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連載小説 ロックンロール先生(21)


大学に入ったらロックバンドを組もうと思っていた僕は、新歓で見つけた軽音楽サークルにとりあえず入る事にした。しかしそこは流行のポップな曲のコピーバンドだらけだった。

ロックの話に乗って来る者もおらず、僕はいつも一人で部室の角で白のストラトを弾いていた。春休みの間死物狂いで稼いだバイト代を全て叩いて手に入れた、中古のフェンダーUSAジェフベックモデルだ。

ここは僕の居場所じゃないのかも知れない、と思い始めた頃、目付きの鋭い小柄な男が声を掛けて来た。

「いいギターやんけ」

こんな奴いたっけ、普段見かけない彼を僕は怪訝そうに見上げた。

「ここはチャラいコピバンばかりでつまらんわ。お前は少し見所ありそやな」

パンクが好きだと言う関西訛りの彼は、同学年だが歳が一つ上のグラハムと言う男だった。

「ギターがおらへんねん。俺達とバンド組まへんか?」

パンクは少し違うと思ったが、ポップだけはごめんだった。ハスキーボイスのボーカル、グラハムが連れて来たベースとドラムの四人で、僕は初めてバンドを組む事になった。


つづく

ロックンロール先生がコングラボードを頂きました!読んで頂きありがとうございます。

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