「特に意識していない」 これが引き金
今回、日経平均株価大暴落の引き金となったと思う植田総裁の定例会見。
この「はい」は誤解だっただろうし迂闊だとは思うけれど、裏を返せば植田総裁が利上げに対し、とても慎重な方ともとれる。きっと多くの人がそう思われていただろうし、その後の発言を見聞きしても、その印象は変わらない。
何かとサプライズの多かった黒田・前日銀総裁と違い、とにかく慎重に、そんなに石橋を叩いたらそりゃ割れるよ、というほどの慎重さで物価への影響を見極め、市場を驚かせたり混乱させないように、といった配慮ある方という印象で、つまり明らかにハト派だった。
そんな植田総裁が31日の定例会見では、こう述べられた。
「利上げは景気に大きなマイナスの影響を与えることはない」
また、過去の利上げ局面で上限となった「0.5%の壁」についても
「特に意識していない」
つまり、経済や物価情勢が大きく下振れせず見通し通りであれば、今後も数回の追加利上げをしていくし、なんなら5%を超えてもやっちゃうぜー、と。
おい、おい、本当に、ぼくの知っている植田さんなのか!?
迂闊な「はい」の時には「吉本新喜劇のようにコケそうになった」ぼくも、今回は椅子から転げ落ちて前転するほど驚いた。
きっと会見を見ていた世界中の人が前転したと思う。
うわっ、ハトやと思っていたらタカやった!まるで別人じゃないか。本当にあの植田さんなの?と思うほど、スタンスが180度変わった。
それに、見切り発車じゃないの?
これまで日銀が重視していたのは「賃上げと物価の好循環」で、それを確認してインフレ率2%を持続するなら利上げだったはずだけれど・・・
まだ実質賃金も個人消費も需給ギャップもマイナスなのに(需給ギャップマイナス=需要より供給が多い)。
一昨日、ニュースで「6月の実質賃金 27か月ぶりプラスに」って、やっていたけれど、これはボーナスが良かったからだろうし(中小零細企業は大丈夫なのかな)、それにこの統計調査が出たのは、日銀の会見より後だ。
この植田総裁の豹変発言で、ぼくだけでなく市場も何回転も前転をするほど驚いた。だから0.25%の金利が問題だったのでなく、「今後も利上げがある」と伝えてしまったことが大暴落の引き金になったのだと思う。
でもなぁ・・・
つづく
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