DAY079 安いことは優しさだろうか？という疑問。

同業である夫氏が
デザインの依頼を受けて
同級生の名刺を作っていた。

それに関して
まぁちょっとくらいは
思うところはあるものの
わたしの仕事じゃないから
別段口出しはしない。

問題は
デザインでも
内容でもない。

制作費だ！

その辺のペーペーなの？
っていう価格で引き受けている。
あり得ない挙げ句、腹が立つ。

そもそも夫氏は
キャリア30年の大ベテランで
ここ数年は某賞の審査員もしている。
会社員という立場ではあるが
デザイナーでもあり
アートディレクターでもある。

そんなヤツが！
その辺のペーペーみたいな！
制作費を提示するとか！
何してくれとんねん！

という怒りが、沸々と。

安ければいい、それホントに？

名刺をつくる人間側も
それを受け取る人間側も
自分の価値を『その程度』としてるの
ホントにそれでいいの？

自分が受け取るだけだから
別に問題ないでしょ、
なんて思うかもしれないけど

お前が自分の価値を下げることは
業界全体の価値を下げることにつながる
という認識がなさすぎるんだよ！

と、つい熱くなってしまうのだが。

例えばメルカリで
古本を1000円で出してたとしよう。
周りも大体1000円前後の相場だ。

しかし、そこにいきなり
400円で出品してくるヤカラが現れると
急に相場が狂ってしまう。
本来なら1000円前後の価値で
売ることができたはずのものが
一瞬にして値打ちが下がるのだ。

たいていの中古品は
元の価格があるから
相当レアなものでもない限り
相場が上がることはないけども

デザイン制作費ってやつは
元の価格が存在しない世界だ。
だからこそ、自分の価値というものが
ものすごく問われるし
簡単に安く出してしまわれるのは
周りの同業者にとっての脅威でもある。

デザインに価値があり
そのデザインを
受け取るあなたにこそ
価値があるってことを
わたしはいつも伝えたい。

だからわたしのデザインは
ぶっちゃけ高いほうだと思っている。
でもそれは＝お相手の価値
ってことだからね。

自分のことも
クライアントさんのことも
安く見積もるんじゃねーぞ！

あと、名刺って実は
めっちゃ大事なアイテムだから
デザインだけじゃなくて
ちゃんとヒアリングして戦略立てないと
配っても役に立たないものになるの。

だからこそ
名刺の制作費は高いんだよ。
生きる名刺を作るからね。