雑文


 こんなに何もわからないのは、こんなに何もないのはさすがに嘘ではないかと思える。いや、何かを言おうと思ったらいくらでも言うことができるのだ。ただ言う気がしないのだ。ただただ腰が重いのだ。ベッドから起き上がり、椅子に座って机に向かってペンをとるのが重労働に思えるのだ。1億円もらってもそんなことする気になれない。ゴキブリに転生させるぞと言われてもそんなことする気になれない、ならない。

 ユーモアなんてくだらない。ユーモアなんて小便でもひっかけてやればいい。ユーモアなんて糞だ。糞は言いすぎか。ならトイレットペーパーだ。糞まみれなケツの穴をふき取るトイレットペーパーのようなものだユーモアなんて。本来汚れをふき取った後には綺麗さっぱり流されてしまうべき種類のものにすぎない。にも関わらずユーモアは現在こんなにもてはやされている。なんて阿呆くさい時代なのだろう。

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 文章がなかなか小説の領域にまで進化してくれない。僕はよく覚えている。図書館前の広場で1人寂しくあそんでいる時に仙人がやってきてこんなことを言ったのだ。「小説を書く方法?そんなの簡単だ。紙に適当に文章を書いて、それを壷に入れて封印して土に埋める。3年たったら取り出してごらん、さぞかし立派な小説が出来ていることだろう」仙人はにっこり笑ってそう言った。彼の目は血走っていた。僕は身の危険を感じたのですぐにその場から逃げ去った。

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 小説はどうすれば書けるのだろう?僕は永遠に小説など書けないのではないだろうか?自然とそういう方向へと考えはそらされる。こんな不吉な考えは追い払ってしまいたい。こんなに厚くたちこめる雲は跡形もなく消し去ってしまいたい。しかし僕はどうすることもできない。僕は矮小な、しかしそうであるがゆえに愛くるしい人間なのだから。

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 苦痛だ。苦痛だよ。何もわからないんだ。いや何かは知っている。僕は日本人だ。日本のことならそれなりに知っている。大阪のことについて知っている。東京や、仙台、北海道や大分のことを知っている。中国のことについてもそれなりに詳しい。ヨーロッパのことについても、漫画やアニメやゲームのことについてもそれなりに詳しい。しかしそれがなんだというのだろう?色々なことに詳しい。それが一体何になるというのか?僕はその答えを誰かに教えてもらいたいと思っている。強く強く思っている。

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 僕は何かを知りかけている。何かを知りかけているだけで、何かを知っているわけではない。「何か」!もういい加減にこのあいまいな言葉にはうんざりしてきた。「何か」なんてものは消え去ってしまえばいいのだ!具体的なもの!具体的なものが欲しい!雲とか、サンフランシスコとか、蛍光灯とか、黒雲母とか、印鑑とか。なんでもいい。なんでもいいんだ。とにかく具体的なものが欲しい。具体的なものが欲しいのだ。

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「何をするべきか?」

小説を書けばいい!もうそれしか道はない!

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