糸崎公朗のダ・ヴィンチnote【アート思考の哲学】

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糸崎公朗のダ・ヴィンチnote【アート思考の哲学】

こんにちは、アーティストの糸崎公朗です。このnoteはアーティストの大先輩、レオナルド・ダ・ヴィンチに倣って哲学、科学、ビジネスなど横断しながらアート思考する【知的エンタメ】ですので、ぜひ気軽にお付き合いいただければと思います。

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最近の記事

好奇心と欲望の解放

2022年の私の抱負なのですが、タイトル通り「好奇心と欲望の解放」をしていこうと思うのです。 前回の記事で私は、「人間とは様々なかたちで好奇心を押さえ付けられた存在である、というように述べました。 だからこそ、そのことを自覚して、自分が苦手だったり興味が無かった分野に対し、積極的に好奇心を向けて、自分の可能性を広げていこうとあらためて思ったのです。 私は子供のころ学校の勉強が苦手で、自分は頭が悪いと思っており、そうなると勉強しても無駄なので勉強しなくなるし、本も読んでも

    • 権力としての哲学

      そもそもですね、現代の我々というのは私もそうですけども、私に限らず左翼の毒に侵されているとね、そういう風に思う訳ですよ。 ですからその左翼の毒抜きをしなきゃいけないと言う風にして思う訳ですよね。 でその意味で言うと、そもそも文明というものは権力があって立ち上がってくるものなわけですよね。 で権力というもの自体が文明と不可分なものなんですよ。 ところが左翼的思想に侵されていると、権力っていうのが何か悪いもののように思えてしまうということと、それと権力とは違うものを打ち立

      • 言語とは翻訳である

        前回は聖書を引き合いにして、全ては言語であるという話をしましたね。 新約聖書のヨハネの福音書ですね。 で、もう一回ね冒頭を読んでみますけども、 初めに言葉があった。言葉は神と共にあった。この言葉は神と共にあった。万物は言葉によってなった。なったもので言葉によらずになったものは何で一つなかった。 ということなんですよ。 ですから今私が喋ってる言葉、人間が喋ってる言葉がだけが言葉ではなくて、この世のあらゆるものが実は言葉であると。 聖書の解釈によるとそうなんですよ。

        • 言語の普遍性

          人間の特徴として「人間は言語を話す」という点を挙げ、それが他の動物とは違うのだとすると、それは「言語の普遍性」ではなく「言語の特殊性」を述べたことになります。 ところが『新約聖書』の「ヨハネによる福音書」第一章の書き出しは、下記のようになっているのです。 これによると、何よりもまず先に言葉と言うものが存在して、その言葉から全てのものが出来上がって、つまりは全ては言語である、と「言語の普遍性」を述べているのです。 そしてこのことから、私がかねてより述べてるように、人間以外

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          好奇心と欲望の解放

          2022年の私の抱負なのですが、タイトル通り「好奇心と欲望の解放」をしていこうと思うのです。 前回の記事で、人間とは様々なかたちで好奇心を押さえ付けられた存在である、と述べました。 だからこそ、そのことを自覚して、自分が苦手だったり興味が無かった分野に対し、積極的に好奇心を向けて、自分の可能性を広げていこうとあらためて思ったのです。 (上記の動画を元に記事を書いております。アドリブのしゃべりをアレンジしてるので、その違いもお楽しみいただけます。この記事は最後まで無料です

          人は誰でも好奇心を阻害され、抑圧されている(フロイトのレオナルド・ダ・ヴィンチ論)

          皆さんあけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。 最近、『フロイト全集11』に収録された『レオナルド・ダ・ヴィンチ幼年期の思い出』という論文を読んだのですが、非常に共感できるところがあったのです。 フロイトはこの論文でレオナルド・ダ・ヴィンチを素材としながら、一つには人間の好奇心について述べています。 そしてレオナルド・ダ・ヴィンチこそは、万能の天才として全方向の分野に好奇心を働かせた人なのです。 (上記の動画を元に記事を書いております。アドリブ

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          ウィトゲンシュタインの再解釈 「もの」は存在しない

          ウィトゲンシュタインの『論理哲学論考』は非常に難しい本で、なので私はたびたび本書を取り出して、最初の一ページだけ繰り返して読んでいるのです。 しかし今回はあらためて誤読をしていた箇所が一つ見つかったことと、もっと大胆に自分流に解釈しても良いのではないかと、そのようなことを考えてみたいと思います。 (上記の動画を元に記事を書いております。アドリブのしゃべりをアレンジしてるので、その違いもお楽しみいただけます。記事は後半から有料(100円)ですが、YouTubeは全編無料で視

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          ウィトゲンシュタインの再解釈 「もの」は存在しない

          権力者の芸術と民衆の芸術

          先日、東京都現代美術館にクリスチャン・マークレー展を見に行ったのですが、友人のアーティストに誘われたのです。 それでこの作品は何なのか?と思いながら見ていたのですが、ふとこれが「民衆の芸術」であることにあらためて思い当たったのです。 そして同館の常設展も見たのですが、その展示作品もことごとく「民衆の芸術」であったのです。 「民衆の芸術」ということで考えると、村上隆さんとか、奈良美智さんとか、一連の作家もみな「民衆の芸術」なのです。 クリスチャン・マークレーと村上隆、奈

