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【物語】cafe246の思い出 アリスの回想は思わぬ方へ アリスの抱負「番外編」

アリスはこのお正月にもう一つやっておきたいことがありました。

それは画像の整理です。

いつもやっとけや!と心の中の※1リトルアリスが叫びます。いるもいらないもなく、いっしょくたに外付けハードディスクに投げ込むという常套手段に頼ってきたアリスですが、今度こそはその常套手段を手放そうと画像の整理をはじめました。

2年ほど前の画像からいらないものを捨てていきます。

機械的に操作していたアリスの目に飛び込んできた1枚の画像が、一瞬にして2年前の暑い夏の日にアリスを連れて行きました。


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「わあー、素敵な空間ですね。」と感激するアリスに、連れ立って入った彼が「あれ?地元ですよね。初めてなんですか?」と汗ばんだ顔をむけて声をかけた。

「そうなんです!初めてなんです!!」「一度友人に誘われて来たんですがちょうど定休日で入れなかったんです。評判の良いお店だったので絶対来てみたかったんです!」

なるほど、と合点した彼は「良い空間を作ってますね」と店内を見回した。

そういえば、「お洒落さんなお店や洗練された空間とか得意なんだろうな」と彼が店内を眺めている様子を見て「ここのお店は彼の目にどう映ってるんだろう」「良い空間を作ってますね」の言葉はそのままの意味なんだろうか?考えすぎかな?そもそも彼はどんな仕事をしているの?映像とか写真とか、以前は番組を作っていたとも聞いていたけど。。。クリエイター???って具体的には????

はてなだらけのアリスでした。

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スタッフに案内されたテーブルに座りながら「暑いですね」と話しかけたアリスに「夏ですからね」と返事をした彼。「ん?夏だから暑い。」と前頭葉を字面だけが動き、「そうだ!夏だからね!」と心が感じたのか「そうですよね。夏ですからね。」と自然に答えたアリスに、彼は驚きの顔をむけた。

「あれ?なんかおかしなことを言っちゃったんだろうか。」と内心ひやひやしながらも、慌てないように注意しながらニッコリ微笑んでみる。

微笑んだのがよかったのだろうか。彼はまた合点したような安心した様子でメニューを見始めた。


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正直、アリスは何をオーダーしたか覚えていない。味すら覚えていないってどうなんだろう。確かに「美味しいですね」と彼の話に耳を傾けていた記憶はある。

「そうか!」アリスは突然思い出した。「奥様はこれとこれと。。」ってスタッフがオーダーを繰り返したんだった。とっさにアリスは「いえ、違います。」って否定した。「奥さんじゃないです。」って慌てるアリスに「あ、すみません。あんまりにも素敵なお二人で、てっきりご夫婦かと思ってしまって。。。。」スタッフさんは真っ赤になりながら必死に謝ってくださった。

アリスは全然嫌じゃないのに「奥様」って久しぶりに呼ばれたことにうろたえたのか、とっさにメチャメチャ否定したんだった。だって彼には奥様がいらっしゃるだろうし、ご迷惑だもの。。。


ふと我に返ったアリス。

そうだよね。あのあとたくさん話をしたはずだけど何を話したかは思い出せない。その後も何度かお会いしてたくさん話を聴いた。吸い込まれるようにたくさん聴いて、どんどん身体に入っていったという感覚だけが残っている。

「君は僕の話を飲み込んで、自分のものになってからアウトプットする。ふむふむ聴いてるだけの人が多いけど、しっかり身にしてるね。」とかなんとか。感心してもらったのも覚えている。なんだか特別感があってうれしかったな。

何度か彼のオフィスにお邪魔するうち、得意料理だというナポリタンをふるまってくださった。あまりの美味しさに舌鼓をうったアリスの口から「これ、レシピが知りたいです。」何度目かに御馳走になったあと思わずこぼれ出ていた。

レシピはしばらくたった後に教えてもらえた。チョー嬉しくてさっそく自宅で作ってみた。

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ナポリタンって、簡単に作れるけど美味しく作れた試しがなかった。教えてもらった通りに作った。「ここが肝心だよ」ってポイントもしっかり覚えた。いつもケータイのメモに大事なことはメモメモ。レシピも仕事とは別のページにしっかりとメモメモ。ポイントはここだよってところも大事にメモメモ。

「これだけメモれば大丈夫でしょ♫」とにっこりするアリスのメモをみて、彼も「にっこり」した。その「にっこり」とともにナポリタンの味は記憶にきざまれたのだ。


「あ、だからか。私が作るナポリタンがいつも美味しいのは。」


アリスは合点したのだった。


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翌日、アリスは久しぶりにメモメモを見直してみたくなりました。

もう何もみなくてもいつも美味しいナポリタンが作れるようになっていましたが、「そうだ、もしかして自分流になっているところがあるのかも。」


メモはかなり下に埋もれていてなかなか見つかりませんでした。「削除はしていない。なにしろまるまんまハードディスク行き戦法。ないとなると、、絶対探したいわ。」

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探すこと十数分。

見つかったメモメモがこちらです

味の素のレシピ https://park.ajinomoto.co.jp/recipe/card/706281/ ➕
茹でたらサラダオイルかける。ジャンジャングルグルジャンジャン。冷蔵庫冷やす1時間以上。

え?たったこれだけ????

そうか、じゃんじゃんグルグルじゃんじゃんで大笑いしたんだっけ。そのあと冷蔵庫で冷やすのが肝心だって、すんごい得意げなお顔してましたね。あとはケチャップはたっぷりと、って。

そういえば最近noteでお知り合いになったコジさんもケチャップ多めが好きって。確かに少なかった日はあまり美味しくなかったかも。

ふふ

今日は久しぶりにたっぷりナポリタンにしよう♫♫♬♬ふふふ♪




この物語はちづこさんのこちらの記事を拝見してインスピレーションをいただきました。

ちづこさん、ありがとうございました!!!!



※1:といっても※は1つしかなかったのですが。kojuroさん の記事にちょくちょく登場するリトルkojuroさんを拝借しています。

こんな感じでちょこちょこ登場するのです。

コジさん、突然にお借りしました。すみませんm(_ _)m




「#おいしいはたのしい 」に参加します。



今日も最後まで読んでくださりありがとうございます! これからもていねいに描きますのでまた遊びに来てくださいね。