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好き

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何か、好きなんです。
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#思い出

20,08,28。Tさんの思い出①

自分がまだ小学校低学年だった頃、近所に「Tさん」と言う方が住んでいました。 歳は現在の自分より少し上だったかもしれません。初老で独身で物腰が穏やかでいつも和服を着ていた記憶があります。 自分を含めた数人の子供達の間ではTさんと名前で呼びかける子はおらず、もっぱら「本のおじさん」と呼ばれて親しまれていました。 Tさんの家は小さな二階建ての一軒家でしたが、すべての部屋が難しそうな本で一杯だったのです。部屋の壁はすべて本棚で部屋によっては壁以外にも本が積み上げられており、風呂

20,08,29。Tさんの思い出②

Tさんは自分達が遊びに行くといつも歓迎してくれましたが、たまに 「ごめんね。今日はお客さんが来ているからまた今度来てくれるかな」 と言われる時がありました。 お客さんを二度ほど見た事があるのですが二回とも明らかに学生では無さそうなのに詰襟っぽい服を着ていた事が印象的でした。自分達のような子供にもきちんと目礼してくれる妙にきりっとした人達でしたが特に怖い印象は受けなかった事も覚えています。 また、お客さんがTさんの事を「先生」と呼んでいた事も覚えています。 「お客さんから先

遠い日の思い出

  イラストエッセイ「僕の昭和スケッチ」最初の一枚 これは子供の頃の記憶です。 或る夏に在所でザリガニ採りに行った帰り道の思い出。 先を歩いているのは、在所の従兄弟です。 バケツからザリガニが逃げ出しているのに気付かず歩いていました。 制作は2005年。ちなみに、仕事の合間をぬって「僕の昭和スケッチ」を始めたのが2016年ですから、昭和スケッチより10年以上前の作品という事になります。けれど、最近になってこの絵を見ると絵のティストは昭和スケッチとはちょっと違うものの、これ

広辞苑を愛読し、ラメペンでアフロ犬を描いて叱られる子どもだった

断言する。10歳の私がもっとも熟読したのは、広辞苑だ。 小学4年生の頃の担任は、辟易するほど日記にうるさくて、毎日5ミリ方眼のノートに1ページ半のノルマ(日記)を課してきた。 日記嫌いの私にとって1ページ半というスペースはだだっ広すぎる。 だいたい、毎日日記に書けることと言えば、友達と遊んだことと、夕飯の献立と、その日見たテレビ番組くらいしかないのだ。これらを普通に書いたところで、ノルマの1/5にも満たない。 毎日何か特別なこと(たとえば遠足)が起これば日記だって書き

ひな姉の #音楽の履歴書(懐かしい曲と共に)

「#音楽の履歴書」というタグがとても気になっている。ささいな笹さんが発端となって広がっているnoteを読むのがとても楽しい。私も書いてみたいと思いながらも昭和生まれにしかわからない曲ばかりになりそうで少し書くことに躊躇していたが、そのことをツイートしたところ多くの方から「ぜひ読みたい」といっていただいたので調子にのって書くことにした。 また人名については敬称略で記載する。 ◆ 私のスペック昭和40年代前半生まれ。 幼稚園時代このころは自分の意志で音楽を聞くことがなく、

文化の日果てなきチラシ配りかな

季語:文化の日(晩秋) ぶんかのひはてなきちらしくばりかな そもそもの文化の日とは? 文化という言葉はいろいろと奥が深いようだ。 Weblio辞書の「実用日本語表現辞典」ではまず以下のような定義があり、その後、語源などの説明が続く。 文化とは、複数名により構成される社会の中で共有される考え方や価値基準の体系のことである。 最後には、以下の定義のもと具体的な例がいくつか挙げられている。 人間により創造されたもの、人工物であり、その社会において後天的に学ぶべきもの全般

初めて買ったCD(Sea of Dreams)

今週は縫った刺繍の記事を書こうと思っていたけど、週末で縫い終わりそうにない…。 #初めて買ったCD のタグを見かけたので、代わりに今週はこの記事を書いてみることにしました。 自分が初めて買ったCDは、MISIAさんの「Sea of Dreams」という曲のCDです。 初めて買った…といっても親のお金だったので、「初めて自分の意思で買ってもらったCD」です。 ご存知の方もいると思いますが、この曲は東京ディズニーシー5周年の時のテーマソングです。 当時、ディズニーストアに行

ふと10代の頃の恋愛を思い出すことがある。 実らない恋を繰り返しては、何度も人に想いをよせてた。 理屈じゃ説明できないスキの感情、 未だに出来ない答え合わせ。 そんな日々を思い返しては、少しだけニヤつく僕でした。