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7時間目 ようこそバナナ社へ

※このお話は100%フィクションです。
(1時間目から読んでみたい方はこちら



ここに、国から認められていない集落があった。

小さな島に築かれた、その村の名前は「うさん村


この村にタツオ学院という寺子屋を作った者がいた。

ここでは嘘つき学という学問を教えている。
この世の中が嘘で回っている事実を認め、正しく嘘と向き合うことにより、悪意のある嘘に騙し騙される事がないようにという教えである。


前回、嘘つき養成講座の一環で「ヒノキダ治療院」に向かったがタツオとタツオ学院の生徒達だったが、タツオがセラピストのホウ・マンの虜になってしまい「嘘つき養成講座」は強制的に終了となってしまった…。(前回のあらすじ、うさんビーチ編はこちら)


それでは本編をどうぞ

いつもタツオ:「う〜む、このところのフィールドワークは失敗続きじゃの。皆の衆、そろそろ1時間目に教えた当養成講座の基礎を忘れた頃じゃろ?」


イチモツ・コタロー:「もう毎度ツッコミを入れることすら馬鹿馬鹿しい。まだこのクソうさん臭い講座を続けんのかよ」

ユカノ・モプコ:「さすがにコタローの言う通りだべぇ。今んとこ何にも学んでねぇ気がすっぞ」

ウマミ・スー:「もういい!皆んなでボイコットしましょうよ。アイツが泣いて謝るまで講座には参加しないってどう?」

ナメック・ジロー:「まあ待て待て、僕らがボイコットすればタツオ先生は書くことが無くなってnote自体をやめるだろう。そうすれば僕らはもう二度と、この世に存在しなくなる。もう一度だけチャンスをあげようよ」

いつもタツオ:「おいおい、何をゴチャゴチャ話をしておるんだ?ちゃんと授業を聞かぬか!おい、ポッチャリ王子聞いてるか?」

シメノ・ダイフク:「グゥーグゥー💤」

いつもタツオ:「だから目を開けたまま寝るな!廊下に立っとれー!」

いつもタツオ:「ほれ、1時間目に教えたタツオ流の嘘つき体系図だ。覚えておるか?前回の講師を勤めて頂いたヒノキダ先生も、嘘も方便と認めておった。病は気からと言ってな、まずは患者が病と闘う為に方便の力を利用するそうじゃ」

いつもタツオ:「よーし、やはり当講座はフィールドワークが重要じゃ。山も海もダメなら街へ出ようではないか。うさん商業地域に出発じゃ!ささっ皆の衆、早速したくが出来たら出発するぞい」



ザッザッザッザ



いつもタツオ:(出発しても、いつもと違ってお腹が痛くならないな!ヒノキダ先生に貰った漢方のおかげじゃな)


うさん商業地域 中心部


いつもタツオ:「ここいら一帯はビジネス街で人も多い。皆の衆、迷子にならんように付いて来るんだぞ」

ユカノ・モプコ:「うわぁ。バカでけぇビルばっかだなあ。見上げてっとクビが痛てぇ」

ウマミ・スー:「ここがバナナ社ね。うさん村が比較的に裕福なのは、このバナナ社の経済効果が大きいんですって。ウチのお父さんが言ってたわ」

シメノ・ダイフク:「バナナ社の創業者は女社長で、超やり手の商売人らしいよ。うさん村は国に認められていないけど、バナナ社だけは特別な待遇を受けているらしいね。確かスゴイ技術を持ってるんだって」

ナメック・ジロー:「バナナ社の専売特許、ユーフォンというスマホとモッスブックというパソコンがメガヒットしたらしい」

いつもタツオ:(ここにきて吾輩のお腹が…。さては人ごみのストレスで胃にきたか?ウンチしたーい!!ウンチが漏れそうだなんて皆の衆には言えんしな...)

「皆の衆!吾輩は出版社の取材依頼があることを忘れておった!すぐそこのビルじゃ。諸君はバナナ社の下の喫茶店ニシキノバックスでお茶でもしてなさい」

イチモツ・コタロー:「おい、アイツの取材をする出版社って何処なんだ?俺は先生に1ミリの価値も見出せていないが…」




ドンッ!


