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全米図書賞

先日、柳美里さんの『JR上野駅公園口』が受賞をして、ニュースになった全米図書賞。アメリカの文学賞でも権威のある文学賞の一つだそうだが、今ひとつ馴染みがない。
書店で平積みになったミステリー小説の帯に「本年度エドガー賞受賞!」などという文字を見つけて、手に取るきっかけになる程度の馴染み方だ。

全米図書賞やアメリカ探偵作家クラブ主催のMWA賞、英国推理作家協会の選ぶCWA賞など、様々な文学賞があるが、共通しているのは一つの賞にいろんな部門があること。その部門の多さを時々滑稽に感じることがある。

アカデミー賞にしても、作品賞、監督賞、主演賞、助演賞、脚本、作曲、録音、衣装に至るまで、さまざまな部門がありすぎるほどある。
直木賞や芥川賞が全部の中から「今回はこの作品」と、1作品を選出するのとはずいぶんな違いだ。

賞レース自体をビジネスショー化するには、できるだけ多くの部門、多くの受賞者が必要なんだろう。いろんな部門の発表で盛り上げた最後の最後に主演賞や作品賞といったものを持ってくる。そんな思惑が見て取れる。
直木賞も芥川賞も、販促を兼ねたものだし、こちらは帯に書かれた「受賞」の文字に踊らされて買うのだから、文句も言えない。

今のノーベル賞は純然たる栄誉の賞だけれど、この先、不必要に細分化されていったらなかなか面白そうだ。文学賞ツイート部門とか、平和賞家庭部門とか経済学賞小売部門とか。
有り難みはカケラもないが。

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