詰まっていた。



それでは、本編をどうぞ


バナナ社1階 喫茶店ニシキノバックス

いつもタツオ:「久しぶりじゃなカケヨ」

かつのカケヨ:「そういえば、タツオちゃんはスワルと最近あった?」

いつもタツオ:「実は隠者の森で会ったのじゃが…。やはりアカシを連れておったわい」

かつのカケヨ:「そう…。よりによって世捨て人のスワル何ぞの元に行くとは、あの子が心配だわ!」

いつもタツオ:「うさん警察署長の上杉殿に追われておった。アカシから人工知能(で〜ぶランニング)の話を少し聞いたが、お主は存じておるのかな?」


※ここからは回想シーン

メザメノ・アカシ:「では手短にお話ししましょう」

「上の①〜③の絵を見て下さい」

①は私が作り上げた人工知能「で〜ぶランニング」です。この装置は、うさん商業地域で最も巨大なビル「バナナ社」の地下深くで稼働しております。

②はこの「で〜ぶランニング」の内部です。ミクロレベルの小さな相撲取り型の因子がランニングマシーンの上を走ることによって自家発電を可能にしました。この小さな力士たちは、分裂や合体を繰り返し数を増やす事も減らす事も自由自在です。記憶を司る機能もあるために、どんどん知識が蓄積されていきます。

③うさん島の全体マップですが、紫のエリア内は既に「で〜ぶランニング」の監視下に置かれております。つまり電気が通っているところは、小さな力士たちが行ったり来たりでき、情報を「で〜ぶランニング」本体に伝達しているのです。

メザメノ・アカシ:「この事実を知る者は、開発者の私とバナナ社の社長だけです。しかし、数ヶ月前にあってはならない事が起こったのです!そう、あり得ないバグが発生したのです」

「全て均一の筈の相撲取り型 因子の中に、一人横綱因子が発生したのです」

「この 夜黒龍 と呼ばれる一人横綱因子はランニングしないどころか、他の力士たちを締め上げては服従させ一団を築いたのです!そう、私の方程式には無い展開」


※っと回想シーンはここまで



かつのカケヨ:「その事なら、アカシが失踪する前に話してくれたわ。でもなぜか、うさん村の村長がこの話を知っていて役場に呼ばれたのよ。政治的な圧力を受けて、それからは定期的に で〜ぶランニングのデータを村長に送っているの」

いつもタツオ:「なに村長が?謎は深まるばかりじゃな…。これは村の極秘事案じゃ。いずれにしてもお主、周囲を警戒するようにな」


声:「ヘイ!マイワイフ!!」


かつのカケヨ:「あらやだ!もうこんな時間」


男:「ヘイ!マイワイフ!腹へったヨ」

かつのカケヨ:「ボロちゃま、お〜よしよし♡あっ紹介するわね、彼は私の旦那でマルコス・ボーロよ」

マルコス・ボーロ:「メシつくれヨ!今大好きなゲーム、大乱行ふんどしブラザーズの途中なんだヨ!プロゲーマーになれなかったらカケヨのせいだヨォ」

イチモツ・コタロー「うん。とりあえず殴っていいか?」

ナメック・ジロー:「待て、気持ちは分かるが人の家庭に首を突っ込んではダメだ」



エレベーター:「チーン!ウィーン」



タタタタタッ

社畜1号:「カケヨ様!!た、大変だ!我が社のサーバーがダウンして社長のモッスブック(pc)からガラの悪い男が飛び出して来た!」



「!!」

かつのカケヨ:「どういうこと?今いくわ!」

バナナ社 最上階

チーン!

ウィーン


社畜2号:「ぎゃああああー!


ボカッ スカッ ドシン!


