おはようが言えたらな

「朝、どうしても起きたくない」
全人類が持ったことのある悩みではないだろうか。もし、毎朝きちんと起きられるという人がいたら、それはかなり特別な才能であり、自分は特殊だと胸を張って良いと思う。私が人事で、面接しに来た大学生が、自分の長所は毎朝きちんと起きられることですと言ったらすぐに採用すると思う。それくらい特殊で素晴らしい才能だ。朝早く起きられる人は是非、私が人事の会社を受けに来て欲しい。今の所人事になる予定はないけれど。

私は先日、初めて睡眠アプリを使ってみた。すると、その目覚めの良さにとても感動した。余りに目覚めが良過ぎて、予定より大幅に長く寝てしまったのではないか、バイト先から怒り狂った電話が来ているのではないか、心臓をバクバクさせながらみんなの怒った顔を想像するまでに、とても焦った。それ程気持ちの良い(?)目覚めだった。

それから数ヶ月が過ぎたが、既にその起こされ方にも慣れてしまって、睡眠アプリで飛び起きることはなくなり、後15分、後5分、後3分、、、と布団にしがみ付く朝を過ごしている。

私は昨晩、私も生活を楽しもうと決意していた。皿洗いはスクワットしないと次の皿に触れないとか、洗濯物は着た日のことを思い出さないと洗えないとか、、、楽しみ方としては間違っているかも知れないけど、私が楽しければ正解なのだ。とにかく、生活を楽しむ。

数時間前にそのようなことを言っていたのに、今は携帯のアラームにキレている。時間よ30分止まれ、今日は用事が午後からだからもう少し寝れる、時間なんて大嫌いだ、時間の定義をしたやつは悪魔だ、マイナスな事ばかり考えている、朝から。これだから私は友達も少ないし、彼氏もいなくて、1人でびっくりドンキーでハンバーグを食べる人生を送ってしまうのだ。ばか!ばか!そうだ、楽しく起きよう。面白い起き方を研究するのだ。朝から元気だけど、どうやって起きてるの?と聞かれた時に、ひと笑い取れるくらい面白い起き方をしてやろう。私が面白い起き方をすることで、私は快適な朝を迎え、友達はひと笑いし、なんなら朝が起きれなくて悩む大多数の人類を救うかも知れないのだ。私は今、とても人生、いや世界を変える問題に直面している。そうだ、楽しく起きよう、そうしよう。

天井を見つめながら、楽しい起き方、面白い起き方について考えた。そしてとりあえず、布団の中で伸びをし、足の指や肩などの関節をほぐした。さて。

その後、私がした行動をご察し頂けるだろうか。

私は電気を付け、
暖房を付け、携帯を取り、


−−−−布団の中でこの文章を打っている。

私は全人類のことも、友達のことも、そして私自身のことも楽しませてやれないのだ。そんな人間が、これからの人生で世界にどう役立つのか。悔し過ぎる。不甲斐なさ過ぎる。負けたくない、私は、負けたくない。

決意が固まったところで、目が覚めてきた。そろそろ起きて、スクワットしながら溜まったお皿を洗おう。だいぶ溜まっているので、途中で可笑しくなるだろうし、次からは溜めずに洗おうなんてことを考えるのだろう。

楽しいを追求する生活はまだまだ続きそうだ。

2017.01.25.10:03