15分限定、書き殴り上等

先日、僕の慎重さの弊害のことを愚痴半分で書いたのだが、文章を書くことにまでその慎重さが顔を出し始めているのは、「他者の目に晒す=完成度を上げなければならない」というのを過度に意識しすぎているように思えてきた。

もちろん、公開している以上は誰かが読む可能性がある。なんでもかんでも好き勝手に書けばいいというものではないが、改行の位置を気にしたり、段落分けを増やしたりと、書くことそのものよりも、周辺的なところにまで気を回しすぎた挙句、必要以上に完成度のことを意識してしまっているのではないかと思えてきたのだ。

実際のところ700字とか1000字くらいのサイズの文章なんてのは、読めば1分もかからずに読み終えてしまう程度の分量でしかないし、「エッセイでございます」なんて仰々しく構えたところで、書き込めるものなどたかが知れている。その上、導入から展開、オチ・まとめまで入れるなんて、ディズニーランドを10分で回るようなもの、小指一本で逆立ちするような無理難題だ。

完成度を上げると言いながら、実際は一度読み直しする程度の「書いて出し」だし、そんな書き方をしているものに完成度もへったくれもない(あくまで僕の場合です。ちゃんと下書きして、推敲して、寝かせて……という方もいるでしょう)。ならば、書き殴りは書き殴りと割り切って、15分〜20分くらいでサーっと書き上げてしまうスピード練習の場にでもしてしまおうかと、考えを改めた。

エッセイと呼んでは口はばったくて、冷や汗が流れるが、気の向くまま、筆の赴くままの随筆と思えば、書き殴りも悪くない。スピードを上げて書くことで頭の回転数も上がり、連想は強制的に広げられて行くものだ。
そうして書かれたものであっても、この場に積み上げておけばいつでも振り返れるのだし、書き溜めたものを読むことで別のことを思いついたりもする。掃き溜めた落ち葉が腐葉土になるようなものかもしれない。
そんな意識で書かれたものに読む価値があるのかどうかは知らないが、日々書くことに絞って言えば、僕にとっては意味のあるものになるはずだ。

と、気分転換に要した時間は14分。文字数は900字ちょうどだった。

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