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江戸っ娘の着物日和 vol.11: 手ぬぐい半衿

ここ数日、涼しい日が続いていますが、みなさま、いかがお過ごしでしょうか。
「おしゃれは我慢」とよく言いますが、こう涼しいといろいろと試してみたくなってきます。
ということで、今回は「手ぬぐい半襟」に挑戦してみました!

この手ぬぐい半襟ですが、まず半襟について説明したいと思います。半衿とは着物の下着である襦袢(じゅばん)の衿に当てる布のことです。
通常、皆さんが良く知っている着物姿だと首の周りに白い衿があって、その上から着物を着ていると思います。
この白い部分が襦袢の衿になります。
そのままの白い衿というのも清楚な印象で美しく、とてもすっきりした着姿になるのですが、場合によってはちょっと地味に見えてしまったり、寂しい印象を与えてしまうこともあります。
そういう時に半衿を当てるととても華やかな印象になります。

ちなみに今回、江戸っ娘の行先は知り合いのベリーダンス披露会でした♪
ベリーダンスと言えば、ディズニーのアラジンに出てくるジャスミンのような女性が腰を細かく振って踊るエキゾチックなダンス。
やはりクラシック音楽の演奏会や寺社仏閣へのお参りとは違うので、華やかにしようと思ってのチョイスです^^

半衿の購入先ですが、普通に呉服屋さんで購入することも可能です。
その場合は、やはり寸法がしっかり合っているので、両脇の取り付け部分を折り、アイロンでしっかり折り目をつけるだけでいいのでらくちんです。
ただ、たかが布切れ一枚、されど布切れ一枚なので、素材や柄などにより値段はピンキリです。
そこで、気楽に手を出せるものとして「手ぬぐい半衿」の出番となるわけです。

1000円もしないので手を出しやすい!

実はこの手ぬぐい半衿は江戸っ娘が考えたものではなく、加入している着物情報交換グループで皆さんがやっていて前から気になっていたものです。
よくよく考えてみれば100年ほど前まで着物は普段着であり、さらには作業着。
時代劇ではよく着物の衿に黒い当て布をしている町民の姿を見ますが、衿は何かと汚れやすいですし、当て布をしていた方が生地も長く持ちます。
そう考えると、専用の半衿を買っていたわけではなく、当時でも手ぬぐいや着られなくなった着物生地から一部を切り取って使っていただろうことは想像できます。

ということで早速チャレンジです!
手ぬぐいは近所の本屋さんの雑貨コーナーで購入したごくごく一般的なものです。
色味が着用予定の浴衣と合いそうなのと変わり麻の葉模様の中にところどころウサギが隠れているのが気に入り、この柄にしました。

生地を適切なサイズに切断して使用される方もいるようですが、今回、縦に半分に折ったらちょうどよい幅になったので、このまま利用することにしました。
まずはこの状態で一回アイロンをかけて、この幅を固定します。
そのあと、普通の半衿と同じく、襦袢に取り付けるための縫い取り部分を上下折り込んで、またアイロンをかけます。
これで形は完成です。

上下の部分に縫い付ける用ののりしろを作る

あとは襦袢に取り付けるだけです。
正式には縫って取り付けるのですが、めんどくさがりの江戸っ娘。。。
ここは半衿両面テープという隠し玉を使います(笑
この半衿両面テープですが、構造としては文具屋で売っている両面テープと同じです。ただ、布に取り付けやすく、使用後はすぐにはがせるようになっています。
このテープを半衿ののりしろ部分に張り付けて、襦袢の衿に取り付ければ、おしゃれ襦袢が簡単にできてしまいます♪

着る前はこんな雰囲気

今回は、ちょっと気温が下がったのをいいことに浴衣を単衣(裏地のない夏着物)に見立てて、着物のようにして着てみました。
普段、真夏に浴衣を着るときはクーラーをガンガンにつけているのですが、クーラーが必要なほどの気温でもないし、今年は電気代も高いからいいや、と思って着はじめたのですが・・・帯を締める頃には玉の汗・・・
早速、手ぬぐいの思わぬ恩恵で、とてもよく汗を吸収してくれました(笑
使用後もそのまま洗濯機へポイっとできるので、本当に手間いらずです!

全身像はこんな感じ

そして、せっかくなので今日の帯はセールで買ったポリエステルの袋帯なのですが、お太鼓にはせず、角出し結び(通称:銀座結び)にしてみました。
お太鼓だとフォーマルな印象になりますが、この角出しにしますと、背中の結び目の重心が全体的に下の方に寄るのでアンニュイな雰囲気を演出することができます。
ベリーダンス、しかも会場もバーの貸し切りなので、大人な雰囲気にするにはピッタリです。

このもったり感が特徴!
前から見た感じは普通

最後に・・・浴衣を着るときは、江戸っ娘は基本的に裸足に下駄ですが、もちろん今回は着物風なので足袋を履いて草履です。
足袋は麻なので、風通しはとてもいいです。
ただ、夏用の足袋もレース地のものなど、さまざまなものがありますし、直に下駄を履くと、鼻緒の当たる親指の付け根がすれてしまう方もいます。そういう方は浴衣でも足袋を履いているという話を聞きますので、皆さんも自分に合うかわいいグッズを揃えてみるのはいかがでしょうか?

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