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怪談を生で聴く、という楽しさと贅沢さ

みなさんは、怪談師という言葉を聞いたことがあるだろうか。

怪談師とは、人々から怖い話を蒐集し、それをイベント等で語る職業のことである。

私は昔からオカルトが好きだった。
小学生の頃からホラー映画や都市伝説、UMAなど、そういったものに数多く触れてきた。

しかし、怪談師という言葉を知ったのはつい数年前のことだ。

とあるアングラな音楽イベントに参加した際に、演奏の合間に怪談話をするコーナーがあり、田中俊行さんという呪物を集める方が怪談話を語っていた。
それが初めて怪談を生で聴いた体験だった。

薄暗い場内で、静かに、けれども恐ろしいほどの気迫で語る田中氏に私はすぐに夢中になった。
正直、怖い話は好きだったが、聴くのも本で読むのもあまり変わらないと思っていた。

そんな私だったので、人の口から語られる怪談の恐ろしさ、そしてそれ故の面白さを実感する非常に良い機会となった。

プロの怪談師が語るだけで、元の話が何倍にも怖く、そして面白くなる。
臨場感たっぷりで、本当に自分がその場にいるような気さえしてくる。まさしく、ゾッとする、という体験を味わえる。


この日、イベントでたまたま仲良くなった人がいたのだが、その方は怪談師を目的として来ていた人だった。
趣味が近かったこともあり、イベント後、軽く居酒屋で打ち上げをした。
彼女は自分で怪談イベントを主催するほど、怪談が好きで、もちろん怪談師についても詳しかった。

怪談師を全く知らない私に、彼女は楽しそうに怪談師のことやイベントのことを教えてくれた。

帰宅後、すっかりハマった私は早速帰りの電車で勧めてもらったOKOWAを視聴した。
OKOWAとは、怪談師たちが対戦形式で怖い話を語り、審査員が最も怖い話をするのは誰か、を決める大会だ。
ジャンル不問なため、純粋な怪談話から、人怖までさまざまな怖い話が聞ける場となっている。

私は中でも、三木大雲氏の怪談に強く惹かれ、書籍もいくつか読んだ。
現役の和尚さんでありながら、怖い話をするという異色の人物だ。

彼の怪談話は、心霊的な怖い話だけでなく人怖もあったりとバラエティ豊かで聴くものを飽きさせない。
そして、何より惹かれるのが、語る話のどれもがめちゃくちゃに怖いという点だ。
比喩表現ではなく本当に鳥肌が立つ。
YouTube等でも見ることができるので、気になった方はぜひ一度聞いてみてほしい。

皆さんも機会があったら是非とも一度生で怪談を聞いてみてほしい。臨場感あふれる恐怖体験はきっと他では得られない刺激を得られるはずだから。

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