社畜2号:「や、やめてー!命だけは御勘弁下さい!!」


いつもタツオ:「2号!どうしたんじゃ!?」


社畜2号:「あっアイツが3号に触れたら…」



社畜3号:「テヘヘ♡ペロンッペーロン、ハラヒレホレ…」

社畜2号:「3号の奴が急に頭がおかしくなって、自分の脇の下を舐めながら俺を襲って来たんだ!」

かつのカケヨ:「その男は何処にいるんだい!」


社畜2号:「て、天井に張り付いてる!ヒャー!」



夜黒龍:「クックック…」

社畜3号:「テヘヘ♡ペロンッペーロン、ハラヒレホレ…」

いつもタツオ:「気おつけるんじゃ!3号に舐められると感染するぞ!」

ウマミ・スー:「キャー!来ないで」

ナメック・ジロー:「ここは一旦、引くしかないですよ」

ユカノ・モプコ:「うえぇ。嬉しそうに自分の脇の下 舐めてらぁ」



社畜2号:「ぐおう…!! テヘヘ♡ペロンッペーロン、ハラヒレホレ…」


シメノ・ダイフク:「あっ!2号が!や、やめてー!! テヘヘ♡ペロンッペーロン、ハラヒレホレ…」

社畜1号:「くっくるな!ポッチャリ!」

レロレロレロッ

社畜1、2、3号、ダイフク

「テヘヘ♡ペロンッペーロン、ハラヒレホレ…」





いつもタツオ:「ねーねー…。コヤツら見捨てて この階ごと封鎖しない?エレベーター使って下までは降りて来られないっしょ。ダイフクには悪いけど、隔離して村の触れてはいけない秘密ということに」

イチモツ・コタロー:「おい!やはりアンタはクソの極みだな」

ウマミ・スー:「こういう時に人間の本性って出るわよね。教え子を見捨てるなんて、サイッテー!」


社畜1、2、3号、ダイフク:「テヘヘ♡ペロンッペーロン、ハラヒレホレ…」


チーン!

ウィーン

マルコス・ボーロ:

「腹へったヨオオオオオ!!」

かつのカケヨ:「ボロちゃま!!来ちゃダメ!」

マルコス・ボーロ:「早く大乱行ふんどしブラザーズの続きやりたいヨ!メシつくれヨ。僕チンはカケヨの作ったご飯以外は喉を通らないんだ。ん、なんだコイツら?ペロペロ舐めてくるけど邪魔だヨ、ふんどしパーンチ♪」


ポカスカッペチン!

社畜1、2、3号、ダイフク:「テヘヘ♡えっ!あり?」

シメノ・ダイフク:「ハッ、僕はいったい...。何をしていたんだ」

夜黒龍:「な、なぜだ!俺の知性侵食型のウィルスが効かないとは!コイツ、知性のカケラも無いのか!な、なんだその甘いものにしゃぶりつこうとする少年のような目は、くっ来るな!」

マルコス・ボーロ「WoW!! 丸々としたお肉のかたまり!ヨダレ出てきちゃったヨ。いっただっきま〜す♡ガブッ」


夜黒龍:「い、痛ってぇぇ!やめろー」


マルコス・ボーロ:「いきがイイネ!少し弱らせるか、ふんどしパーンチ♪」

ポカスカッペチン!


夜黒龍:「お、覚えてろ!!!」





ナメック・ジロー:「ひとまず、収まって良かった。先生、我々は学院に戻りましょう」

いつもタツオ:「おお、そうじゃな。ダイフクよ心配したぞ♪可愛いい教え子にすっかり元どおりじゃ」

イチモツ・コタロー:「俺たち、アイツとの関わり方をもう一度見つめ直そう…」


-つづく-


〜新登場人物〜

「マルコス・ボーロ」

カケヨの旦那で、いわゆるヒモ男。
ワガママな異国人で食っちゃ寝ばかりの堕落した生活を送っている。「大乱行ふんどしブラザーズ」でプロゲーマーを目指している一方で、暇すぎて書いた旅行記「当方?ちんぷん録」を執筆し、歴史に名を残すことになる。

「夜黒龍」(よるこくりゅう)

人工知能「で〜ぶランニング」内に突如として現れた一人横綱因子。開発者メザメノ・アカシの命を狙っている。とにかく喧嘩っ早い暴れん坊。


・最後まで読んでくれてありがとう!このつづき9時間目はこちら

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