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経営本のスゝメ 12.

チェーンストアが増えると、本質的な格差是正がなされます。
世の中の大多数の人の暮らしが豊かになること。それこそ、真の豊かさではないでしょうか。
私は、チェーンストアの経営には、「貧富の差を縮める」という社会的意義があると思い、ビジネスを展開してきました。

『サイゼリヤの法則 なぜ「自分中心」をやめると、ビジネスも人生もうまくいくのか?』正垣 泰彦著

お店から特別扱いされることを良しと思う人(それが悪いというわけではない)や自分で常連と言ってしまう人(それはお客さんでなくお店側が感じること、決めることだとぼくは思っている)にはピンとこないかもしれない。

一般的にチェーン店のマニュアルによる接客は往々にしてネガティブな捉えられ方をされることが多いけれど、逆にいえば画一的な接客だからこそお客さんを選ぶといったことがない。それは、お客さんがお金持ちや有名人であろうが一般人や子供であろうと、平等に同じ接客を受けることができるということである。
おそらくだけれど、著名人や芸能人がお客さんとして来られても、その接客はぼくら一般人相手と何ら変わらない。またそれは接客だけでなく、料理などお皿の中にも同様のことがいえる。

そして何よりもぼくが食堂という言葉に惹かれるのは、その「お客さんを選ばない」というイメージだと思う。

食堂

ぼくが職人出身でありながら、チェーン店が大好きな理由の一つにこれがある。

正垣さんの著書を読まれることで、サイゼリヤさんをはじめとしたチェーン店への偏見がなくなり多くの人にその良さが伝わるといいな、と思う。

この「サイゼリヤの法則」は、少しだけどチェーンストア理論についても触れられ、わかりやすく解説されている。
そして最終章では、正垣さんの死生観にまで話が及ぶ。これは、ぼく自身最近よく考えることなので思うことがあるけれど書き始めると終わらなくなるので、それはまた別の機会に。

サイゼリヤさんが株式を店頭公開する日の朝、お母様が正垣さんに渡された手紙に書かれていたという詩(南北戦争時の兵士が書いたとされるものらしい)がとても素晴らしいので、それをこの話の最後に引用させていただく。

大きなことを成し遂げるために力を与えてほしいと神に求めたのに  
謙遜を学ぶようにと弱さを授かった。  
偉大なことをできるようにと健康を求めたのに  
より良きことをするようにと病気を賜った。  
幸せになろうとして富を求めたのに  
賢明であるようにと貧困を授かった。  
世の人々の賞賛を得ようと成功を求めたのに  
得意にならないようにと失敗を授かった。





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