【2022年10月1日法改正情報①】社会保険加入要件、最低賃金

★社会保険の被保険者加入要件が一部変更になっています。

1.雇用期間が2ヵ月以内の期間を定めて雇用される者


社会保険適用除外⇒以下のいずれかに該当する場合は契約当初から社会保険への加入が必要。
①就業規則または雇用契約書等においてその契約が「更新される」または「更新される場合がある」と明示されている場合
②同一事業所において同様の雇用契約に基づき雇用されている者が更新等により最初の雇用契約の期間を超えて雇用された実績がある場合

【解説】
一次的な繁忙期などに臨時的に2ヶ月以内の雇用期間をもって雇い入れられた従業員は社会保険の適用から除外されていました。
※社会保険に加入できなかった。ただし、この場合でも最初の雇用期間のみが適用除外であって、その従業員が2か月を超えてもまだ働き続けている場合は最初の雇用契約終了日の翌日から社会保険へ加入をしなければなりません。

契約期間の定めのある雇用契約において、更新のあるなしの記載がありますが、そこで「更新あり」「更新することがある」などと記載がある場合は雇い入れの最初の日から社会保険への加入が必要となったということです。
また、過去同様の雇用契約で雇われていた従業員が更新等によって最初の契約期間を超えて雇用された実績がある場合もまた同様に、雇い入れの最初の日から社会保険への加入が必要となりました。

社会保険の適用から外れるのはあくまで2ヶ月以内の雇用契約期間内に雇用が終わり、更新がされないことが明確で、過去にも同様の雇用契約で更新された事実がない場合のみとなったということですね。

2.短時間労働者(一般的にパート、アルバイトなどと呼ばれる方々)


以下の要件のすべてに該当する者は社会保険の適用となり、加入することになります。
①週の労働時間が20時間以上
②月の給料が88,000円以上

2022年10月から「被保険者数」が100人を超える企業等で働く、これらの要件に合致した短時間労働者は社会保険に加入することになります。
雇用期間の長さは関係ありません。今までは1年以上雇用される見込みがなければ適用要件に合致しませんでしたが、有期雇用でも無期雇用でも、雇用期間に関係なく社会保険の適用となります。
※学生は適用除外

また2024年10月からは被保険者数が50人を超える企業が対象となってきます。
1日の労働時間が短かったり、週の労働日数が少ない従業員を多く雇い入れている企業(飲食店やスーパーなどに多そうですが)は、対象となる従業員がいる場合、対象となる従業員を把握して事前に説明し社会保険に加入する旨伝えたり、また今後保険料の負担が増えることになります。

★最低賃金額が改定されます。


(地域によって10月1日が発効日でない場合があります)

ここに表示されている最低賃金額は「時給」です。


給与が月給で支払われている場合は時給に直したときにこの最低時給を下回ってはいけません。
月給を時給換算するときには基本給のみならず諸手当も含めますが、含めてはいけない手当もあります。
たとえば残業代、精皆勤手当・・・これはそのものの性質を考えるとわかると思いますが、労働しなかった場合もらえない手当です。

月給を時給換算するときの労働時間は?


年間の総労働日数を12(か月)で除した値を1日の所定労働時間に乗じると1か月の所定労働時間が算出できます。
1か月の給与をその時間で除すと時給が算出できますので計算してみましょう。

またパートやアルバイト、試用期間中の場合などにも最低賃金は適用されます。
本採用前だから、学生アルバイトだからと言って最低賃金を下回る時給で雇い入れてはいけません。(特例あり)

詳しくはこちら

≪Profile≫伊藤社会保険労務士事務所
東京都社会保険労務士会 所属
特定社会保険労務士 伊藤 綾子
2005年4月 渋谷区にて事務所開設
2011年11月 豊島区に事務所移転
★組織改革支援★組織・人材活性化支援★
伊藤からの質問「どういう組織をつくりたいですか?」


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