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          哲学とは苦痛に耐えること

          今回も自分にできてないことを、自戒を込めて述べてみようと思うのですが、「哲学とは何か?」を考えた場合に「苦痛に耐えること」という要素が極めて大きいのではないかと思ったのです。 例えば古代ギリシアのソクラテスは、自ら毒杯を仰いで死刑になりましたが、それは彼の哲学的な判断だったわけです。 ソクラテスは不当な裁判に掛けられ、死刑判決を下され牢獄に囚われましたが、しかし友人の手引きにより国外に逃亡することも可能で、そのような「温情」が慣習的に含まれた判決だったのです。 ところが

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          生命活動とは言語活動ではないのか?

          世の中には、いろいろ理屈を言うばかりで、実際には何もやらない、という人がいます。 私も他人のことは言えませんが、これについてあらためて考えると「いろいろ理屈を言う」のは「言語活動」で、それに対し「何もやらない」のは「実際の活動」をしない、ということになります。 そしてさらに「実際の活動」と「言語活動」はどう違うのか?と考えていくと、結局は「実際の活動」というのも「言語活動」ではないかと思えるのです。 というのも私は言語というものをなるべく広い意味で捉えてみたいのです。

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          精神病と時代遅れ/ダニエル・シュレーバー『ある精神病者の回想録』

          今回紹介するのは『シュレーバー回想録』という本です。 正式名称は『ある神経症者の回想録』で、いろんな翻訳が出てますが、私は平凡社版で読んでいます。 これがなかなか分厚い本で、全部読むのは大変なのですが、とりあえず第一章まで読んで、それで思ったことを述べようと思います。 著者はダニエル・パウル・シュレーバー(1842 〜 1911年)というドイツ人で、当時の最高裁判所議長にまで出世したエリートでした。 ところが43歳で精神病院に入院し、そして1903年にこの『シュレーバ

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          貴族主義と資本主義・現代の「現代アート」はなぜつまらないのか?

          最近の現代アートはつまらない。つまらない作品が非常に高値で取引されていると、そんな釈然としない思いの方は、私以外にも少なからずおられるのではないかと思います。 今回はこのことについて考えてみたのですが、それが「貴族主義」と「資本主義」の関係で、端的に言うと、資本主義が貴族主義に「復讐」をしているんじゃないのか?と思い付いたのです。 (今回も上記の動画を元に記事を書きました。アドリブのしゃべりをアレンジしてるので、その違いもお楽しみいただけます。記事は後半から有料(100円

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          難解な民主主義と、簡明な資本主義(ニーチェ『善悪の彼岸』)

          相変わらずニーチェの『善悪の彼岸』を読んでるんですけども、哲学書を読んで自己を高めるとか、探究をするとか、そういう行為が本来の民主主義ではないかと、あらためて思ったんですね。 つまりこの『善悪の彼岸』にも書いてありますけども、第9章「高貴とは何か」ですね、その最初を引用します。 (今回も上記の動画を元に記事を書きました。アドリブのしゃべりをアレンジしてるので、その違いもお楽しみいただけます。記事は後半から有料(100円)ですが、YouTubeは全編無料で視聴できますので、

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          宮本武蔵とウィトゲンシュタイン・『五輪の書』と『論理哲学論考』

          宮本武蔵の『五輪書』を読んだんですね。で、これがね、ウィトゲンシュタインの『論理哲学論考』とね、通じるところがあると思ったんです。 この『五輪書』っていうのは一般に兵法の書ですね、剣術の書と言われていますけども、実際に読むとね、けっこう哲学書なんですよ。 (今回も上記の動画を元に記事を書きましたが、YouTubeで言い忘れたことを追加した部分のみ有料100円にさせていただきましたので、サポートしていただけると大変にありがたいです。) だから宮本武蔵っていうのは実は日本を

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          失敗を恐れてはならないのがウィトゲンシュタインの教え

          最近ちょっと落ち込んでいたのですが、というのもニーチェのね『善悪の彼岸』を読んでると、なんかずいぶん落ち込むんですよね。 何やっても人に理解されなくて無駄なんだっていうね、そういう気持ちになってかなり落ち込むんですけども、まあそんなふうにね、落ち込んでる場合じゃないわけなんですよね。 (今回も上記の動画を元に記事を書きました。アドリブのしゃべりをアレンジしてるので、その違いもお楽しみいただけます。記事は後半から有料(100円)ですが、YouTubeは全編無料で視聴できます

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          『サピエンス全史』から考える発達障害とは何か?奴隷制と発達障害のヤバイ話

          「発達障害とサピエンス全史」というテーマで考えてみたいと思いますが、『サピエンス全史』というのはベストセラー本で、ネットではブログやYouTubeなど、いろんな方が紹介されています。 で、ぼくはちょっと視点を変えて、発達障害について『サピエンス全史』を元に考えてみようと思うのです。 まずぼく自身は発達障害の当事者で、ADHDつまり注意欠陥多動性障害なんですね。 とは言えあくまで自己診断なんですが、ともかく子供のころから遅刻多い、忘れ物多い、片付けができない、などで親や先

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