シメノ・ダイフク:「うわぁ!何だこれ。アイスクリーム?着物がベチャベチャだ!」

社畜3号:「あっ!済まない…。カケヨ社長に頼まれた69アイスクリームのチョコバナナ味をポッチャリ君につけちゃった」

ウマミ・スー:「あらま、チョコレート系のアイスだから簡単に落ちないわよ、これ。それにあなたの足の鉄球は何?」

社畜3号:「ごめんね、僕はこのバナナ社で働いてるんだ。この鉄球はね、会社に忠誠を誓った社員らが自らの忠誠を社に示す為に付けてるんだよ。皆んな社長の事が好きすぎて自らの意思で取り付けたんだ。そうだ、ウチの会社で新しい着物に変えよう。ついてきて」

ナメック・ジロー:「かなりイかれてる男ではあるが、ここはついて行ってみるか」



バナナ社の受付嬢:「あらっ3号さん。お客様をお連れとは珍しいわね」

社畜3号:「ちょっと御迷惑をかけちゃってね。さっどうぞエレベーターに乗って」




チーン!

ウィーン



社畜1号:「遅かったな3号!カケヨ社長のアイスは買ったか。ん?何だそこの薄汚ねぇガキどもは?」

社畜3号:「いあ〜、僕がアイスをつけちゃってね。着物を変えてあげなくちゃ」

社畜1号:「たくっ、ウッカリ3号だぜ。2号!この一番ポッチャリしたガキの着物を取り替えてやってくれ」


社畜2号:「お、お、俺か?よし。ちょうど同じような着物があったな。こ、こっちにおいで」

シメノ・ダイフク:「ひ〜。あんなのに手招きされて、僕はどうされちゃうんだろう」

社畜3号:「安心しなよ。2号はああ見えて心優しい奴だからさ」




社畜1号:「さあ、着替えたことだしサッサと帰んな。この最先端のテクノロジーが詰まったバナナ社に青臭いガキどもはごめんだぜ」


チーン!

ウィーン




女:「あれっ何だい?この子らは」


社畜1、2、3号:「おはようございまーす!!」ピシッ


社畜3号:「カケヨ社長!実はカクカクシカジカで…」


かつのカケヨ:「なんてことを!おバカだねぇ3号は!皆さま、ごめんあそばせ。どうしましょう。お詫びに私がバナナ社をご案内して差し上げますわ」


イチモツ・コタロー:「この人がバナナ社の女社長、かつのカケヨさんか。思ったより普通の人だな」

ウマミ・スー:「むしろ、品があって好感が持てるくらいだわ」



かつのカケヨ:「ここじゃ、コヤツらがうるさいから、一旦外にでましょうか」

社畜1号:「ああ!何と勿体ない。あんな薄汚いガキどもにカケヨ様が自ら案内だなんて!キーッ!!」

かつのカケヨ:「とりあえず1階のニシキノバックスで何か飲まない?ご馳走するわ」


皆の衆:「ありがとうございます!」



いつもタツオ:「ふぅ。快調快調!皆の衆はニシキノバックスに居るはずだな。おっ、おったおった。やあ皆の衆!待たせたな。お代はそれぞれ自分の小遣いから出しなさい」


かつのカケヨ:「あらっタツオちゃん。久しぶりじゃない!珍しいわね、バナナ社の付近まで来るなんて」

いつもタツオ:「なんじゃ、カケヨか。吾輩の生徒に何のようじゃ」

シメノ・ダイフク:「タツオ先生と違って、ごちそうして貰ってるんだ。カツヨさんと先生は知り合いなの?」

いつもタツオ:「知り合いも何も、幼なじみじゃ。この間の すぐにスワル と吾輩との3人じゃがな」

-つづく-

〜新 登場人物〜

「かつのカケヨ」(タツオ、スワルの幼なじみ)

バナナ社の創業者。バナナ社をうさん商業地域で随一の大企業に育て上げた凄腕の女起業家。メガヒット商品にユーフォン(スマホ)やモッスブック(PC)など多数あり。うさん村の経済全体を動かしていると言っても過言ではない。そのカリスマ経営ぶりに、一部の社員が過激な社畜になりカケヨを取り巻いている。天才メザメノ・アカシを溺愛し、彼の力で会社は急成長したが、アカシは幼なじみであるスワルの元に行ってしまった…。
旦那は異国人で甘やかしすぎたせいか、ワガママなヒモ男になった。


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