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夜風に吹かれながら

夜風に吹かれながら


1.
もっと泣けば良かったの いまになって悔やんでも
慰めてくれる人なんて 誰ひとり 傍にいてくれやしない
寂しい人なんです、私と言いきれる強さが欲しかった
けれど 私に それほどの強さはない 強がりだけがお似合いなんです

夜風に吹かれながら 涙は見せないように
後ろ姿は いつもの笑う私でありますように
夜風に吹かれながら 夜風に吹かれながら
あの人にサヨナラを込めた精一杯のアリガトウを告げました


2.
とてもあわせる顔などないんです 忘れたいんです、私は
嘘をつく癖も 嘘をつく芝居も いまじゃ誇れるほどの特技になりました
もう涙は見せないんです ひとりが好きなんです、私は
傍に誰ひとりいなくてもいい 死ぬまで こうしてゆけそうなんです

夜風に吹かれながら ひとりなれば あの人を思い出す
このまま夜に消えてしまえば なぜだか会える気がしてきます
夜風に吹かれながら 夜風に吹かれながら
あの人にゴメンネを込めた精一杯のアリガトウを告げました


3.
届くつもりでアイシテマスと言ったのが なによりの間違いだったのかしら
素直に生きてゆこうとするのが なによりの間違いだったのかしら

夜風に吹かれながら 涙は見せないように
後ろ姿は いつもの笑う私でありますように
夜風に吹かれながら 夜風に吹かれながら
あの人にサヨナラを込めた精一杯のアリガトウを告げました


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