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『ご機嫌ななめなおさるさん』|ごきげんななめでも、大切な君だから|大人も楽しめるおすすめ絵本

気持ちについて子どもに教えることって中々難しい。

楽しいね、嬉しいね、悲しいね、とその時の気持ちを共有することができても、こんな気持ちになったらこういう風に乗り切ろうね、こういう気持ちになっちゃうこともあるんだよ、という様な、マインドセットを教えていくことは難しいのだ。

そんな「気持ち」がテーマで、大人にも気づきを与えてくれるような、やわらかく示唆的な絵本がこちら。

スザンヌ・ラング 作 / マックス・ラング 絵 / ひさやまたいち 訳
評論者
サイズ:246×246
ページ:32

スザンヌ・ラングさんとマックス・ラングさんはアメリカ在住のご夫婦で、絵本を共著されている。こちらからおふたりの活動を拝見することができる。

インパクトのある、ポップであざやな表紙が目を引く。ふきげんそのものなのにどこか愛嬌があるおさるさんが、この絵本の主人公だ。

ある日、もやもやが止まらないことに気づいたおさるさん。

きっとこれまでと大きく変わらない日のはずなのに、目に映るものすべてがイライラにつながる。ジャングルの仲間に会っても気分は変わらず、彼らにもいつもと違う自分を指摘されてしまう。

大人だって、子どもだって、ごきげんななめになっちゃう日がある。ごきげんよく過ごしたいのに、どうがんばってもうまくいかない。そんな気持ちにやさしく寄り添ってくれる。

こういうとき、〇〇ならどうする?私ならこうするよ。そんな会話をするのも楽しそう。子どもとの対話を通して、きっと大人も学べるはず。

こんなとき、きっと誰かが静かに誰かが見守っていてくれるんだよ、私はあなたのそばにいるよ、としっかり子どもに伝えたい。

感情の変化は誰にでもあること。いくら一定に保とうと思っても、自分ではどうにもならないこともある。

ごきげんななめでも、泣いていても、あなたは大切なあなた。何も変わらないんだよ。それを伝えられたら、とても嬉しいのだ。


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絵本についての私のnote
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