気づいたら他の事を考えていた⁈|マインドワンダリングとは?
皆さん、仕事中や勉強中に、いつの間にか他の事を考えてしまうことはありませんか?
言われてみてば、無関係な事を考えていたかも・・・と心当たりがあるのではないでしょうか?
しかし、他のことを考えながら仕事がてきるって何だか不思議ですよね。
例)料理しながら好きなアイドルのコンサートを思い浮かべる
こういった思考状態・・・
実は、「マインドワンダリング」と呼ばれる思考状態が背景にあります。
おそらく、初めて聞いた方が多いと思います。
「マインドワンダリング」って一体どのような現象なのか?今回は、その特徴について紹介します。
マインドワンダリングとは?
「マインドワンダリング」とは、今目の前にある課題とは関係ない他のことに意識が逸れて、それが心の中でぐるぐると反復してしまう現象です。
例えば、仕事中パソコンのデータ整理をしているにも関わらず、頭の中では、「今日のお昼ご飯は何にしようかな~」「昨日行った好きなアーティストのライブ楽しかったなあ~」といったように仕事とは無関係のことを頭の中で思い起こすのです。
【仕事に集中している時】
【仕事とは無関係の事を考えている時】
マインドワンダリングは、集中して何かをする時よりは、集中力が切れている際に起こりやすくなります。
最新の脳科学の研究によると、マインドワンダリングが起きている時の脳は、言語を司る領域と視覚的なイメージ、過去の記憶、創造的思考に関する領域が活性化することが明らかになっているのです。
新たな価値の創案時には、側頭葉や後頭葉の過去の経験の記憶を思い出す領域や、視覚的イメージを処理する領域などが活性化していた。創造的な思考には過去の記憶の想起や視覚的な非言語的イメージが重要な役割を果たしているようである。
【参考文献:創造力を鍛える マインドワンダリング モヤモヤから価値を生み出す東大流トレーニング 日刊工業新聞社】
マインドワンダリングによるメリットって?
では、マインドワンダリングが起きることによってどんなメリットがあるのでしょうか。
・アイデアが浮かぶ
他の事を考えると、アイデアが浮かびやすくなります。
何気ないことを考えていたら何か閃いた!という経験をしたことはないでしょうか。
アイデアと聞くと突然思い浮かぶという印象があると思いますが、実は過去の経験や記憶をもとに無意識に「もの」と「もの」のつながりに結び付けているのです。
例えば、「赤」というキーワードから連想されるものを考えた場合
このように「赤」というキーワードから赤に関わる共通点を探し出して、「もの」と「もの」のつながりを連想することでアイデアが生み出されるのです。
・楽しい事を連想するとポジティブになる
人間は、楽しいことを連想すると楽しい気分になり、ポジティブな思考状態になります。嬉しい時や楽しい時、うきうきした気分になったことはありませんか?
実は興奮や高揚した気分の正体は、ドーパミンの放出が関係しています。
ドーパミンが放出されることで、やる気が上がったり、集中力が上がったり、幸せな気分になったりとメンタルがプラスの方向に働きます。
・未来の計画が立てやすくなる
未来・将来の計画について、イメージしながら将来設計を立てるとより具体的なスケジュールを組みやすくなります。
〇マインドワンダリングによるデメリットって?
マインドワンダリングのメリットについて解説してきましたが、反対にそのようなデメリットがあるのでしょうか?
・目の前のことに集中できない
マインドワンダリングは、アイデアや創造性の活性化といったプラスの面で働きますが、目の前のことがおろそかになってしまいます。
集中したい時に集中できないと仕事のミスやプライベートでの失敗など思わぬトラブルに巻き込まれるかもしれません。
集中すべきところでは、目の前のことに意識を向ける努力をしましょう。
・考えすぎると反芻思考に陥りやすくなる
人間は、楽しい事を連想するとポジティブな気分になりますが、逆にネガティブなことでも辛かったことや悲しかったことを連想すると気分が落ちてしまいます。
ずっと悲観的な事を繰り返し連想すると反芻思考状態になります。
※反芻思考:頭の中でネガティブなことを繰り返し考えてしまうこと
反芻思考で悩む多くの人は、「嫌なことを忘れたいのに忘れられない」「過去のトラウマを何度も回想してしまう」といったことに辛さを抱いています。
このまま放置すると、うつ病や統合失調症といった精神疾患になりやすくなります。
・将来・未来に対する不安を感じやすくなる。
将来に対して不安を抱き過ぎると将来に対して絶望を感じてしまいます。
仕事で上司に激しい叱責をされた場合に怒られたことは過去の記憶として残りますが、「また怒られたらどうしよう?」という思考になるとメンタルがかなり落ちてしまいます。
その結果、仕事で思うようなパフォーマンスが出来なかった、ミスが増えてしまうようなことも・・・
人間誰しも失敗やミスをしますが、ミスしたことを引きずらずに後の切り替えや対応が非常に大切になってきます。
マインドワンダリングを上手く使いこなすためには?
マインドワンダリングのメリット、デメリットについて触れてきましたが、メリットの部分を活かしつつデメリットの部分をどうにか取り除きたいと思いませんか?
そこで、集中したい時とアイデアを発揮したい時の活用術について紹介していきます。
〇集中したい時
☞ 今この瞬間を意識する
他の事に思考が巡りやすくなった際は、「今、この瞬間」と現在のことに意識を向けるように心がけましょう。今のことに集中することで、マインドワンダリングによる雑念が自然と消えてしまいます。
これは、「マインドフルネス」と呼ばれる療法の一つで、呼吸法やヨガに適用されており、ストレス軽減や自律神経の回復といった効果が促されます。
☞運動
運動は集中力を上げるには効果的です。ジムでの筋トレやランニング、球技スポーツをしている際に「憂鬱だなぁ」と考えませんよね。
運動をしている際は、身体をどう動かすか無意識に集中しているので、集中力アップには効果的。
さらに脳機能の活動も促進されるので、仕事をする前に運動すればよりパフォーマンスが上がるのでしょう。
〇アイデアを発揮したい時
☞リラックスする
アイデアを発揮するためには、リラックスした状態で考えた方が効果的です。
良い企画を立てるには?盛り上がるイベントにするためには?と身構えてアイデアを発揮しようと努力している方が多いでしょう。
しかし、最新の研究では、アイデアを考える際に意識的に考える事よりも実はボーとした時の脳の方がより活発に働くことが明らかになったのです。
つまり、より良いアイデアを出すためには、肩の力を抜いてリラックスした方がベスト!
☞歩いてみる
アイデアで行き詰った際には、歩き回るのが効果的です。
歩くことで脳が活性化し良いアイデアが浮かびやすくなり、認知機能の向上や記憶力、注意力といった部分も促進されます。
仕事中や何らかの創作の際には、歩き回った方が作業がはかどれるかもしれません。
まとめ
いかがでしたか?今回は、目の前の事とは別に他の事に思考を巡らせてしまうマインドワンダリングについて解説しました。マインドワンダリング思考は、メリットとデメリット両方の側面がありましたが、コントロールすることで、創造性が活かされます。
マインドワンダリング思考を上手くコントロールして、人生をより豊かにしていきましょう。
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