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待ち合わせと解散と幸せ

彼と待ち合わせするのが好きだ。
一緒に住んでいる今も、待ち合わせは好きだ。解散するのも好きだ。
どちらもデートっぽいから。
平日仕事帰りに待ち合わせてご飯に行ったり、休日にお茶をして解散した後に美容室へ行ったり。
同棲すると待ち合わせもしなくなって、デートっぽさは無くなるよ。とよく言われた。
でも私たちは待ち合わせも解散もよくする。
一緒に住んでいるけれど、別々に家を出て待ち合わせて解散をすることで、とても楽しくてワクワクすることのように感じる。
もう付き合って3年も経つけれど、デートはもちろん、待ち合わせも解散も楽しい時間なのだ。


実家の3つ下の妹とは待ち合わせも解散もしたくない。寂しいから。
もう一緒に住んでいないことを実感して、とても寂しい。
小学生から24歳まで、私たちは同じ部屋で生活した。
電話の声がうるさいとか、勉強してるんだから電気を消すなとかでしょっちゅう揉めたが、とても仲が良かった。
いつも一緒に起きて一緒に化粧をし、バカなことで笑い合って家を出て、遊び疲れて一緒に帰宅し、一緒にお気に入りのDVDを観て同じ夕飯を食べ、恋バナをしながら同じ部屋で寝た。
私が24歳になるまでそれを続けてきた。
私にとっての妹は、大切な家族であり、1番の理解者であり、親友だ。

実家へ帰って妹に会うたび、その日々が懐かしく、どこか寂しくなる。
帰省した日に駅で妹に合った時、そして、何泊かした最終日に家の玄関で見送られる時、私はとても寂しくなる。
もう一緒に住んでいないこと、明日は一緒にいられないことを実感してしまう。
何でもないただの日常が、かけがえのない時間だったと、何度でも思い知らされてしまうのだ。

けれど新幹線に乗って家に帰ると、彼が待っていてくれる。やっぱりそれはとても嬉しくて、幸せだ。

私は一つの幸せを手放して、もう一つの幸せを手に入れたのだ。なのにどちらも欲しくなる。
私は本当にわがままで欲張りだ。

もうすぐ春の帰省の日がやってくる。
今年も妹との待ち合わせから解散までは、騒がしい実家で過ごしたあの頃の2人でいたい。
そして、幸せを噛み締めたい。


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