『マーシャとくま』|女の子の、森での冒険譚。主人公と一緒に森の世界へ|大人も楽しめるおすすめ絵本
昔話絵本の定番と言われたら、きっと森の物語を思い出す人が多いだろう。
森で女の子が迷子になったり、森に子どもだけで入って行ったり。
そんなお話から、1冊紹介したい。
マーシャとくま
M・ブラートフ 再話 / エウゲーニー・M・ラチョフ 絵 / うちだ りさこ 訳
福音館書店
12ページ
これはロシアの昔話。ミハイル・ブラートフさんはフォークロアや昔話を採集・研究し、再話された方。エウゲーニー・M・ラチョフさんは絵本作家。
表紙には、タイトルのくまはいても、マーシャがいない。これも実はポイント。どんな背景なのかは本を読んでぜひ確認してほしい。
物語は王道の、森に出かけた女の子が迷子になってしまい、一軒の小屋を見つけ、そこでくまに出会う。
そのくまは、マーシャを見つけてこれ幸いとこき使う。でも賢いマーシャはお家に帰るために…
マーシャの賢さ、くまの愛嬌がたまらない。読んでいてにやにやが止まらず、マーシャの行動力に痛快さまで感じられるほどだ。
M・ラチョフさんの素朴だけれども重厚で、多くを語る絵がいきいきと物語を展開してくれる。ページを囲む装飾も美しく、異国文化を魅力的に伝えてくれる。
ロシアの森にマーシャと一緒に迷い込み、冒険しているような没入感を楽しめる。一緒にはらはらどきどきし、マーシャの頼もしさに心強さを感じる。王道の森に迷い込む物語の魅力を存分に楽しめる、絵本の魅力がぎゅっと詰まった1冊だ。
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