見出し画像

独立した元スタッフへの言葉と、経営のこと 2.

※ こちらの内容は、ウェブサイト(現在は閉鎖)にて2016年~2019年に掲載したものを再投稿しています。内容等、現在とは異なる部分があります。ご了承ください。

『騙されたと思って、まず2千万円貯めることを目標にして』

これは少し前、お店をしている元スタッフと、移転しこれからお店をはじめる元スタッフへたまたま同時期に伝えた言葉。

ぼくが店を始めてから僅か20年足らずの間にも原材料費、設備費は高騰の一途で、最低賃金や法定福利費も年々上昇すれば税制も厳しくなるばかり。
一方で労働人口は激減し、商業施設を含めお店を見渡してもぼくにはオーバーストア(店舗過剰)に映る。
これらすべてお店(会社)をする側にとってはマイナス要素でしかなく、今後を考えても加速して行くと思われる。

こういった自分たちではどうすることもできない外的要因に経営が圧迫される中、いまや世間では第4次産業革命が喧伝されているのに、ぼくらの仕事は第2次産業革命辺りの構造のままだと思っている(これは以前「商業施設に出店するということ」の中で少し触れた)。

とはいえ、ぼくらの扱うものがデータやプログラムといった無形のものでなく有形のもの、それも食材だと思うと構造そのものを変えるのもなかなか難しい。
ただ、昔のままの常識で「以前より大変になった気がする」「昔より難しくなった気がする」のも至極当然のことで、そこからも昔正しいとされたことが、今も必ずしも正しいとは限らないことや過去の成功例を踏襲したところで現在の成功につながらないことがわかる。

ぼくがいま読んでいる本の中に、進化論で知られるイギリスの自然科学者チャールズ・ダーウィンの名言とされる言葉が出てくる。

「最も強い者が生き残るのでなく、最も賢い者が残るのでもない。唯一生き残るのは変化する者である」

これも言った言っていない、正しい間違いだの諸説あるようだけれど、ぼくは進化論に興味があるわけでもなければ、言った言わないはどちらでもいい。
ただ、お店や事業をしていく上でこの言葉は的を得ていて良い言葉だなと思ったし、それが正しいというよりも大切なこと、本質に思えた。

経営にはルールはあっても、どんな時代でも成功するといった普遍的や絶対的な正解、経営術なんてものはおそらくない。
お店や会社を必ず成功させるといった術や魔法はないけれど、絶対に失敗したくないと考えるのであれば、一つだけ方法がある。

やらない

これに尽きると思う。

つづく





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?