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引き潮の哀


昨夜は創業スクールの日で
本来、それを記事にしようと
考えていましたが
少しだけ私事に
お付き合いください

以前「怪」シリーズで書いた

この話は、多少のアレンジをしていても
実話であり、私の母の体験談

玄関横の部屋で
本当に友人の
ご主人が会いに来て

それから、その部屋から
一番遠い別の部屋に
寝起きするよう
自室を変えて、長く経ちます

昨夜
創業スクールから帰宅し
家事や入浴など
ドタバタと片付ける中
親戚の兄さんから
23時過ぎの着信・・・。
不安の自覚です


母は9人兄弟の末っ子
順番に兄弟を送り
すぐ上(3歳年上)の
姉さんと
今では二人きりと
なっていましたが
その姉も
3年前に脳梗塞で倒れ
寝たきりになり

コロナ禍も重なり
会うことが
できなくなっていました


倒れた直後は覚悟を決めてと
言われましたが
戦争経験者は
しぶとい頑張りを
見せるのです

何とか耐え抜き
話すことは
出来なくなっていても
母のことはわかり
かけた言葉に
涙するほどの
回復を見せてくれました

他県在住といこともあり
「また来月来るからね」と
言い
その時は病院を
後にしましたが
直ぐに起きたコロナ禍

面会も
出来なくなってしまいました
それから三年

夜半近くに
連絡があるということは
その叔母に
何か起きた以外ないのです

案の定
もはや、呼吸は止まった

わずかに心臓の鼓動が
あるばかり・・・

そう言いながら
叔母の息子夫婦である
兄さんの奥さんからの連絡

移動しながらだから
兄さんは運転中なんだよね
そこまで話して

「山道だ・・か・・」

途切れた・・・。



既に就寝中の母を起こし
叔母の話をすると
うるんだ目で

「覚悟はできていたけど
 とうとう私一人になった」

寂しく呟いた

かける言葉が・・
見つからず
そのまま
沈黙してしまいました

しばらくして
再度連絡が来たが
やはり
コロナがネックとなるようで

遠いし
「気を使わないで」とも
言ってくれた

そう言われて
状況はわかっても
心情が割り切れない

眠れなくなった母は
気を紛らわすように
Netflixを見はじめた・・

不謹慎だが
ハードな一日を過ごした私は
スマホ片手に
寝落ちしていたのです

そのまま、朝まで
気が付くこともなく
爆睡でしたが

事件は・・わたしが
よだれ垂らして
(比喩ですよ!)

いびきかいてた
(これも比喩!)

その時に起こっていたのです


1:30
爆睡の私のことは
完全スルーで
次男が母のところに
慌ててやってきた(らしい)

現在、彼は
以前、母が
友人のご主人から受けた
お礼参りの部屋・・
玄関横の、あの部屋で
寝起きしています

そこで
夜中。RPGしている
まさにその時

誰もいないはずの廊下を
誰かが歩いており
母の寝室の方へ向かったと・・


それで、慌てて追いかけたが
こうこうと
明かりをつけた部屋で
Netflixのドラマ
絶賛視聴中の母は
「なぁに?」


息子は
「今誰か来たでしょ?」
「誰かが、こっちに歩いて行った」
と・・・






「ぎぃゃぁぁぁぁ」
(ノ;≡ω≡)ノ



今朝になり
そんな話を聞いた私は
「おばちゃんが来たんだね」
と、答えましたよ

3年寝たきりで会えなかった

兄弟の中で
母を可愛がってくれた
兄や姉は
末っ子の母に必ず
没後には
会いに来てくれていました

だから、きっと今度も
来てくれたんだよ・・・


その時は
聞いた知らせが
心の中を
上滑りしたような
実感のなさでしたが

こうして
一夜開けて
時間とともに
身に染みるというか
悲しみが押し寄せます

やはり
お別れに行くことにしました
かつてのように
故人の
元気な時の話をしながら

皆で時を過ごし
空に送ってあげたい

母の願いであり
私たちの想いでもある

怪シリーズの様には
書けませんでした
創作するには
あまりにも
「今」だったからね


引き潮に乗る
船が満員で出航するようです

2022.12.03は友引
明日は火〇場がいっぱいで
明後日、となりました
哀しい別れは
私たちだけではないようだ


本日も
最後までご覧くださり
ありがとうございます


#Bauntfulet
#sennninnkame
#亀井速水


毎日の重ねから私なりの 「思い」を綴っております 少しでも「あなたの」琴線に 触れるものがあれば幸いです 読んで下さり、ありがとうございます