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『サピエンス全史』から考える発達障害とは何か?奴隷制と発達障害のヤバイ話

「発達障害とサピエンス全史」というテーマで考えてみたいと思いますが、『サピエンス全史』というのはベストセラー本で、ネットではブログやYouTubeなど、いろんな方が紹介されています。

で、ぼくはちょっと視点を変えて、発達障害について『サピエンス全史』を元に考えてみようと思うのです。

まずぼく自身は発達障害の当事者で、ADHDつまり注意欠陥多動性障害なんですね。

とは言えあくまで自己診断なんですが、ともかく子供のころから遅刻多い、忘れ物多い、片付けができない、などで親や先生からさんざん怒られたりして、大人になってもその特性は変わらず、その他いろんな状況証拠を考え合わせ、自分がADHDだと思うとかなり腑に落ちるものがあるのです。

それで、発達障害とはなにか?についてもいろいろ考えているんですが、実はこの『サピエンス全史』には、発達障害について直接書かれているわけではありません。

しかし、それを示唆するようなことが書いてあるというか、私にはそう読めたという箇所があるので、それを取り上げてみたいと思います。

(今回も上記の動画を元に記事を書きました。アドリブのしゃべりをアレンジしてるので、その違いもお楽しみいただけます。記事は後半から有料(100円)ですが、YouTubeは全編無料で視聴できますので、応援していただけると大変に助かります。)

まず、人類の歴史全体を見ると、その中で農業を始めたことが、一つ大きな契機になるんですが、それと同時に家畜の飼育も始まるわけです。

で、家畜っていうのはつまり野生動物を飼い慣らす、っていうことなんですけども、どんな種類の動物も家畜化できるわけではなくて、たとえば実はシマウマを家畜化できなくて、人間を噛んだりするのでね背中に乗れないんですよ。

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で、家畜化できるウマや、あるいはヒツジなんかが家畜になったという経緯があるんですね。

しかしウマにしろ、ヒツジにしろ、哺乳類ですね、高等動物ですね。

そんなふうに頭の良い動物ってのは個体差があって、それぞれ個性があるわけですよ。

ヒツジは大人しくて従順な動物ではありますが、野生のままのヒツジには気性が荒い個体とかね、人間に反抗する個体とか混じってるわけですね。

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で、そういう家畜に適さないヒツジをね、人間は殺して子孫を残さないようにしてきたっていうわけですよね。

そしてその一方で、大人しくて従順なヒツジの子孫だけを増やしていったわけです。

そうするとヒツジ全体の性質がより大人しくなって、個体差が少なくなって均質化されてね、「野生のヒツジ」が「家畜のヒツジ」へと変化したと、いうことなんですね。

これ別の言い方すると「人為淘汰」ってことですね。

つまり本来の野生のヒツジって言うのは「自然淘汰」の中を生きていたわけですね。

野生環境っていうのはオオカミみたいな天敵がいるし、寄生虫や病原菌が蔓延ってるし、危険がいっぱいなんですね。

そうやって自然環境には「自然淘汰」の圧力がかかっていて、それによってより強い個体だけが選別されるのが、「適者生存の法則」なんですね。

しかしヒツジが家畜化されると、安全な柵の中に囲われますから、自然淘汰の圧力からヒツジたちは守られるようになるわけです。

しかしそのかわり、人間の都合によって選別されるという「人為淘汰」の圧力がかけられるというのが、家畜の運命なんですね。

ここでおもしろいのがね、好奇心のあるヒツジもね、人為淘汰されたっていうんですよね。

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好奇心のあるヒツジっていうのはね、どっかいっちゃうんですよ、群を離れてどっかいっちゃうんでね、これも飼育するのが面倒なんで殺しちゃうと。

しかしここからはね、『サピエンス全史』に書かれてないことなんですけどね。

ということはですよ、じゃあ人間だって、選別されて、人為淘汰されてきたんじゃないのかな?っていうふうにして、ハタと気づいたんですね。

つまり『サピエンス全史』にも書かれていましたけども、古代社会っていうのは基本的に奴隷制なんですね。

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つまり今のように便利な機械が存在する以前、つまり近代以前はあらゆる作業が人力で行われていたので、そうすると奴隷制というものが当然のことだったんですね。

奴隷というのは、つまり人間が人間をこき大き使うわけですよね。

奴隷には人権がなくて、だから家畜同然に人間を働かせたと。

それが奴隷制度なんですけれども、その中で人為的淘汰が行われなかったのか?って考えるとね、そうじゃないとは言い切れないんですね。

『サピエンス全史』にはその事について一言も触れられてないんですけども、やっぱり前後の文脈を考えると、家畜についての人為淘汰の記述っていうのは、人間に対する人為淘汰を示唆してるんじゃないのかな?とぼくは勝手に読んだんですね。

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