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名前を「正しく」読んでほしいと子どもの学校の先生にお願いした話

こんにちは!
アメリカにも春が来ました。
新学期の季節ですね、先日はイースター休暇で娘の学校も先週1週間は春休みでした。


今日はアメリカの現地校に通う小学生の娘が、お友達に名前を正しく読んでもらえるまでの話をしようと思います。



娘の名前は日本語の名前なので、アメリカの人が発音しようとすると人によっては少し変わったイントネーションになります。
「逸実」なら「イトゥーミィ」になるようなイメージですね。
娘の場合は正しく呼ばれるのが半分くらい、ちょっと変わった発音になるのが半分ぐらいでした。


季節外れの4月に編入した娘ですが、蓋を開けてみるとよい先生と生徒にあたったようで世話好きの女の子に「一緒に外に遊びにいこう!」と誘ってもらったり、音楽の先生が授業で「今日は日本の歌をみんなで勉強しよう」と日本の歌をみんなで勉強したり、色々気遣いを受けていたようです。


このような話をすると日本のママ友から「優しいね!…でも特別扱いだってクラスの子からいじめられたりしない…?」と言われます。
私も日本にいるときはそう思っていました。


ただこちらでなんとなく感じるのは「異文化の子がうちのクラスに来た!これを活かさない手はない!そこから話を膨らまして今日は火山の話まで授業でやっちゃおう!」みたいな先生側のポジティブな気持ちです。


あとは公立学校で州の指導要綱みたいなのはあるけれど、どの程度それに沿って授業をするのか裁量が個人の先生にある、というのも大きいかもしれません。
隣のクラスと同じ教科書、同じアプリを使っているけど進み方が全然違う…みたいな。宿題も毎日出るクラスもあるし、出ないクラスもある。



話がそれましたが、娘に寄り添った対応をしてくれてありがたかったです。
スクールバスで通学するので学校の様子は一切分からなかったのですが、いつでも担任の先生や事務の先生、校長先生にメールをすることができるし(メールアドレスが公開されているので)「なにかあったらメールで相談しよう」と思いながら過ごしていました。
返事も半日ぐらいですぐ来ますし迷惑そうではないし、学校を信頼していました。


そんな学校で、ある日娘がおやつを食べながら学校の様子を話していました。
「最近一緒に遊んでくれる女の子(Aちゃん)がいるんだけどさ、私の名前の呼び方ヘンなんだよ。もう一緒に遊びたくないな。」
英語がおぼつかない我が娘にわざわざ話しかけに行ってくれる貴重な友達、こんなことで失くしてしまったらもったいなさすぎます!


「あなたの名前は日本語だからね。読み方が分からないだけじゃないの?話をしてみたら?」
「どう言ったらいいか分からないもん。おかーさん言ってよ。」
「おかーさんは学校に言ってないからそのお友達と会うことないからなぁ…」


こんな会話をしてから数日経つと、娘が「最近Bちゃんと遊んでる。Aちゃんとは遊ばない」と言い出すようになってしまって、意外とある娘の友達を作る能力にびっくりしながらも「いやー!絶対勿体ないでしょ!!名前の件以外はAちゃんに不満がないみたいだし」と思っていました。


私ができることと言えば担任の先生に事情を説明する手紙を書き、先生からAちゃんへ「正しい発音」を教えてもらうことぐらいしかありません。
でも躊躇しました。。
「アメリカ人が日本名を正しく発音できないのは当たり前だしな…。
すでに色々配慮してもらってるのに、モンスターペアレントと思われたりしない?」



しかしこれを放置していても、娘とAちゃんの距離はますます離れていくでしょう。仕方ない。翻訳ツールを使いつつ担任の先生に手紙を書きました。


「いつもAちゃんが娘と仲良くしてくれて親の私も嬉しいです。
ただAちゃんの娘の名前の呼ぶ発音がちょっと違ってて、娘は正しい発音で呼んでほしいみたいなんです。
娘の名前のAはcatとかcakeのAではなく、hotの中のAなんです。
日本名なのでAちゃんが正しく発音するのは難しいかもしれないですが、先生からAちゃんに教えてあげてくれませんか?ありがとうございます」



翌日先生からメールが届きました。

「あなたのお手紙読んだわ!さっそくAちゃんに娘ちゃんの名前の発音についてお話しました。これはとても大事なことなので、私はいつでも喜んでお手伝いしますね。


担任の先生に「名前を正しく読むことは大事なこと」と言ってもらえてホッとしました。これで娘とAちゃんがまた仲良く遊べたらいいなと思います。



娘が「私の名前を正しく呼んでほしい」と言ってきたときは「気持ちはわかるけど…相手の事情も想像しなきゃ。求めすぎかもよ?」と尻込みしていましたが、「大事です!」と言ってもらえてほっとしました。



確かに大人の私でもその場限りの人に名前を間違えられても平気ですが、お友達になろうと言う人から間違えられつづけたら…友達になれない、と思うかもしれませんよね。
事実を淡々と説明する。根底にある相手への感謝と何をしてほしいかの期待を明確に書く。
娘と一緒に親もコミュニケーションのやり方を実践中です。

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